八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

雪降る元旦、横壁住民、観光船に初乗船

 政争の具とされた八ッ場ダムは、完成前は群馬県内最大の社会問題とされ、地元紙では毎年のように大晦日や元旦の紙面に八ッ場ダムのカラー写真が大きく掲げられていました。完成後はダム湖畔に新たにできた施設が時々取り上げられる程度です。最近しばしば取り上げられているのが、営業開始が遅れた観光船です。

 2022年の年明け、正月3日の社会面にダム湖で運航を開始した観光船の記事が掲載されました。記事の写真(右)は、川原湯地区の移転代替地の背後の山から、陽が昇る瞬間を撮影したものです。

 初運航に当たり、発着所のある横壁地区の住民が乗船したとのことです。
 横壁地区は川原湯地区の上流側にあり、いずれも北向きの集落ですが、賑わっていた温泉街がすべて水没した川原湯と集落の一部のみが水没世帯であった横壁とではおのずと反対運動に温度差がありました。
 地元がダムを受け入れる過程で、国や県と交渉するために立ち上げられた住民組織(八ッ場ダム水没五地区連合対策委員会)では、横壁地区の大地主であった萩原昭朗さんが長年委員長を務めましたが、萩原さんもダム完成を見ることなく亡くなりました。

◆2022年1月3日 上毛新聞
https://www.jomo-news.co.jp/articles/-/51334
ー初日の出に輝く船出 八ツ場観光船が運航開始ー

 2022年元旦、群馬県長野原町の八ツ場ダム湖「八ツ場あがつま湖」で運航する観光船が、初日の出を鑑賞する特別便として出航した=写真。雪が降る中で乗船した同町横壁の住民約30人は午前8時半ごろ、山あいから太陽の輪郭を拝み、歓声を上げた。

 ダム建設に伴う水没地区の地域振興策として誕生した観光船は、1日が営業開始日で、住民へのお披露目の場となった。住民は雪雲の中から見えた朝日に、新年の希望を託していた。

 観光船は町が委託する日本水陸両用車協会(東京都)が1日5便運航し、同町横壁の「八ツ場湖の駅丸岩」を発着地点に約40分で周遊する。4、5の両日は休業。問い合わせは同協会(080-2489-6600)へ。

—転載—

 観光船に関するニュースはこちらをご覧ください。
 https://yamba-net.org/?s=%E8%A6%B3%E5%85%89%E8%88%B9

「八ッ場 観光船の委託先変更」
「八ッ場ダム観光船、元旦に運航開始」