群馬県議会、八ッ場が争点

 開催中の群馬県議会は八ッ場ダム建設の是非が争点となり、「八ッ場議会の様相」を呈しています。
 大沢知事は、八ッ場ダム中止を明言した前原国交大臣を「独裁者」と批判していますが、独裁者とは多数の国民を虐殺したヒットラーなどを指す言葉です。自民党の公認を受けた知事がダム中止の政策に反対するのは理解できますが、県民を代表する知事として理性を欠いた発言ではないでしょうか。
 もっとも知事による、「生活再建案が出発点」、「情報公開して説明を」などの発言は、八ッ場ダム見直しを訴えてきた八ッ場あしたの会の提案と一致するものです。今まで八ッ場ダムに関する情報を一般国民に知らせてこなかった国土交通省には、是非とも情報公開を徹底し、国民および関係都県の知事がより正確な判断をできる状況を整えてほしいと思います。

◆2009年9月29日 朝日新聞群馬版より転載
ー「八ッ場議会」の様相 県議会一般質問 激しく応酬

 前原誠司国土交通相が中止を明言した長野原町の八ッ場ダムについて、県議会の一般質問が始まった28日、質疑が集中した。登壇した5人のうち3人がダム関連に質問時間の大半を割き、「八ッ場議会」の様相を呈した。
 建設に慎重な立場の「八ッ場ダムを考える1都5県議会議員の会」代表世話人の関口茂樹氏(リベラル群馬)が質問に立つと、自民党系会派が多数を占める議場からはヤジが飛び交った。大沢正明知事の答弁も次第に熱を帯び、「生活再建の代替案もなく中止というのは独裁者ではないか」などと前原国交相を激しく批判する言葉も出た。
 一方、関口氏が地元の生活再建に関して、利根川・荒川水源地域対策基金の観光振興事業が当初案では県公社で実施するはずが地元の「自助努力」に変更されたことについて、基金に支出する下流都県と交渉してきた県の責任を問うと、大沢知事は「県が一方的に決めたわけではない。地元の意向も踏まえて決めた」と反論した。
 さらに大沢知事は「国は今まで治水、利水の両面で必要だといい続けた。ダムを中止するのであれば情報公開を徹底して検証すべきだ。関係都県や住民に説明責任を果たすべきだ」と話した。

◆2009年9月29日 上毛新聞一面トップ記事より転載

ー八ッ場で国交相批判 知事 「生活再建案が出発点」「情報公開して説明を」 県議会一般質問ー

 大沢正明知事は28日、県議会本会議一般質問で、前原誠司国土交通相が八ッ場ダム(長野原町)本体工事の中止を表明したことについて、中止の根拠となるデータを示したり、費用対効果を検証するなど「説明責任を果たすべきだ」と批判した上で「国交省がダムなしの生活再建案を示すのが出発点ではないか」との見解を示した。本会議では同ダム推進、反対の立場の議員各2人が一般質問で主張をぶつけあったほか、推進派議員らはダムの早期完成を求める国への意見書案を提案した。

 ダム建設見直しを求めてきた「八ッ場ダムを考える1都5県議会議員の会」の代表世話人、関口茂樹氏(リベラル群馬)が大沢知事に中止方針への対応や生活再建のあり方について見解をただすと、大沢知事は「もし中止するなら、ダムの治水、利水両面の必要性や費用対効果などを情報公開し、公開の場で検証して地元や下流都県への説明責任を果たすべきだ」と主張。前原国交相が23日に現地視察した際、費用対効果の再検討について「その考えはない」と述べたことを疑問視した。
 また、同じくダム反対の立場の石川貴夫氏(民主改革クラブ)がダム中止後の生活再建案を検討する意思があるか質問したのに対し、大沢知事は「現在の生活再建案は(県と国、地元が)16年にわたりダムありきで議論を積み上げてきた。中止というなら国が代替案をしっかり提示するべきだ。それが最低の出発点だ」と重ねて強調した。
 一方、推進派の「八ッ場ダム推進議連1都5県の会」事務局長の萩原渉氏(自民・ポラリス)は、本県など5都県や藤岡市が事業費の一部を負担して得ている暫定水利権について質問。川滝弘之県土整備部長は前原国交相が中止後もこれを延長するとした点を「これまでの国交省の考えと違う。国交省内で統一的な見解を出してほしい」と答えた。
 意見書の提出案は鳩山由紀夫首相や前原国交相らに対し、原富夫議長名でダム建設中止の撤回と建設推進を求める内容。自民・ポラリスの議員3人が提案した。常任委員会で審査した後、1日の本会議で可決される見通し。