「地滑り計測器 設置必要なし 八ッ場あしたの会 国交省から回答」(上毛新聞)

 さる7月15日に当会が記者発表した件について、翌日の上毛新聞が以下の記事を掲載しました。
 当会では、八ッ場ダムの貯水地が地すべり地に取り囲まれており、ダム湖周辺の各所に国交省が整備した水没住民の移転代替地が30~50㍍に達する高盛り土による造成であることから、地盤の変動を監視する国交省の観測体制を中止してきました。
 今年1月に国交省に提出した公開質問書では、JR川原湯温泉駅が移転した「上湯原代替地」に観測機器が設置されていないことに疑問を投げかけました。
 この公開質問に対して、八ッ場ダムを管理する国交省利根川ダム統合管理事務所から最初の回答があったのは4月でしたが、その後、国会議員による資料入手、現地調査などを経て現時点で確認できたことを今回、記者発表しました。

 記者発表の全文は以下のページに掲載しています。
 https://yamba-net.org/55499/
 「八ッ場ダム湖周辺の観測体制に関する公開質問、国交省回答と当会の見解」

◆2021年7月16日 上毛新聞
ー地滑り計測器 設置必要なし 八ッ場あしたの会 国交省から回答ー

 八ッ場ダム(長野原町)周辺の地滑りの可能性を調査している市民グループ「八ッ場あしたの会」は15日、国土交通省関東地方整備局に提出した公開質問書に回答があったと明らかにした。

 会が求める川原湯温泉駅周辺への地滑りの計測器の設置について、国交省側は宅地盛り土の安全性や地盤の安定性があるため設置していないと答えたという。

 回答に対し、会は「従来の回答を繰り返すのみで議論を進展させられない」と受け止めた。また、他地区での新たな計測器の設置を確認しており、駅周辺にも設置すべきだと主張している。


 JR川原湯温泉駅が移転した上湯原代替地では、地すべり対策と盛り土造成の代替地の安全対策が一旦は検討され、対策費の試算も公表されたが、最終的に「対策不要」とされた。今回の公開質問で、地盤の変動を察知する観測体制がないことが確認された。
 ダム湖畔の他の地域と同様、上湯原代替地には応桑層が広く分布している。応桑層は、浅間山の前身である黒斑山が約2万4000年前に大噴火によって山体崩壊した際、吾妻川を流れ下った泥流の堆積物。ダム湖の水位の上下によって地下水位が変動するため、地すべり誘発が懸念されている。2021年5月3日撮影

 今年になって国交省が新たに観測機器を設置した林地区勝沼の地すべり地。今春オープンした「やんば天明泥流ミュージアム」から「八ッ場林ふるさと公園」へ下りていく坂の脇。
 林地区勝沼はもともと群馬県がダム事業とは関係なく集水井による地すべり対策を実施していた場所。写真左奥に見える「八ッ場林ふるさと公園」周辺では、ダム事業で抑え盛り土工法による地すべり対策が実施され、ダム完成前から多数の観測機器が設置されている。奥の湖面橋のたもとにある「道の駅八ッ場ふるさと館」の周辺にも多数の観測機器が設置されている。2021年6月12日撮影