八ッ場ダム本体工事予定地の上流側と下流側で進められてきた仮締切工事(本体工事の準備工事)が大幅に遅れています。
本体工事予定地の吾妻川の河床を干上がらせるために行われている仮締切工事は、昨年10月24日に入札が行われ、7月末を工期として3月後半から工事が始まりました。しかし、梅雨の増水によって仮設の堰が流され、工期を10月末に延長。さらにその後、来年1月16日まで工期が延長されました。(写真右)
工事が遅れているせいか、吾妻渓谷では夜間も照明を煌々とつけて工事が行われています。(写真右 11/12撮影)
本体工事予定地を挟む上流側と下流側で行われている仮締切工事の遅れは、本体工事に直接影響を与えます。
本体工事予定地の上流側で進められてきた仮締切工事の上部工。
この小ダムによって吾妻川の流れが遮られ、本体工事予定地区間に造られた直径8メートルの仮排水トンネルの呑み口に水が流れ込む仕組みになっています。
仮締切工事の下部工として、八ッ場ダム本体工事予定地の下流側に建設中のコンクリートの壁。
脇に仮排水トンネルの吐き口があり、本体予定地を迂回してきた吾妻川の水がここから下流へ流れていきます。下部工は吐き口から流下する吾妻川の流れが逆流するのを防ぐために設けられます。
ダム本体工事予定地直下に設けられた仮排水トンネルの吐き口から勢いよく噴き出す吾妻川の水。
吾妻川は八ッ場ダム予定地直下で川幅を一気に狭め、「八丁暗がり」と呼ばれる狭窄部を流れます。この狭窄部があるために、大雨の時、八丁暗がりの上流側の水が一気に流化せず、上流側(ダム水没予定地)の水位が上がります。「自然のダム」と呼ばれる所以です。
観光地でもある現地では、わが国有数の優れた景観が無惨に破壊されつつあります。
本体工事予定地付近の紅葉(11/12撮影)
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