長崎県、石木ダムめぐる住民との話し合いに5条件提示

 石木ダム予定地では、土地の所有権が国に移っても、13世帯の住民が立ち退く気配はありません。ダム事業者である長崎県の土木部は、あの手この手で住民を「話し合い」の土俵に引き出そうと働きかけてきました。住民らは「話し合い」の間にも工事が進むことを警戒し、7月12日に「話し合いの間は工事を中断」するなどの4条件を文書で県に伝えたところ、昨日20日に今度は県が住民らに以下の5条件を提示してきたとのことです。
(住民らが提示した4条件はこちらをご参照ください。)

1.話し合いの期間は、令和3年8月31日(火)までとし、石木ダム建設事業に関する工事は、話し合いの当日に限り中断します。なお、即時工事を中断し、話し合いの期間中は工事をしないことや、新たな工事に着手しないとすることは困難であります。

2.県の司会進行により静穏な環境を確保したうえで、13世帯の皆様と直接お話させていただきます。なお、参加者は13世帯の皆様限りとします。

3.今回は、当事者間による直接の話し合いを行いたく、報道機関への公開は話し合いの冒頭のみとすることを考えております。

4.新型コロナ感染防止のため、一定の広さが保てる会場が必要なことから、川棚町公民館での開催を考えております。

5.日時については、皆様からお示しいただいた条件で調整したいと考えております。

 以上の5条件の中で、住民側の要望を考慮しているのは「5」のみです。
 1では、「新たな工事に着手」すること、8月31日を過ぎたら行政代執行も辞さないことを暗に示唆し、2~4では「話し合い」の設定を県のやりたいようにやると伝えています。これまでの住民と県との話し合いでは、報道機関のカメラが入り、県側の不誠実な姿勢が公開され、世論の反発をかってきました。
 脅し文句のような条件を突きつけて、住民を心理的に追い詰めようとする長崎県に対して、粘り強く反対運動を続けてきた住民らを支える世論の力が、これまで以上に重要になってきます。
 

◆2021年7月21日 長崎新聞
https://nordot.app/790420163457925120?c=174761113988793844
ー石木ダム工事 話し合い 8月末まで 長崎県が条件提示 即時中断は「困難」ー

 長崎県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設事業で、県は20日、中村法道知事との対話に向けた条件を詰めるため、水没予定地に暮らす13世帯の反対住民に19日付で郵送した文書の内容を公表した。県側の条件として、期間は8月31日までで、話し合い当日に限り工事を中断すると明記。住民から求められた工事の即時中断や、継続的な中断は「困難」としている。条件提示を受け、住民側は内部で話し合うという。

 住民側は今月12日付の文書で、▽関連工事を即時中断し、期間中は工事をしない▽会場は川原公民館▽若い住民も参加できるよう日曜午後か平日午後7時以降に実施▽知事がダムの必要性について住民に分かるように説明する-の四つを条件に挙げていた。

 これに対し県は▽県が司会進行し、参加者は13世帯に限る▽報道陣への公開は冒頭だけ▽新型コロナウイルス感染防止のため広さが確保できる川棚町中央公民館で開催-など五つの条件を示した。今月28日までに話し合いの可否を回答するよう求めた。

 住民の岩下和雄さん(74)は取材に「工事を1日だけ止めて何になる。本当に話し合う気があるのか」と首をかしげた。岩本宏之さん(76)は「8月31日まで工事を止めると言うならまだしも、誠意を感じられない」と憤った。

 県は5月から2回、条件面を詰める事前協議を文書で申し入れ、住民側は工事の即時中断を求めた。県は6月30日付の3度目の文書で対面の事前協議に応じる場合は当日に限り工事を全て止めると明記した。対面での協議を望まない場合は工事中断の期間や範囲など条件を示すよう求め、住民側が文書で回答したことから、県側は文書での事前協議が始まったと解釈した。

◆2021年7月20日 テレビ長崎
https://www.ktn.co.jp/news/detail.php?id=20210720009
ー石木ダム 県が知事との話し合いに向け条件を提示「7月28日までの回答を」ー

 東彼・川棚町に計画されている石木ダム建設を巡る知事と反対住民との話し合いに向け、長崎県は住民側に改めて期間や条件を示しました。
 19日、長崎県がダムの建設に反対する住民に送った文書です。
 知事との話し合いの期間について「8月末までとする」と初めて明記し、参加は反対住民の 13世帯 に限るとしています。
 会場については、住民側がダムの建設予定地内の川原公民館を希望していますが、長崎県は感染症対策を理由に、川棚町内の中央公民館を提案しています。

 長崎県と住民との間では、話し合いの条件を巡り、文書のやり取りが続いていて、工事の中断が大きなハードルとなっています。
 住民側は話し合いの間は工事の中断を求めていますが、長崎県は「話し合いの当日に限り中断する」との姿勢を崩していません。

 長崎県は住民側に7月28日までの回答を求めています。

◆2021年7月21日 毎日新聞長崎版
https://mainichi.jp/articles/20210721/ddl/k42/040/443000c
ー石木ダムで知事、対話へ条件提示 県、住民へ文書送付ー

 県と佐世保市が川棚町で進める石木ダム建設を巡り、県は19日、知事と水没予定地の13世帯の住民との対話について、話し合いの期限を8月末までとし、対話が実施される日に限り工事を中断するなどの具体的な条件を示した文書を住民に送付した。

 文書では、県が協議を進行する▽参加者は13世帯の住民に限る▽会場を川棚町中央公民館とする――ことなどを提案。一方で住民側が提示していた工事の即時中断については「困難」とし、話し合いは開催回数を問わず8月31日までで終了することを求めている。

 一方、「石木ダム建設に反対する川棚町民の会」(炭谷猛代表)は20日、ダム建設に伴う県道の付け替え工事現場で特定外来生物「ナルトサワギク」が繁茂していることについて、専門家への相談内容や防除作業の計画を明らかにするよう県に申し入れた。県河川課は「来週にも現場で調査し、抜き取りなど対応を検討する」としている。【松村真友】