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川辺川ダムの環境影響評価、水質調査は球磨村まで

 2020年の球磨川水害を機に国土交通省が復活っさせた川辺川ダム計画は、日本でも有数の清流である川辺川と本流の球磨川の河川環境と地域経済に致命的な影響を与える恐れがあります。
 国は河川環境の維持に留意することをアピールするため、これまで環境アセスメントに準じる調査を実施すると強調してきましたが、地元で始まった環境影響評価に関する説明会では、水質調査は中流部の球磨村までに限定し、それより下流は対象外であることが明らかになりました。川の上流の河川環境が海にまで大きな影響を与えることは自明ですが、わが国ではダム事業に都合の悪い科学は無視されるようです。

 説明会は水没予定地を抱える五木村を皮切りに、11月26日から30日まで7市町村で開かれています。
 熊本県では水害後のショックとドクトリンともいえる川辺川ダム計画の復活に反対する声が少なくありませんが、ダム行政はダム事業に都合の良い法律に守られて、民の声を無視して推進されつつあります。

 今回公表された「川辺川の流水型ダムに関する環境影響評価方法レポート」は、国土交通省川辺川ダム砂防事務所 のホームページに掲載されています。
 http://www.qsr.mlit.go.jp/kawabe/kankyou_torikumi/houhou_report.html

 関連記事を紹介します。

◆2022年11月27日 熊本日日新聞
ー流水型ダム「方法レポート」五木村皮切りに説明会 環境評価「下流球磨村まで」ー

 国土交通省は26日、球磨川支流の川辺川に建設する治水専用の流水型ダムが流域に与える影響を調べる項目や手法をまとめた「環境影響評価方法レポート」の住民説明会を始めた。五木村役場を皮切りに30日まで、建設予定地の相良村など7市町村で開く。 (以下略)

◆2022年11月27日 朝日新聞
https://www.asahi.com/articles/ASQCV6SG5QCVTLVB005.html
ー川辺川の流水型ダム環境評価方法 「わかりにくい」五木村・説明会ー

(一部引用)
 国の説明後の質疑応答では、環境影響評価の対象になる地域の根拠など、方法についての質問のほか、ダム建設が川辺川の水質や、生きものに影響することを懸念する意見が寄せられた。調査方法などを助言する委員会のメンバーに、地元出身の専門家を入れるべきだという主張もあった。

◆2022年11月28日 人吉新聞
https://hitoyoshi-sharepla.com/entrance_news.php?news=5823
ー流水型ダム、環境影響へ懸念の声ー

川辺川の流水型ダムに関する環境影響評価方法レポートの住民説明会が、26日から7市町村を対象に始まった。最初の会場となった五木村では自然や生物の生態系、清流への影響を懸念する声が相次いだ。
 環境影響評価は、環境保全の観点からより良い事業計画を作成するため、事業実施前に環境へどのような影響を及ぼすかを国土交通省が専門家の意見を踏まえて調査、予測、評価を行うもの。

 川辺川の流水型ダムの環境影響評価に関しては、平成11年の環境影響評価法の施行前から川辺川ダム関連工事を進めているため対象外だが、蒲島郁夫県知事の要望等を踏まえ、これまでの工事等による現地の状況も考慮しつつ同法に準じた評価を実施している。
 同レポートには、環境影響評価の項目や調査、予測、評価の手法を記載。大気汚染や水環境、動植物、生態系、景観など環境要素15項目に関してダム堤体等の工事、試験湛水、洪水調節地など11の影響要因について調査を行う。
 水質調査の対象区間は、影響が考えられる川辺川上流から球磨村渡まで。今後、一般や県知事、市町村長の意見聴取を経て予測結果や保全措置などをまとめた準備レポート、同法の「評価書」に相当する評価レポートを公表する計画となっている。

◆2022年11月25日 熊本日日新聞
https://kumanichi.com/articles/866713
ー流水型ダムレポート、作り直し求め抗議文 市民団体ー

 市民団体「子守唄の里・五木を育む清流川辺川を守る県民の会」は24日、流水型ダムに関する「環境影響評価方法レポート」を作り直すように求める抗議文を国土交通省川辺川ダム砂防事務所(相良村)に提出した。(以下略)