熊本県にある農水省の大蘇ダムは、2005年に一旦は完成したものの水漏れがずっと続いています。
対策工事で事業費は当初の130億円から720億6千万円に膨らみ、2020年に対策工事が完了したとして運用が開始されましたが、その後も水漏れは止まっていません。報道によれば、今月になって漏水量がさらに増えているようです。明らかに失敗事例ですが、一旦建設した巨大構造物は簡単に撤去することもできません。
〈参考ページ〉「農水省の大蘇ダムでまた大量の水漏れ」(2020年11月30日)
◆2022年7月24日 毎日新聞熊本版
https://news.yahoo.co.jp/articles/4d1a4d17c041e9c7b159e9d178e2101ff4a12d12
ー大蘇ダム漏水、原因不明調査継続 大分で関係者に、九州農政局説明ー
熊本、大分両県に農業用水を供給する国営大蘇ダム(熊本県産山村)で目安量(1日約2000トン)の10倍の漏水が発覚した問題で、九州農政局は22日、大分県竹田市でダムの受益関係者にこの問題について説明した。現時点でも漏水の原因はわからず、2024年度まで引き続き調査する考えを明らかにした。
この日、同市役所であった大野川上流地域維持管理協議会の臨時総会後、農政局の植野栄治農村振興部長らが説明した。これまで水中ドローンなどを使って調査してきたが、今後は潜水士による調査や地下水位の分析などを行う。
農政局によると、今春の貯水率は前年比約100万トン多い246万トンで田植えに支障はなかったものの、6月が1日当たり約6000トン、雨の多かった7月は同約1万トンの漏水があるという。
植野部長は「今後は畑作が多くなり、水供給に支障はきたさないと思うが、調査する間も用水確保はしていく」と話した。【石井尚】
◆2022年7月22日 テレビ大分
https://news.yahoo.co.jp/articles/4d1a4d17c041e9c7b159e9d178e2101ff4a12d12
ー現在も毎日1万トン水漏れ 国営の大蘇ダム 今後3年間で原因究明へ 大分ー
大分県竹田市などに農業用水を供給する国営の大蘇ダムで水漏れが続いている問題で九州農政局は、今後3年間で調査を行い原因を突き止める方針を明らかにしました。
大蘇ダムは供用開始前に水漏れが発覚したことなどから完成が遅れ、着工から41年後のおととし、農業用水の供給を始めました。しかし現在も1日1万トンほどの水漏れが確認されています。
九州農政局は22日、水が供給されている竹田市と熊本県の阿蘇市、産山村の関係者に対し、再来年度までの3年間で調査を行い水漏れの原因を突き止める方針を明らかにしました。
潜水士や水中ドローンで水漏れしている場所を特定するほか、貯水池周辺の地下水の流れなどを調べるということです。