「八ッ場ダム工事で死亡事故」

 八ッ場ダム関連の工事現場で死亡事故が発生しました。事故現場は松谷(まつや)第二トンネル(県発注工事)。八ッ場ダム関連工事の目玉、国道付け替え工事のうち、吾妻渓谷の左岸の山を貫通する松谷第一トンネルの完成に続き、現在、ダムサイト予定地下流の東吾妻町で工事が進められています。

 ダム工事が難航している最大の理由とされる現地の地質問題について、八ッ場ダム住民訴訟弁護団は情報開示と現地踏査による八ッ場ダム予定地地質の徹底分析を進めており、その成果が蓄積されつつあります。↓
http://www.yamba.jpn.org/shiryo/gunma/gunma_g_junbi_7.pdf
(八ッ場ダム訴訟HP・群馬県原告準備書面・ダムサイト予定地の危険性について)

http://www.yamba.jpn.org/shiryo/gunma/gunma_g_junbi_8.pdf
(八ッ場ダム訴訟HP・群馬県原告準備書面・ダム湖予定地周辺の危険性について)

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2007年12月19日 上毛新聞より転載

「落盤で作業員死亡 八ッ場ダム関連工事 トンネルを掘削中
県水源地域対策事務所 事故予期できず」

 十八日午前九時五十五分ごろ、東吾妻町松谷の八ツ場ダム建設に伴う松谷第二トンネル(仮称)内で、掘削工事をしていた同所、会社員、浦清水さん(54)が落下した岩盤(一・五立方メートル、計約三㌧)の下敷きになった。浦さんは吾妻郡内の病院に運ばれたが、外傷性ショックのため死亡した。

 吾妻署や県八ツ場ダム水源地域対策事務所などによると、現場は延長八一五メートルの同トンネルの西端から約五五〇メートル地点。浦さんはトンネル先端部の壁面、高さ五メートルから落下した岩盤の下敷きになった。現場にいた作業員が救出し、救急車で運ばれたが死亡した。

 同トンネルでは、二十四時間に発破を四回実施し、一回の発破で一メートルずつ掘削している。浦さんの班は十八日午前七時ごろから八人が現場に入り、浦さんは発破準備のため、トンネル先端部の壁面に火薬を詰める作業にあたっていたという。

 浦さんのほかに六人が同様の作業をしていたが、けがはなかった。

 事故を受け、県八ツ場ダム水源地域対策事務所の飯塚敬所長は「万全な安全対策を取っていたので、今回の事故は予期できなかった」と話した。二〇〇八年十月完成予定の工期に影響はないという。

 国土交通省八ツ場ダム工事事務所の渋谷慎一所長は「亡くなった方と遺族におくやみを申し上げる。事故原因を究明し、再発防止に努める」とコメント。同事務所は、同日中にすべてのトンネル工事現場を視察して、注意喚起を行った。今後、すべての現場に文書で事故防止を呼び掛けるという。

○落盤現場到着時 すでに心肺停止 救助の救急隊員

 救助にあたった救急隊員によると、トンネル内の落盤現場に到着した時、浦さんはすでに心肺停止状態だった。作業員が大勢集まる中、軽トラックの荷台で仲間から心臓マッサージを受けていた。

 トンネル内は作業用の照明が点灯している程度で暗かったため、現場の状況はよく見えなかったが、直径一㍍くらいの岩がいくつか落ちていたという。

○労基署が現地調査 トンネルで落盤事故

 八ッ場ダム工事現場の落盤事故を受け、中之条労働基準監督署(木村英俊署長)は十八日、現地に署員を派遣し、事故の発生状況や法令違反の有無の調査に乗り出した。

 同監督署は調査結果を踏まえ、再発防止策を協議するほか、法令違反が確認された場合には、行政指導を含めた対策を講じる。

 同監督署によると、今年に入り管内で発生した労災死亡事故は四件目で、過去十年間で最多を更新した。八ッ場ダム関連工事での労災死亡事故は一九九九年五月以来、今年で二件目。

