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「災害時重要施設、群馬県は上下水道の耐震化率7% 財政難を背景に進まず」(上毛新聞)

 7月28日に大地震に見舞われた熊本県では、酷暑の中、ライフラインである上下水道が大きなダメージを受け、被災者の多くが断水などの厳しい状況に直面しました。これを受けて、群馬県でも上下水道の耐震化への関心が高まっており、一昨日の地元紙では一面トップに重要施設の耐震化率を伝える記事が掲載されました。

◆2026年8月18日 上毛新聞紙面より
https://www.jomo-news.co.jp/articles/-/1003229
ー避難所や病院などの災害時重要施設 群馬県は上下水道の耐震化7% 財政難を背景に進まず 一体的な対策が急務にー

 避難所や災害拠点病院といった重要施設のうち、接続する水道管や下水道管、ポンプ場の全てが耐震化されている群馬県の施設が7%にとどまることが、国土交通省の2025年3月末時点のまとめで分かった。全国平均(9%)を2ポイント下回った。2024年1月の能登半島地震で上下水道管などの一体的な耐震化が被害軽減につながると認識されたが、財政難を背景に進んでいない実態が浮き彫りになった。最大震度7を記録した今回の熊本地震でも断水は長期化しており、将来の災害の備えとして群馬県でも対策が急がれている。

 重要施設には災害対応に当たる自治体や警察、消防の庁舎なども含まれる。国交省がまとめた耐震化状況によると、県内では、水道と下水道が利用できる区域にある重要施設は382カ所(7%)にとどまった。管路など個別に耐震化率を見ると、水道と下水道の管路はともに30%、ポンプ場は3%だった。
 市町村別の耐震化率は、沼田や新党、玉村など21市町村でゼロだった。一方、甘楽と長野原、川場の3町村は完了していた。
 都道府県別では、東京が最も高い57%で、福島が14%、青森と鹿児島がいずれも12%と続いた。一方、茨城や福井、香川、長崎は0%。

 安中市は25年1月に耐震化計画を策定した。おおむね30年で完了する計画だが、現状では市内にある重要施設42施設全てで終わっていない。上下水道部の担当者は「重要施設は優先すべきだが、漏水している別の管を放っておくわけにはいかない」と説明。「大きな財政負担も生じるため早期の完了は厳しい」との見方を示した。

 国によると、11年の東日本大震災では250万戸以上が断水し、津波地区を除いても復旧までに最長で約5カ月かかった。16年の熊本地震では約44万6千戸が断水した。
 能登半島地震では上下水道施設が損壊して13万戸以上が被害を受け、一部地域は復旧に5カ月かかった。ただこの地震では、耐震化した浄水施設や下水処理場などは大きな被害はなかったとされ、その後は上下水道管路の一体的な耐震化が求められるようになった。

 耐震化には地面を掘り起こし、丈夫で接続部が外れにくい構造の管に交換するなどの作業が必要となる。時間と費用が掛かるが、避難所が断水すれば不便な暮らし意を強いられ、病院では医療活動に支障がでる。

 耐震化を巡っては、国は24年度補正予算から市町村などが行う事業の補助要件を緩和するとともに、補助率を4分の1から3分の1へと引き上げた。この他、県も工事費用の一部を支援している。
 
 消防庁の担当者はすべての耐震化というのは「厳しい基準ではある」としつつも、「完了していない区間があればそこが弱点になる」と説明し、一連の耐震化を求めている。(小山大輔)
 

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 上記の記事で取り上げられている重要施設の耐震化率についての最新データは、国土交通省のホームページに掲載されています。

★国土交通省ホームページより 水管理・国土保全>上下水道>上下水道施設の耐震化状況(令和6年度末時点)
 https://www.mlit.go.jp/mizukokudo/sewerage/mizukokudo_sewerage_tk_001058.html

【概要】
 ・上下水道施設の耐震化状況
 

★都道府県別
 https://x.gd/38x0C

★市区町村別
 https://x.gd/QcMet
 

 上記のページに掲載されている表によれば、「避難所や災害拠点病院といった重要施設のうち、接続する水道管や下水道管、ポンプ場の全てが耐震化されている割合」が0パーセントなのは、記事で取り上げられている沼田市や玉村町だけでなく、県庁所在地の前橋市、倉渕ダムが計画されている群馬県高崎市、そして東毛最大の太田市も0%です。
 県外に目を移すと、埼玉県、千葉県も0%の市町村が並んでおり、県庁所在地のさいたま市も千葉市も0%です。
 東京都は耐震化が進んでおり、区部は54%ですが、武蔵野市のように0%のところもあります。

 国土交通省の水管理国土保全局は、水道事業とともにダム事業も担当しています。巨大ダム事業は国の威信を体現しますが、「洪水調節(治水)」という本来の目的からすると、その効果は極めて限定的です。
 8月13~14日に千葉県を襲った豪雨では、内水氾濫によってすでに犠牲者13人、浸水家屋は2000棟を超えていることが明らかになっています。千葉県も八ッ場ダム事業で多額の治水負担金を支払っていますが、ダムはダムの下流に降った雨にはなすすべがありません。利根川下流の千葉県にとって、八ッ場ダムなど上流の山間部のダム群は、利根川本川の水位を下げることが期待されているものの、たとえ水位を下げたとしてもそれは誤差の範囲と言えるほどわずかなものです。

 水道の耐震化が進まない原因は「財政難」とされますが、利根川上流では一旦は中止された巨大ダム計画(倉渕ダムと戸倉ダム)の復活が検討されています。住民にとって真に必要な公共事業にこそ優先的に税金を投入すべきではないでしょうか。