石木ダム着工も抗議続く、工事ストップ求める「人間の鎖」に230人参加

 さる11月25日、長崎県が行政代執行を行える状態になっている石木ダム予定地で、住民と支援者が「人間の鎖」をつくってダム反対を訴えました。100人の集合を目指した今回のイベントに、なんと230人も参加したそうです。報道各社がその様子を伝えています。

◆2021年11月26日 長崎新聞
https://nordot.app/836779503201533952
ー「石木ダムは要らない」 反対派が“人間の鎖”で抗議 川棚・川原地区ー

 長崎県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダムの水没予定地・川原(こうばる)地区で25日、建設反対を訴える集会「100人あつまれ!川原の里へ」があり、地元住民や支援者、国会議員ら計約230人が抗議の声を上げた。
 住民や支援者らでつくる実行委が主催。他県のダム反対運動に取り組む人らも集まった。
 石木ダムを巡っては2年前、川原地区住民の宅地を含む全ての用地が土地収用法に基づく明け渡し期限を過ぎたが、現在も13世帯が生活し、家屋撤去を含む行政代執行が可能な状況。県側は今年9月から本体工事に着手した。集会参加者は工事現場に向かって並び立ち、リボンで手をつないだ「人間の鎖」をつくり「ダムは要らない」とシュプレヒコールを上げた。
 山田勝彦、末次精一両衆院議員(立憲民主党、比例九州)も参加。元滋賀県知事の嘉田由紀子参院議員(無所属、滋賀選挙区)は「科学的なデータを積み上げ、石木ダムの不要性を訴えよう」と呼び掛けた。
 実行委の代表を務めた川原地区住民で、川棚町議の炭谷猛氏は取材に「石木ダム事業への疑問や反対を訴える多くの民意があることを示せた。今後この声は大きくなっていくと思う。さらに人数を集め、運動を発展させたい」と話した。

◆2021年11月26日 朝日新聞
https://digital.asahi.com/articles/ASPCT6QFXPCTTOLB004.html
ー長崎・石木ダム予定地で工事ストップ求める「人間の鎖」ー

 長崎県川棚町で県などが進める石木ダム建設事業を止めようと、全国から集まった支援者約230人が25日、水没予定地の川原(こうばる)地区に「人間の鎖」を築いた。国の事業採択から46年。県は9月に本体着工に踏み切ったが、地区の13世帯は立ち退きを拒み、現場で緊張が高まっている。

 県は2019年、家屋を強制的に撤去できる土地収用法上の権限を得た。今夏、住民との協議が不調に終わると、本体の工事を開始。人間の鎖は、住民を後押ししようと支援者らが企画した。

 住民の炭谷猛町議(71)は「50年ダムができなかったという事実が、(治水・利水両面で)ダムは必要ないということを証明している。傲慢(ごうまん)な長崎県に抗議をしよう」とあいさつ。嘉田由紀子氏ら国会議員や、八ツ場(やんば)ダム(群馬県)や川辺川ダム(熊本県)に反対してきた人たちも駆けつけた。水没予定地の田畑を囲むようにリボンを介して手をつなぎ、「清流を子どもたちに手渡したい」「集落を水の底には沈めません」と連呼した。(原口晋也)

◆2021年11月26日 毎日新聞長崎版
https://mainichi.jp/articles/20211126/ddl/k42/040/322000c
ー石木ダム ピンクリボンで「人間の鎖」 反対集会、全国から250人ー

 県と佐世保市が川棚町に建設を進める石木ダムに反対の意思を示す集会「石木ダムを止めよう 100人あつまれ!川原(こうばる)の里へ」が25日、ダムの水没予定地であり、全国から約250人が参加した。建設にまい進する県を批判し、財産権を奪われても建設反対を続ける水没予定地の住民にエールを送った。【綿貫洋】

 「石木ダム建設に反対する川棚町民の会」などでつくる「100人座り込み実行委員会」の主催。八ッ場ダム(群馬県)に反対してきた市民グループや野党の国会議員らが駆けつけた。

 参加者が交代でマイクを握るリレートークで、千葉県の女性は「川原に平穏な、当たり前の暮らしが戻るよう持続可能な社会を目指さなければならない」と指摘。元滋賀県知事の嘉田由紀子参院議員は、同県でダム建設を中止した事例を挙げ「科学的データを積み上げて石木ダムの不要性を訴えていく」と述べた。

 石木ダム本体工事を進める重機の音が響く中、参加者全員がピンクのリボンでつながる人間の鎖を作り、「川原の里山を守る」ことなどを盛り込んだ「まもりびと宣言」を採択した。

 実行委員長の炭谷猛・川棚町議は「参加者には工事の進捗(しんちょく)状況と住民の闘いを見てもらえた。さらに民意を結集して大きくしていきたい」と語った。

◆2021年11月26日 西日本新聞
ー石木ダム予定地で抗議集会 衆院議員ら230人超参加ー

 石木ダム建設に反対する地元住民らでつくる「100人座り込み実行委員会」(炭谷猛委員長)は25日、川棚町川原地区の建設予定地で抗議集会「石木ダムを止めよう 100人あつまれ!川原の里へ」を開いた。住民や支援者、立憲民主党の衆院議員や共産党の県議など230人以上が参加した。

