大戸川ダム、事業費110億円超過

 国土交通省近畿地方整備局は建設を凍結してきた大戸川ダムを推進するために、淀川水系河川整備計画を変更し、整備計画に大戸川ダムを位置づける手続きを進めています。
 大戸川ダムは、事業費の負担金が最も大きな大阪府と京都府が相次いで推進に舵を切ったことで、凍結が解除されることになりました。
 推進決定後に事業費増額や完成遅れの見通しが明らかになるのは、ダム事業ではよくあることです。報道によれば、事業費は110億円増額、ダム完成までに12年もかかる
ということですが、さらに増額や工期延長の可能性もあります。しかし事業費増額が前面に出ると、大阪府と京都府は大戸川ダム推進について府議会の承認が得にくくなるので、当面、事業費が変わらないという話にしようということになっているようです。

◆2021年4月10日 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO70876640Z00C21A4LKB000/?unlock=1
ー大戸川ダム、事業費110億円超過ー

 近畿地方整備局は大戸川(だいどがわ)ダム(大津市)に関連する付け替え県道工事の巨石撤去に、新たに27億円の費用が発生したことを明らかにした。2015年の点検で判明した資材費高騰などと合わせ、総事業費に対する超過額は110億円となる。同整備局は工期短縮などで今後縮減も見込めるとして、総事業費を当初の1080億円に据え置いている。

 同整備局が8日に開いた淀川水系ダム事業費等監理委員会で報告した。同整備局は大戸川ダム建設を明記した河川整備計画の変更原案をすでに公表し、3月に住民公聴会とパブリックコメントの募集を実施。8日に意見聴取結果を明らかにした。

◆2021年4月9日 中日新聞
https://www.chunichi.co.jp/article/233121?rct=shiga
ー大戸川ダムの事業費、膨らむ可能性も 近畿地方整備局ー

 建設が凍結され、滋賀を含む流域六府県の知事らが計画容認の方針に転換した大戸川ダム(大津市)について、国土交通省近畿地方整備局は八日、全体の事業費千八十億円のうち今後必要としている四百億円が、今後の地質調査の結果次第で膨らむ可能性を示した。事業の妥当性を専門家らが検討する委員会で説明した。

 整備局によると、地質を含めた建設条件についての調査は、河川整備計画が変更されて建設が決まった後に実施する予定。事業費は地質の状態や、必要となる資材の単価などで変動する可能性があり、最終的な事業費が増えるか減るかは「分からない」としている。

 整備局は二〇一六年、淀川水系の治水では大戸川ダムの建設が、他の対策よりも「コスト面などで優位」としている。八日、委員会後のオンライン会見で、事業費の変動で検証結果が変わる可能性を「想定していない」と述べた。

 工期については、建設決定後の調査などに四年、さらに工事に八年かかると説明。週休二日を確保しつつ短縮も検討するという。
 委員会は非公開で、委員長の深川良一・立命館大特命教授ら五人が出席。整備局の説明では、委員らは事業費が変わる可能性や工期短縮の検討を「おおむね妥当」と判断。新技術や他のダムの例などを参考に、コスト縮減や工期短縮の検討を求める意見があった。

「治水必要は共通」意見聴取結果
 近畿地方整備局は八日、大戸川ダムの建設などを明記した淀川水系河川整備計画の変更原案に対するパブリックコメントなど、住民の意見聴取の結果を公表した。
 大津市などで開いた公聴会と合わせ、六十人から二百一件の意見があった。このうち、大戸川ダムに関する意見は四十五件。建設に賛成する内容は二十六件で「大戸川流域に住んでおり、水害を防いでほしい」「安心して稲作をできるようにしてほしい」などの意見があった。
 建設の再検討や他の治水方法を求める意見は十九件。「淀川への治水効果が低い」「想定される水害の被害額の計算が乱暴すぎる」といった内容だった。
 整備局は「大戸川ダムについては多様な意見があったが、治水対策が必要という点は共通していた」とコメント。今後、計画の変更案に反映させるとしている。