「知事発言に誤り」 あしたの会より群馬県知事に公開質問書

 八ッ場あしたの会が群馬県知事に提出した公開質問に関する記事を転載します。
 公開質問と群馬県の回答は、こちらに掲載しています。↓

○公開質問→https://yamba-net.org/wp/38250/

○県の回答と当会の見解→https://yamba-net.org/wp/38258/

◆東京新聞群馬版2009年12月5日
ー知事の主張『国に誤解』 八ッ場ダム中止派の市民団体ー
http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/20091205/CK2009120502000149.html

 八ッ場(やんば)ダム(長野原町)の建設中止を求める市民団体「八ッ場あしたの会」は四日、大沢正明知事あてに公開質問書を提出した。同会は、知事が十月二十七日に前原誠司国土交通相と会談した際、過去の台風被害を例にダムの必要性を強調した発言を問題視。「事実誤認があり、国に大幅な誤解を与える説明をした」と強く抗議し、発言の根拠を明らかにするよう求めている。 (中根政人)

 六都県知事と前原国交相との会談の席上、大沢知事は、一九九八年九月の台風5号接近によって、前橋市の利根川河川敷にあった県職員駐車場で約八十台の車が流失した被害を紹介。「死者が出るような事件だった」と治水面でダム建設の必要性を訴えた。

 これに対し、あしたの会は「駐車場管理担当の県職員が自殺したが、増水による死者はなかった」と指摘。「車流失は堤防より低い河川敷を駐車場に使用した『人災』の要素が強い」と反論した。

 その上で「車の流失被害とダム建設の効果とを関連づける知事の主張は根拠が明確でない」などと主張し、知事に発言の根拠について回答を求めている。

 同会の渡辺洋子事務局長は「知事の発言は社会的に大きな意味を持つ。誠意ある回答を求めたい」と述べた。同会などは十三日に、高崎市で八ッ場ダム問題に関する緊急集会を開き、ダム予定地の現状などを議論する。

 一方、別の市民団体「八ッ場ダムをストップさせる群馬の会」などは四日、県が実施を決めたダム予定地の「湖面1号橋」の橋脚工事入札の中止を求める要請書を知事あてに提出した。

◆治水面の意義や効果検証

 八ッ場ダムの建設中止問題を集中的に議論することを目的とした県議会の「八ッ場ダム対策特別委員会」は四日、同ダムの治水面の意義や効果を検証するため、十一日に開く審議で大学教授や行政関係者から意見聴取すると発表した。

 当日は河川工学が専門の宮村忠・関東学院大教授に学術的見地から八ッ場ダム建設の是非について説明を求める。東京都江戸川区の土屋信行土木部長、館林市の安楽岡一雄市長らにも、利根川流域の治水対策の現状や問題点を聴く。 (中根政人)

◆朝日新聞群馬版2009年12月5日
ー「知事発言に誤り」市民団体が公開質問書ー
http://mytown.asahi.com/gunma/news.php?k_id=10000580912050001

 八ツ場ダム(長野原町)の建設中止問題で、10月末に前橋市であった関東知事会議での大沢正明知事の発言に事実誤認があるとして、八ツ場ダム見直し派の市民団体「八ツ場あしたの会」は4日、大沢知事に対して公開質問書を出した。

 大沢知事は前原誠司国土交通相にダムの必要性を訴える際、1998年9月の台風5号で増水した利根川の写真パネルを示しながら「これは車が七十何台も流されて、死者が出るような事件であった訳です」などと説明した。

 公開質問書で同会は、車が流されたのは当時、県職員らが利用していた前橋市の利根川河川敷駐車場で、本来危険な場所を駐車場として利用▽増水の際には駐車を禁じていた▽緊急に際して避難が遅れた、といった点を県は問題点として認識していたはずであり、大沢知事の発言は「あたかも増水被害という天災が発生したかのような誤解を与える」と指摘した。

 死者についても、当時、駐車場の管理を担当していた県職員が自ら命を絶ったとし、「このような発言は死者の尊厳を大きく損ねる」とした。

◆2009年12月14日 朝日新聞群馬版より転載
ーダム巡る知事発言 県が事実上修正ー
http://mytown.asahi.com/gunma/news.php?k_id=10000580912140001

八ツ場ダムの見直しを求める市民団体「八ツ場あしたの会」が、大沢正明知事の説明に事実誤認があるとして出した公開質問書に対し、県は11日、回答した。

 回答では、10月末に前橋市内であった関東知事会議で、大沢知事が98年の台風5号について「車が七十何台も流されて、死者が出るような事件であったわけです」とした発言は「当時の洪水の恐ろしさと自然の脅威を発言した」と説明。

 死者に関しては「81年の台風15号においては県内で河川の増水による死者が発生している」とし、98年の台風5号に関する発言を事実上修正した。

 あしたの会は、98年の台風5号による前橋市の利根川河川敷駐車場での車の流失被害は「行政の過失による人災」と指摘。死者については当時、駐車場の管理を担当していた職員が自ら命を絶ったとして、「知事のこのような発言は死者の尊厳を大きく損ねる」と批判していた。