 集会では、参加者が1人ずつマイクを持ち演説する「リレートーク」や、参加者が一列に並んでピンクのテープを手につくる「ニンゲンの鎖」を実施。参加者全員で、「石木川の清流を子どもたちに手渡したい」「川原の暮らしを守ります」などと「まもりびと宣言」を読み上げた。

 炭谷委員長は「多くの人に集まってもらえてありがたい限り。これからの闘いの第一歩。今後はもっと500人、千人と人を集め、建設中止を訴えたい」と話した。 (才木希)

◆2021年11月25日 長崎放送
https://nordot.app/836540855113170944
ー長崎県 石木ダム反対住民・市民らが「人間の鎖」で抗議ー

 長崎県川棚町に計画されている石木ダムをめぐり、建設に反対する住民や市民ら200人あまりが25日、現地で水没予定地を「人間の鎖」で囲み工事の中止や計画の見直しを訴えました。
 市民らおよそ230人が参加して人間の鎖を作り、住民との話し合いをしないまま今年9月に本体工事をはじめるなどダム建設を進める長崎県に抗議しました。 25日は4人の国会議員も参加。川棚町が選挙区で先の衆院選で当選した山田勝彦議員もダム見直しを訴えました。

山田議員「石木ダムの公共性については、もはや再検証が必要な時ではないか。地権者の皆さんの人権を第一に守るべき」

ダム反対住民の炭谷 猛さん「行政のやり方がおかしい。今の状況で石木ダムが必要ないんだということをみんながわかっている人が多いからこそこうして来られたし、今からでもどんどん大きくなっていくものと思います」

 集会のあと参加者はダムに関連した道路工事現場で1000日以上抗議の座り込みを続けている地元住民らを激励しました。

◆2021年11月26日 毎日新聞長崎版
https://twitter.com/_murayama/status/1464403354159697922
ー石木ダム着工も抗議続く 強制収用に現実味 専門家は歩み寄り呼び掛けー

 川棚町に計画され、水没予定地に今も13世帯が住み続ける石木ダムで、土地・建物を強制収用する行政代執行が現実味を帯びてきた。1975年度に事業採択され、座り込みなどの活動で長年着工が見送られてきたが、今年9月、抗議の動きが続く中で、県が本体工事に着手した。現状のまま工事が進めば強制収用は避けられない。専門家は「代執行は双方が痛手を負う」とし、行政と住民に歩み寄りを呼び掛ける。

 「これ以上の先延ばしは難しい」。ダムの本体工事が始まった翌日の9月9日、中村法道知事は険しい表情で語った。

 県は、対話での解決を目指してきたと強調する。昨年11月ごろ「白紙撤回が話し合いの条件ではない」との住民側意向を受け、協議の機会を模索。しかし、協議のテーブルにも着けないまま、対話期限と設定した今年8月が過ぎた。県は「条件面で折り合いが付かなかった」とする。

 現在のダム完成目標は2025年度。工期を見据えると、工事を進めざるを得ない段階だ。住民の土地の権利は既に消滅し、明け渡し期限も過ぎた。法的には、県はいつでも強制収用できる状態だ。裁判でも県の主張を認める判決が続く。

 県によると、現時点で、工事に伴い今後収用対象となるのは、住民が抗議や監視のため40年以上前に建設した「団結小屋」。ただ担当者は、住宅も「いずれは対象になる」と話す。

 一方、住民側が軟化する気配はない。岩永正さん(70)は「県は、ダムをつくってしまえば私たちが逃げると思っているんだろうが、そうはいかない」と憤る。

 最近では、福岡県が15年、東九州自動車道の予定ルートで、用地買収に応じなかった豊前市のミカン園を強制収用した例がある。小屋などを撤去し、土地を西日本高速道路に引き渡した。国土交通省によると、国が直轄・補助するダム建設事業に関する代執行は、ここ10年間ほどでは把握していないという。

 鹿児島大学術研究院の宇那木正寛教授(行政法)は、成田空港建設に反対する三里塚闘争の経緯から「力による執行は力による抵抗を生む」との教訓が得られたとする。「代執行の強行は行政への信頼を損ね、他の公共事業に協力が得にくくなる可能性がある。住民側にも喪失感が残るだろう。唯一の解決法は話し合いだ。交渉テーブルに着くため、まず双方の歩み寄りが必要だ」と指摘している。

 ■ことば
石木ダム

 県と佐世保市が川棚町の石木川に計画するダム。佐世保市の利水と、川棚町の治水が目的。計画では総貯水量約548万トンで、事業費は約285億円。国が1975年度に事業採択した。県は82年、土地の強制測量に県警機動隊を動員して座り込む住民らを排除し、対立が深まった。県は2010年に水没道路の付け替え工事を始め、21年9月、本体工事に着手。建設に伴う移転対象のうち約8割の54世帯は既に転居し、13世帯が残る。