「八ッ場ダム建設 関連道路で県 国事業”肩代わり”」(上毛新聞)

2008年10月10日 上毛新聞一面より転載
「八ッ場ダム建設 関連道路で県 国事業”肩代わり” 第一弾は県道林岩下線2.67㌔ 工期延長受け 開通早め地元支援」

 八ッ場ダム建設に伴う関連道路整備で、県は国土交通省整備部分の工事を一部受託し、 県分として整備に乗り出す。工期が五年延長され、道路などインフラ整備の遅れが地元の生活や経済に影響しかねないことから、国の事業を”肩代わり”して整備を急ぐ。着手済みの公共事業で国と県が役割分担を変更するのは異例。第一弾として、国と分担整備する県道林岩下線での県分を延長し、早期開通を目指す。県は受託を拡大する方向で検討している。

 県道林岩下線は延長八・五四㌔。当初は国が六・九四㌔、県が一・六㌔の分担で整備することにことになっていたが、県が整備する距離を二・六七㌔に延長し、二〇一〇年度中の開通を目指す。ダム湖面に架かる予定の県道川原畑大戸線・湖面1号橋も国から県に整備主体を変更した。

 県は工事の発注作業や管理業務など事務作業を請け負うことが中心で、今回の受託は 国交省への人員支援の側面が強い。県道林岩下線の総事業費は三百十二億円だが、ダム事業として事業費が支出されるため、県が負担する事業費に変更はないという。

 ダム湖周辺のインフラ整備は国が中心となり整備を進めるが、ダムの工期が五年延長されたことを受け、県や地元の長野原、東吾妻両町はインフラ整備が遅れることを不安視する。全事業を二〇一五年度までに完了するため、県は水没地域住民の生活再建支援に加え、整備そのものに積極的にかかわる必要があると判断した。

 また、県は十月一日付で現地事務所に用地買収の専門官を配置した。県事業だけでなく、国事業の用地買収でも地元との調整役を担い、事業を円滑に進めたい考えだ。

 県特定ダム対策課は「県でできるものはなるべく国に協力し、ダムの完成を急ぎたい」とし、同省と協議した上で対象事業を拡大する方針。国交省八ッ場ダム工事事務所は「県がこれまで以上に積極的に協力してくれて感謝している」と話している。