明電舎、八ッ場発電所竣工

 東京の明電舎が八ッ場発電所の工事を完了したとのニュースがネット上に掲載されています。
 群馬県が管理運営する八ッ場発電所は、八ッ場ダムの直下に建設され、八ッ場ダムの放流水を利用して水力発電を行います。
 群馬県のホームページによれば、八ッ場発電所建設事業の工期は昨年度までとなっていますが、工事は終わっていなかったようです。
➡群馬県ホームぺージより「八ッ場発電所建設事業について」
 

◆2021年7月9日 環境ビジネスオンライン
https://www.kankyo-business.jp/news/028771.php
ー明電舎、群馬・八ッ場発電所が竣工ー

 明電舎(東京都品川区)は7月7日、群馬県企業局より受注した八ッ場発電所(群馬県吾妻郡)における水力発電設備の設計製作、据付工事が完工したと発表した。

 同発電所は、吾妻川中流にある八ッ場ダムの放流水を利用したダム式発電所で、最大出力は11,700kW、年間発電電力量は約4200万kWh。一般家庭約12,000世帯分の電力の供給が可能できる。
 発電所の特長としては、時季により変動するダムの流量に対応するため、発電機1台に対して水車が2台となる横軸両輪フランシス水車を採用し、その時々の流量に応じて最適な運転形態で発電するよう自動制御を行うことができる。
 なお八ッ場発電所建設事業において、同社は、12,600kW横軸両輪フランシス水車、12,400kVA横軸同期発電機、ガス絶縁開閉装置、主変圧器、配電盤・制御盤などの設計製作と据付工事・試験調整の一式を請け負った。

 水資源が豊富な群馬県では、発電時に二酸化炭素を排出しないクリーンエネルギーである水力発電を主力とした発電事業を行っており、今回建設された八ッ場発電所は33カ所目の県営水力発電所となる。
 また、群馬県は、県営水力発電所(固定価格買取制度の対象電源を除く)で発電したCO2フリー電力を県内の事業者に供給する地産地消型の電力メニュー「電源群馬水力
プラン」を提供しており、同社の主要生産拠点のひとつである太田事業所(群馬県太田市)でもこのプランを利用してCO2フリー電力を調達している。

 同社は今後も、国内外の既設水力発電所更新案件の受注拡大を図り、水力発電をはじめとした再生可能エネルギーの普及と脱炭素社会の実現に貢献していくとしている。

—–転載終わり—–

 八ッ場ダムの主目的は水源開発(都市用水の供給)と洪水調節です。八ッ場ダム直下の水力発電は、2008年のダム計画変更の際に加わった付随目的で、ダムから放流する際のみ稼働する「従属発電」です。
 利根川上流ダムの中には、下久保ダム、藤原ダム、矢木沢ダム、草木ダムなど、主目的に水力発電が組み込まれ、発電容量が最初から決められているダムが多数あります。これらのダムと同時期に計画された八ッ場ダムも、当初は(1952年に最初の計画発表)水力発電が目的に入っていたようですが、その後、国のエネルギー政策の変更に伴い、水力発電は半世紀以上の間目的から外されていました。

 八ッ場ダムが建設された吾妻川では、昭和時代初期から水力発電が行われてきました。八ッ場ダム貯水域の水の大半は、これまで吾妻川と並行して走っている導水管に分流され、東京電力の水力発電に利用されてきました。
 新しくできた八ッ場発電所で生み出す水力発電量は、八ッ場ダムに貯水することによって東京電力が失う発電量よりはるかに少ないことから、八ッ場ダム事業では東京電力に減電補償を行うことになっています。
➡〈参考ページ〉「八ッ場ダムと発電」

 東京電力はダム下流の水力発電所で使用する吾妻川の水量の減少を補うため、現在、ダム直下の吾妻渓谷の地中で導水管を建設する工事を実施しています。
 ダム堤下の工事現場の地上には、工事看板(下の写真)が掲示されていますが、導水管の工事によって発電量がどれだけ回復するのか不明です。