南摩ダム建設(思川開発事業)の問題点についての論考

 南摩ダム建設を核とする思川開発事業は総事業費が1850億円にものぼる公共事業です。
 事業主体である独立行政法人・水資源機構は、かつては水資源開発公団と呼ばれた国の組織で、名称から明らかなように人口が増加し、経済成長によって水需要が増加した時代に必要とされた水源開発を主目的としています。ダムの開発水は栃木県だけでなく、利根川を経由して埼玉県、茨城県、千葉県にも供給されることになっていますが、いずれの地域も水需要は減少の一途をたどっています。

 南摩ダムは関東地方では八ッ場ダムの次に進められてきたダム事業で、建設地は利根川の支流・渡良瀬川の支流・思川のそのまた支流である南摩川です。南摩川はあまりに小さな川で、上流からの水が流れ込むだけでは巨大ダムを満たすことができないため、思川の他の複数の支流から導水する事業が一体となっています。
 ダム建設の目的には「洪水調節」も入っていますが、流域面積が12.4平方キロメートルと非常に小さく、治水の役には立ちません。

 この事業の問題点について書かれた、水問題研究家の嶋津暉之さんの論考を紹介します。
 以下の画像をクリックすると、スライドをご覧いただけます。

 「思川開発問題ー1」(スライド8枚)
思川開発問題-1のサムネイル

 「思川開発問題ー2」(スライド19枚)
 思川開発問題-2のサムネイル

 栃木県ではこれまで時代状況に合わないこの事業に反対する市民運動が行われてきましたが、今も県南部の栃木市、下野市、壬生町では、これまで豊富な地下水を利用してきた水道がダム開発水に切り替えられることに反対する市民運動が続いています。市民団体によれば、この地域の自治体では良質な地下水をペットボトルで販売しているそうです。