水漏れ続く農水省の大蘇ダム、農政局説明に地元疑念

 漏水が止まらない大蘇ダムの続報です。
 農水省が熊本県阿蘇に26年かけて2005年に完成させた大蘇ダムは、漏水対策工事のために供用開始が昨年4月にずれこみました。事業費も当初計画の130億円から720億円に膨れ上がりましたが、供用開始後も想定を大幅に上回る漏水が続いています。

◆2021年3月22日 朝日新聞
https://digital.asahi.com/articles/ASP3Q6VLKP3QTPJB001.html
ー大蘇ダム「農業用水賄える」 農政局説明に地元疑念ー

 想定を上回る水漏れが続く大蘇ダム(熊本県産山村)について、九州農政局は22日、受益地の大分県竹田市にダムの現状や水漏れ対策工事の検証状況を説明した。現時点でのり面や湖底に異常は見つかっておらず、水漏れの原因は不明とする一方、農業用水は確保できるとの見通しを説明。市議らから懸念や反発の声が上がった。

 農政局は今月、外部の専門家によるダム安全性評価委員会を開き、結果を土地改良区や市議会などに報告した。説明によると、農政局は、コンクリート吹きつけ部分や湖底に漏水がないか、水中ドローンを使うなどして調査。異常は見つからなかったという。

 21日時点の漏水量は1日約1万トンで、想定の1日約2千トンを上回っている。貯水量は147万立方メートルで有効貯水量の389万立方メートルを下回っているが、10年に1度程度の渇水ではダムの水で農業用水を賄えると説明。最悪の場合でも、ポンプで湖底近くやわき水などをくみ上げて用水を確保する、とした。大内毅農村振興部長は「現状でも今年迷惑をかけずに給水を進めていきたい」と話した。

 市議らからは用水確保への疑念や、工事の責任を問う声が上がった。首藤勝次市長は「浸水の程度は完成にほど遠い。追加工事が必要なら国の責任でやってもらうし、完成していないなら市の負担金も返してもらいたい」と注文した。(中島健)

◆2021年3月23日 毎日新聞大分版
https://mainichi.jp/articles/20210319/ddl/k44/040/415000c
ー大蘇ダム 渇水に「耐えられる」 漏水原因分からず 九州農政局ー

 大分、熊本両県に農業用水を供給する国営大蘇ダム(熊本県産山村)の漏水問題で、管轄する九州農政局は18日、有識者会合を熊本市で開き、農家が水を多く使う田植えシーズンの5月を迎えても「雨量に左右される面もあるが、10年に1度程度の渇水なら耐えられる」との認識を示した。漏水の原因は特定できていない。

 九州農政局によると、有識者会合は漏水の原因究明や対策を協議するために設け、今回が2回目。農業関係者などから水不足を懸念する声が上がっており、同局は現状の漏水量などを基に見通しを示した。原因特定のため、水量データを精査し年内に再び協議する方針。

 ダムは阿蘇市と産山村、竹田市の農地に水を供給するため1979年度に事業に着手。2005年に貯水試験を始めた際、漏水で必要な水量を確保できないことが判明。国は対策の補修工事をし、昨年4月に供用を始めたが、再び漏水が確認された。