熊本県を流れる球磨川では、八ッ場ダムと並び称された川辺川ダムの建設計画が復活し、大きな問題となっていますが、球磨川にはもう一つのダム問題があります。
電源開発株式会社(J-POWER)が水力発電を行ってきた瀬戸石ダムです。瀬戸石ダムは1958年に完成した老朽化したダムです。
人々が川の恵みと共に暮らしてきた球磨川流域では、ダムによって漁業資源が大きな打撃を受け、ダム貯水池に大量の土砂が堆積するなど河川環境を悪化させる大きな要因ともなっていることから、かねてよりダム撤去を求める運動がありました。県営・荒瀬ダムが全国で初めて本格的なダム撤去に成功して以降は、瀬戸石ダムの撤去を求める運動が続けられてきました。
2020年7月の球磨川水害では、瀬戸石ダムによって遮られた球磨川中流部の水位が大きく上昇し、機能不全に陥った瀬戸石ダムが水害を拡大させたこと、豪雨のさなか、ダムを管理する電源開発から放流量などの情報がダム下流の住民に発信されなかったことなどから、住民の不信感はさらに高まりましたが、現在国土交通省が球磨川の今後の治水対策を具体的に定めるために進めている球磨川水系河川整備計画の策定作業の中では、瀬戸石ダムには一切触れられていません。瀬戸石ダムを取り上げれば、全国各地の電源開発の老朽化したダムも問題視される可能性があることから、瀬戸石ダム問題は見て見ぬふりをされていると言われています。
さる4月28日、電源開発は5月6日から瀬戸石ダムの貯水を再開するとの発表を行いました。
瀬戸石ダムの撤去を求める活動は、当会ホームページの「球磨川の瀬戸石ダム問題を伝える「瀬戸石通信」」をご参照ください。
以下のツイートは、瀬戸石ダムの下流域住民から発信されたものです。
https://twitter.com/kumakappa/status/1520626045690707969
電源開発(株)の発表は下記の通りです。
添付資料にリンクを張りました。会社側の説明では、瀬戸石ダムは安全であることになっていますが、これまで様々な問題を伏せてきた同社の姿勢から、住民の不信感が募っています。
電源開発株式会社ホームページより プレスリリース
添付書類
【資料1】 瀬戸石ダム 堆砂排除実施状況(PDF:564KB)
【資料2】 瀬戸石ダム 球磨川増水時のお知らせ(PDF:500KB)
【資料3】 瀬戸石ダム ダムの変位測量(PDF:404KB)
【資料4】 瀬戸石ダム 事前放流による治水への協力(PDF:277KB)
【資料5】 ダム連絡橋の状況(PDF:576KB)