八ッ場ダムモニタリング委員会説明資料(第二回)

 国土交通省は八ッ場ダム建設による環境への影響を監視するために、専門家等からなる「八ッ場ダムモニタリング委員会」を設置しています。
 第一回の委員会は八ッ場ダムの試験湛水が開始される直前の2019年9月4日に開催されました。

参考ページ➡「国交省、八ッ場ダムモニタリング委員会を設置」
      
 今年2月9日に開催された第二回八ッ場ダムモニタリング委員会の資料が国交省利根川ダム統合管理事務所のホームページにアップされました。
 https://www.ktr.mlit.go.jp/tonedamu/tonedamu00563.html

★第二回モニタリング委員会の説明資料は全103ページあり、6ページから60ページにこれまでの調査結果が掲載されています。
 https://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000799640.pdf

調査結果の報告から、いくつか紹介します。

◆12ページ、20ページ〈水環境〉
*注 長野原町貝瀬は、草津白根山麓から流出するヒ素が流れる吾妻川支流の白砂川流域の観測地点。

◆34ページ〈動物:環境保全対策の効果の確認〉
 イヌワシ、クマタカなどの猛禽類は鳥類の生態系の頂点にあるため、森林生態系の指標種とされる。八ッ場ダム建設地周辺では、1990年代から始まった大規模な関連工事により、イヌワシ、クマタカの生息が脅かされ、確認数が激減している。
 参考ページ➡「イヌワシ、クマタカの生息状況」

◆49ページ、50ページ〈生態系〉
 ダム湛水による影響として、46ページに「下流河川の水際部で新たに植生が出現する等の変化がみられており、流況の安定化に伴う樹林化傾向が懸念される」とある。八ッ場ダムが建設された名勝・吾妻峡では、荒々しい岩肌が両岸に迫る中を吾妻川が身をくねらせながら流れ下る景観が嘆賞されてきたが、洪水がダムに貯留されることで、長い歳月の間に両岸が草木に覆われることが懸念されている。
 50ページには、貯水地内にウグイなどの魚類が確認されたことが報告されている。

◆57ページ、58ページ、60ページ〈その他〉
 58ページの報告によれば、台風19号が襲来した2019年度のダム貯水地内の流木処理量はは1万6,602立方メートルに達した。
 60ページの報告によれば、台風19号が襲来した2019年10月から三ヶ月後の2020年1月時点で、貯水地内に堆積した土砂量を測量したところ、全体の堆砂量は約240万立方メートルであった。八ッ場ダムの計画堆砂量(ダムの寿命である100年間に堆積すると想定される土砂量)は1,750万立方メートルである。ダムが完成したのは2020年3月であり、4月から運用が開始されているが、ダム完成前に計画堆砂量の約14%(14年分)に達してしまっていたことになる。

写真=台風19号後の測量で土砂の堆積量が特に多かったとされる丸岩大橋付近。2020年1月13日撮影。

写真=丸岩大橋の上流の狭窄部(旧・弁天橋付近)には大量の流木が詰まり、除去作業が行われていた。2020年1月13日撮影。