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石木ダムに反対する市民団体、長崎県知事と初めて面会

 長崎県の大石知事は、今月24日、石木ダムに反対する市民団体と初めて面会したということです。
 長崎県が推進する石木ダムは、ダム事業用地の13世帯、約50人の反対運動により、本体工事に入ることができません。この間、長崎県内にはいくつものダムに反対する市民団体が立ち上げられてきました。

 この春就任した大石賢吾知事は、ダム事業を強引に進めてきた長崎県の責任者として、すでに強制収用の手続きを済ませた住民らの土地家屋を行政代執行により奪う権利を有していますが、これほど多数の地権者を追い出すケースは近年なく、難しい判断を迫られています。
 大石知事は現地住民と四度面談していますが、推進派の反発がより大きいと考えられる市民団体との面会は今回が初めてということです。なお、大石知事はこの日、佐世保市内での面会に先立ち、川棚町のダム建設予定地を「電撃訪問」し、今後も、住民との話し合いを続けたいとの意向を伝えたということです。。

 石木ダムに反対する市民運動を牽引する「石木川まもり隊」がブログで詳しく面会の内容を伝えています。各市民団体が知事に訴えた石木ダムの不要性、知事の受け応えなどが大変詳しくわかります。
 
 ★「石木ダム不要、市民から知事へ 初めての直訴」
  http://ishikigawa.jp/blog/cat05/8365/

 関連報道をお知らせします。

◆2022年11月24日 長崎文化放送
https://news.yahoo.co.jp/articles/b9108ec8151a23f0472ced9b6f741ec00eb0f97d
ー石木ダム反対派団体が知事と初めて面会ー

 東彼・川棚町で県と佐世保市が進める石木ダム建設に反対する市民団体が大石知事に「石木ダムは不要」とする考えを伝えました。反対派の団体が知事と面会するのは初めてです。

 面会したのは「石木川まもり隊」など4団体26人です。佐世保市で約1時間、知事に反対理由などを説明しました。冒頭を除き非公開でしたがあいさつで知事は「佐世保市の慢性的な水不足解消や川棚川の治水、経済活動や観光のために水は必要で石木ダム建設は必要不可欠な事業」と話しました。大石知事は「市民の方々も(ダムを)求めてない方もいらっしゃるという話をされたり幅広いご意見がございました」と振り返りました。

 市民団体からは佐世保市民に行ったアンケートで「水は足りている」と答えた人が多かったという結果も示されましたが、知事は「従来通りの考えを変えるつもりはない。水が足りないということで事業は進めておりますので認識に何ら変わりはございません」と話しました。

 石木川まもり隊の松本美智恵代表は「これからすぐに石木ダムに対する政策が変わるというふうなものではないと思いますけども少なくとも佐世保の民意を一定ご理解いただけたんじゃないかなって」と話しました。

 県は2025年度のダム完成を目指しています。

◆2022年11月24日 テレビ長崎
https://www.fnn.jp/articles/-/449628
ー水需要予測に疑問投げかけ…石木ダム建設反対の市民団体が知事と初面会ー

 東彼・川棚町での石木ダム建設に反対する佐世保市の4つの市民団体が、大石 知事と初めて面会しました。

 面会は「石木ダムは必要不可欠」とする大石 知事の冒頭あいさつを除き「非公開」でした。

 出席者によりますと、市民団体側は、ダムの必要性の根拠とされている佐世保市の「水需要予測」について疑問を投げかけ、データを示しながら「佐々川からの取水」の検討を求めたということです。

 さらに、ダム予定地の地質調査の結果などを示し、今後、対策費が膨らむ可能性があると主張しました。

 面会後、大石 知事は「事実関係を確認するが、水源確保は必要だ」と話しました。

 長崎県 大石 賢吾 知事 「水は足りてないというところでこの事業は進んでいるので、その認識に変わりはない」

 一方、大石 知事は24日予定地を訪問し、住民に話し合い継続の意向を伝えたとしています。

◆2022年11月25日 長崎新聞
https://nordot.app/968701158038994944
ー大石知事、石木ダム反対団体と初の面会 座り込み現場も訪問ー

 長崎県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設事業を巡り、大石賢吾知事は24日、同市内で、反対派市民団体の代表らと面会し意見を聞いた。面会前には建設予定地に立ち寄り、抗議の座り込みを続ける反対住民を訪問した。
 面会は団体側の要請で初めて実現。石木川まもり隊(松本美智恵代表)など4団体の26人が参加し、冒頭のみ公開した。団体によると、知事に「水は不足していない」とするデータを示したほか、佐々川の活用などを提案。約1時間の面会中、知事があいさつ以外で発言する場面はほとんどなかったという。
 終了後、知事は報道陣に「いろいろな意見があると改めて感じた」と語る一方、「(事業推進の)認識は変わらない」と強調。松本代表は「真剣に耳を傾けていただいた」と一定評価しつつも、「(今回で)ダムの政策が変わるものではない。今日で終わりにしないで」と面会の継続を求めた。

 これに先立ち、知事は工事現場のそばで座り込みをしている反対住民を訪問。9月7日を最後に直接対話が途絶えており、知事は「何とか話し合いを継続させてほしい」と要望した。これに対し住民側は「(県土木部はダムの必要性の)説明しかしないと(言っている)。説明だけでは話し合いにならない」と主張し、対話再開について知事名の文書を提示するよう求めた。知事は改めて協力要請に訪れることを伝えた。
 前回の対話では、必要性を訴える知事に対し、住民側が「最初から必要と言うのであれば(対話は必要なく)すぐにでも(家屋などを強制撤去する)行政代執行をすればいい」と反発。必要性について説明を尽くしたいとする県と、議論を求める住民との間で調整が難航しており、次回の対話のめどが立っていない。

◆2022年11月25日 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20221125/ddl/k42/040/341000c
ー石木ダム反対4団体 26人が知事と面談 データ説明に「確認したい」ー

 県と佐世保市が川棚町で建設を進める石木ダムに反対する市民グループ4団体が24日、同市で大石賢吾知事と面談した。
 (中略)

 面談後の取材に大石知事は「幅広い意見をいただいた」としながら、佐々川からの取水などの指摘について「事実を確認したい」と述べた。市民グループの一つ「石木川まもり隊」の松本美智恵代表は「真剣に耳を傾けてくれた。(面談で)政策が変わるとは思わないが、これで終わりでなく反論、疑問を出してもらって互いに理解を深めたい」と話した。


〈参考ページ〉「石木ダム全用地“明け渡し期限から3年” ダム予定地住民、知事との話し合い2カ月なく」