国土交通省四国地方整備局が6月22日、肱川水系河川整備計画を変更しました。
この計画変更は、肱川水系で国が進めている山鳥坂ダムの計画変更(工期:2026年度→2032年度に6年延長、事業費約850億円→1320億円へ約470億円増額)と野村ダムの改良事業を盛り込んだものです。
変更された肱川水系河川整備計画は、国土交通省四国地方整備局HPの以下のページに掲載されています。
http://www.skr.mlit.go.jp/oozu/kawa/henkougenan/henkou/ikkatsu_r04_6.pdf
計画変更に関する記者発表資料は国土交通省四国地方整備局の以下のページに掲載されています。
四国地方整備局は計画変更に当たって、愛媛県知事だけでなく流域住民から形ばかりの意見聴取(公聴会、パブリックコメント)を行っていますが、ダム事業が進められる他の水系の河川整備計画と同様、山鳥坂ダム事業や野村ダム改良事業への反対意見は国もマスコミも無視しています。
(下の文字列または右下の画像をクリックするとPDFデータが開きます。)
★令和4年6月22日 肱川緊急治水対策河川事務所 『肱川水系河川整備計画【中下流圏域】』を変更しました ~国・県連携し河川整備を進めます~
肱川水系では2018年7月の西日本豪雨の際、四国地方整備局が管理する野村ダムと鹿野川ダムが満杯となり、緊急放流を行ったことによりダム下流で大水害となりました。この水害をめぐる裁判では、原告である犠牲者の遺族らが、肱川の治水対策は三番目の国のダムである山鳥坂ダム事業を進めることを優先させ、既設のダムの操作ルールを山鳥坂ダム事業を進めるのに好都合なように変えたり、河川改修、堤防整備など最もやらなければならない対策が疎かにされてきたことを問題であると、国の責任を追及しています。しかし、肱川水系の具体的な治水対策を決定する今回の河川整備計画の変更においても、ダム偏重の方針は変わりません。
肱川水系の治水対策の問題を明らかにするシンポジウムのお知らせは、こちらをご覧ください
➡「今なら止められる! 山鳥坂ダム建設と野村ダム改造」(7月16日、愛媛県大洲市)
https://yamba-net.org/57838/
関連記事を転載します。
◆2022年6月22日 愛媛新聞
https://www.ehime-np.co.jp/article/news202206220075
ー災害激甚化に備え肱川整備計画を変更 国交省と県ー
国土交通省四国地方整備局と県は22日、肱川水系河川整備計画を変更した。激甚化・頻発化する豪雨災害に備え、官民問わず流域全体が連携して水害を抑える「流域治水」の取り組みを明記。西日本豪雨を受けた前回の計画変更から2年以上が経過し、築堤や野村ダム(西予市)の改良事業など具体化が進んだ治水対策の内容を更新した。
国交省大洲河川国道事務所によると、4月に公表した計画の変更案について中村時広知事への意見聴取や関係機関との協議で問題がないとする回答を得た。
計画には、野村ダムの改良事業における環境配慮の取り組みや内水氾濫発生のメカニズムの図解を表示。肱川支流・河辺川で進む山鳥坂ダム建設に伴い、ダムを活用した地域振興に努めることも記した。同事務所は「早期の治水安全度の向上に向け、整備計画の推進に努める」とコメントした。
計画全文は国交省大洲河川国道事務所のホームページに掲載されている。(薬師神亮太)