○豆辞典 松谷第二トンネル(仮称)
八ッ場ダム建設に伴う国道145号の付け替え道路として整備中の八ッ場バイパスの一部で、工事計画では延長八一五㍍、幅員十二・五㍍。工期は二〇〇五年十二月ー〇八年十月。来年五月に貫通、〇九年度末の同バイパス開通に合わせ併用を開始する。

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○朝日新聞群馬版より転載~「落石で1人が死亡」2007年12月19日

 落石現場は、トンネル掘削面の数カ所がそげ落ちた=東吾妻町の八ツ場ダムの松谷第2トンネルで(県八ツ場ダム水源地域対策事務所提供)

18日午前10時ごろ、東吾妻町松谷の国道145号八ツ場バイパスにかかる松谷第2トンネル(全長815メートル)で、掘削作業をしていた神戸市東灘区住吉本町の作業員、浦清水さん(54)が、落ちてきた重さ計約3トンの岩や石の下敷きになり、まもなく死亡した。一緒に作業していた5人は無事だった。八ツ場ダム工事に絡む死亡事故は、99年5月に起きたダンプカーの転落事故に次ぎ2件目。

 工事を管理する県八ツ場ダム水源地域対策事務所などによると、事故はトンネル西側の入り口から約550メートル付近で発生した。浦さんら3人の作業員が発破作業のため、岩盤に開けた深さ約1メートルの穴に爆薬を仕掛けている途中、高さ5メートル付近の岩盤が数カ所崩れ落ちた。奥行き20センチと最も大きく崩落した真下に、浦さんがいた。掘削された面の表層の岩などが崩れ落ちる「肌落ち」という現象だった。

 松谷第2トンネルの岩盤は、掘り進むほどもろくなる。事故が起きた現場付近は、火山岩の一種「流紋岩(りゅう・もん・がん)」に覆われており、工事が進むたびに、地質のチェックもしていたという。

 発破作業では周囲の岩盤の崩落を防ぐため、爆薬を仕掛ける前にモルタルを厚さ3センチほど吹き付けて固める。同事務所は「吹き付けは適切だったが、岩盤ごとモルタルがそげ落ちた。特にもろい場所だったのではないか」とみる。

 工事を発注した県特定ダム対策課の担当者は「発生原因を究明し、再発防止に努める」と話し、県や県警、労働基準監督署による調査が終わるまで、掘削工事を当面中止することを明らかにした.

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○東京新聞より転載~「八ッ場ダムのトンネル掘削工事で落石事故 作業員1人が死亡」2007年12月19日

 十八日午前九時五十五分ごろ、東吾妻町松谷の八ッ場ダム建設に伴う「松谷第二トンネル」工事現場で、トンネル内の掘削面が崩れ、神戸市東灘区住吉本町、作業員浦清水(きよみず)さん(54)をモルタルや石が直撃した。浦さんは町内の病院に運ばれたが、外傷性ショックで間もなく死亡した。

 県八ッ場ダム水源地域対策事務所によると、現場は、総延長八百十五メートルのトンネルのうち、東吾妻町松谷の鍛冶屋沢川側にある入り口から約五百五十メートル付近。

 県や吾妻署によると、浦さんは十八日午前七時から掘削作業を始め、岩盤を削り取るため、掘削面にダイナマイトを埋め込んでいた。その際、掘削面が崩れ、約五メートルの高さから約一・五立方メートル、重さ約三トンの岩などが崩落した。掘削面は十七日夜、石の落下を防ぐため、モルタルが吹き付けられたが、爆破の衝撃などではがれたとみられる。事故当時、トンネル内では浦さんを含む六人が作業していた。

 松谷第二トンネルは、ダム建設に伴う国道145号の付け替え道路の一部区間で、二〇〇五年十二月から工事が始まった。鹿島など大手ゼネコンによる特定建設工事共同企業体(JV)が施工し、掘削作業は二十四時間で四回程度行われている。浦さんは下請けの建設会社社員だった。

 県特定ダム対策課は「早急に事故の発生原因を調査し、再発防止に努め、全工事現場の安全管理の徹底を指示したい」としている。