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鳥海ダム 総事業費が 当初計画の1.8倍に 工期も4年延長 秋田・由利本荘市

 国土交通省東北地方整備局は、秋田県で進めている鳥海ダム事業について、事業費をこれまでの1.8倍超の1990億円へ、工期を4年延長して完成予定を2032年度に変更することになりました。
 鳥海ダムが建設される秋田県では、先行してやはり国直轄の成瀬ダム事業が進められています。成瀬ダム事業も2021年に事業費が1530億円から2230億円へと700億円増額され、工期は2024年度から2026年度に延長されました。鳥海ダムの事業費は、国と共にダム予定地を抱える秋田県と由利本荘市が負担することになっており、これらの負担金も増額されることになります。
 「小さく産んで大きく育てる」と言われるダム事業は、事業目的とされる「利水」「治水」は大義名分にすぎず、事業者の予算獲得と政権支持者への公金の配分が実際の目的です。両事業とも必要性に疑問が投げかけられ、環境破壊、地域破壊が指摘されていますが、国の思いのままに計画が変更されていきます。

◆2023年6月2日 NHK
https://www3.nhk.or.jp/lnews/akita/20230602/6010017757.html
ー鳥海ダム 総事業費が 当初計画の1.8倍に 工期も4年延長ー

 由利本荘市で建設が進められている「鳥海ダム」について、国土交通省は資材価格の高騰などを理由に、総事業費が当初の計画の1点8倍のおよそ1990億円に膨らむとともに、工期も4年間延長する案を発表しました。

「鳥海ダム」は、国が由利本荘市鳥海町の子吉川上流で建設していて、当初の計画では、総事業費がおよそ1100億円で、令和10年度の完成を目指していました。

 これについて国土交通省は計画の変更案を発表し、総事業費をおよそ890億円増やして、当初の1.8倍となるおよそ1990億円にするとともに、工期を4年間延長して令和14年度までにするということです。

 変更の理由について、国土交通省は、資材価格や人件費の高騰、作業員の時間外労働や休日の作業の見直し、それに、地盤が弱い場所が見つかったことへの対応などを挙げています。

 国土交通省は今後、事業費の一部を負担する県や由利本荘市から意見を求めたうえで協議を進め、ことし8月下旬ごろに正式に決めたいとしています。

 国土交通省の鳥海ダム工事事務所は、「事業費の増額や工期の延長は申し訳ないがご理解をいただきたい。今後はコスト縮減に努め、早期の完成を目指したい」としています。

◆2023年5月30日 秋田テレビ
https://news.yahoo.co.jp/articles/85eb41d4ccdb08f0792349b1af11468346daf17e
ー「鳥海ダム」事業費膨らみ1990億円に 工期は4年延長 秋田・由利本荘市ー

 秋田県由利本荘市で建設が進む鳥海ダムの総事業費が、当初の計画より890億円増え、1990億円になる見通しであることが分かった。

 旧鳥海町の百宅地区を流れる子吉川流域では、水害防止と水道用水の安定供給につなげる多目的ダム「鳥海ダム」の建設が進められている。

 ダム建設の総事業費は、当初計画で1100億円だったが、890億円ほど増え、1990億円になる見通しとなった。

 増額分は、資材価格や人件費の高騰に対応する経費に326億円、地質調査で地盤の弱い場所が確認されたために生じるダムの配置を見直す工事費などに297億円、付け替える道路のルート変更にかかる費用に172億円などとしている。

 秋田県の負担も147億円増え、約328億円となる見込み。

 また、現場の働き方改革に伴い 1日当たりの作業時間を減らすため、工期は4年延長され、2032年度の完成を目指す。

◆2023年5月30日 秋田放送
https://www.akita-abs.co.jp/nnn/news931e3j990ax1aywv5i.html
ー鳥海ダム 資材価格高騰などから事業費890億円増加ー

 国土交通省は由利本荘市で工事が進む鳥海ダムについて、資材価格や人件費の高騰などから事業費が890億円増えるという見通しを明らかにしました。事業費増加にともなって県と由利本荘市の費用負担も増える見通しです。

 鳥海ダムは洪水防止や水道水の供給、発電を目的とし由利本荘市鳥海町百宅の子吉川上流で2020年に周辺工事が始まりました。国土交通省東北地方整備局は事業費について当初予定していた1100億円から890億円増えおよそ1990億円になると発表しました。
 資材価格や人件費の高騰が主な理由ですが、作業員の労働環境の見直しにより工期を4年延長したことも要因の1つに挙げています。完成は当初、5年後=2028年度を予定していましたが2032年度を目指すことになりました。鳥海ダムは国と県、それに由利本荘市が費用を負担しています。事業費の増加に伴い、県の負担は147億円増えおよそ328億円に、由利本荘市の負担も10億円増えおよそ23億円となる見通しです。国交省はこの見直しについて県と由利本荘市に理解を求めていくことにしています。

◆2023年5月31日 朝日新聞
https://digital.asahi.com/articles/ASR5Z6RY5R5YULUC017.html?ref=auweb
ー秋田のダム事業費、ほぼ倍に 「働き方改革」で労働時間見直しも影響ー

 秋田県由利本荘市の子吉川上流に国が建設中の鳥海ダムについて、国土交通省東北地方整備局は、物価上昇の影響などで事業費が現行の基本計画の約1100億円からほぼ倍の約1990億円となる変更案を示した。県と由利本荘市に追加負担が必要になることから、それぞれに意見を聴く手続きを始めた。(以下略)