八ッ場ダム利権

 2月24日、衆議院国土交通委員会において、八ッ場ダムの高落札率、受注業者による政治家への献金問題がクローズアップされました。
 談合疑惑の問題を取り上げた中島正純議員は、国交省、群馬県の資料をもとに分析した結果を公表。八ッ場ダム事業推進の実態は、治水・利水などを目的としたダム建設ではなく、「生活再建関連事業」の名の下に肥大化した膨大な付帯事業を受注する業者から政治家への献金であることが改めて浮き彫りになりつつあります。

■2010年2月24日 産経新聞政治面より転載
ー八ツ場ダム受注業者、自民議員らに約5千万円献金 前原国交相「談合疑われる状況」ー
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100224/plc1002241202003-n1.htm

 前原誠司国土交通相が建設中止を表明している八ツ場(やんば)ダム(群馬県長野原町)の建設工事受注業者が平成20年までの3年間で、自民党国会議員らが代表を務める同県の党支部などに総額約4925万円の政治献金をしていたことが24日、分かった。同日午前の衆院国交委員会で民主党の中島正純氏が指摘し、総務省も認めた。

 中島氏によると、受注業者から献金を受けていたのは、自民党の現・元職の国会議員7人や地元自治体首長らが代表者の党支部など22団体。このうち自民党国会議員が代表の党支部などへの献金は総額3182万円だった。最も献金が多かったのは上野公成元参院議員(元官房副長官)が代表の党県住宅都市産業支部で1370万円。中曽根弘文前外相の党県参議院第1支部も604万円、山本一太元外務副大臣の党県参議院第3支部も500万円の献金を受けていた。

 中島氏は「政官業の癒着があったと思わざるを得ない」と述べ、早期建設中止を求めた。前原氏も「受注業者から多額の献金をもらうのはいかがなものか。(献金した)業者の落札率も明らかに高すぎる」と指摘。その上で「客観的に見れば談合が行われていたのではないかと疑われる状況だ」と述べた。

 ただ、民主党も石関貴史衆院議員が代表の党県第2区支部が24万円の献金を受けていたほか、県議2人が代表の党支部も受けており、同党への献金も86万円あった。

■2010年2月25日 朝日新聞群馬版より転載
ー「談合の疑い」国交省調査へー
http://mytown.asahi.com/gunma/news.php?k_id=10000581002250001

 八ツ場ダム(長野原町)に関連した国と県の発注工事で、過去8年に実施された入札の7割が95%以上の高値落札だったことが分かり、前原誠司国土交通相は24日、「極めて異常で、客観的にみれば談合が行われていたと疑われる状況だと思う」と述べ、今後、実態を調査する方針を明らかにした。

 中島正純衆院議員(民主、大阪3区)が同日の衆院国土交通委員会で、国交省や県の資料を元に指摘した。

 中島議員は、2006年から08年の3年間、県内関係の現・元国会議員らの政治団体への企業からの献金額が合計4925万円に上ることを紹介。上野公成・元参院議員の政治団体に1370万円▽小渕優子衆院議員の関連政治団体などに873万円▽中曽根弘文参院議員の政治団体に604万円▽山本一太参院議員の政治団体に500万円――などと列挙した。

 その上で、献金企業が01~08年度に受注した100万円以上の工事264件のうち180件が、予定価格の95%を超える金額で落札されたとの独自の調査結果を明らかにした。

 国は予定価格を事前公表していないが、調査設計資料の作成補助業務99・82%▽県道の橋の上部工事99・81%▽工事用道路99・58%▽トンネル舗装工事99・56%▽町道の改良工事99・36%▽付け替えの国道145号の改良工事99・30%▽流量水質調査99・25%――などと、ほぼ予定価格通りに落札された例もあった。

 前原国交相は「(落札額が)これだけ予定価格に張り付いているのは極めて異常」と述べた。そのうえで、「捜査権限がなく、限界はあるかもしれないが、省内でできる限り調査していきたい」と語り、談合の有無を調査する考えを示した。

 国直轄のダムを巡っては、胆沢(い・さわ)ダム(岩手県)でも談合の疑いが指摘され、前原国交相が調査を指示している。

■2010年2月25日 毎日新聞群馬版より転載
ー八ッ場ダム・流転の行方:受注業者、22団体に献金 自民と民主に4925万 /群馬ー
http://mainichi.jp/area/gunma/news/20100225ddlk10010202000c.html

 ◇衆院国交委
 八ッ場(やんば)ダム関連工事を受注した業者が県内の自民、民主両党の政党支部などに、06~08年の3年間で計4925万円を献金していたことが24日の衆院国土交通委員会で明らかになった。民主党の中島正純氏が国交省、県の資料と県に提出された政治資金収支報告書をもとに分析した資料を示し、前原誠司国交相に調査を要求。前原氏は「できる限り調査したい」と答弁した。

 中島氏によると、01~08年度に国や県が発注した同ダム関連工事(100万円以上)のうち、264件を受注した業者が自民と民主の県内の選挙区支部や職域別支部など計22政治団体に献金していた。内訳は自民党が19、民主党が3。献金額は代表者が国会議員(元職を含む)の団体は自民が7団体で1370万~60万円、民主が1団体で24万円。県議や首長(同)では自民が12団体で765万~13万円、民主が2団体で32万円と30万円。最多は自民の上野公成元参院議員の1370万円だった。自民の議員には親族企業からの献金もあった。

 また、264件のうち180件は、談合の可能性が高いとされる落札率95%以上での落札だった。

 中島氏は「献金を受けているから建設を推進するのかと疑念を抱かざるを得ない」と指摘。前原氏は「受注企業から献金を受けるのはいかがかと思う」と述べた。「談合があったのでは」との中島氏の追及に対して、前原氏は「調べていないので談合があったかは分からないが、客観的に見れば談合が行われていたのではないかという状況だ」と述べた。=一部地域既報【石原聖】

■2010年3月4日 週刊ダイヤモンドの情報サイトより転載
ー八ツ場ダム建設をめぐるダムマネー還流システムの闇ー
http://diamond.jp/series/inside/10_03_06_003/

 民主党政権の誕生で本体工事がストップしている群馬県長野原町の八ツ場(やんば)ダムで、“政”と“業”の癒着ぶりが再び浮き彫りになっている。

 国土交通省と群馬県土木整備部の資料に加え、群馬県選挙管理委員会に届け出た政治資金収支報告書によると、2006~08年の3年間で、八ツ場ダムにかかわる100万円以上の工事を受注した業者から、群馬県選出の国会議員や県議会議員、そして群馬県内の市長に対して献金された政治資金は4925万円に上っている。

 こうした献金を受けていたのは22の政党支部。そのうち19支部が、小渕優子衆議院議員や中曽根弘文参議院議員といった地元選出の自民党議員が支部長を務める自民党の支部だ。

 このうち最も多かったのが、04年の参院選で落選し、復活を目指している上野公成氏で、27社から総額1370万円の献金を受けていた。次いで小渕氏が、関係が深い支部を含めて24社から873万円、中曽根氏が11社から604万円、そして山本一太参議院議員が18社から500万円と続いている。

 もちろん、受注業者から献金を受けていた事実だけをとらえて、目くじらを立てるつもりはない。だが、こうした献金している業者が、高落札率の工事を受注しているとなれば話はまったく変わってくる。

 264件中180件──。献金業者が受注したもののうち、落札率が95%を超えている工事の件数だ。「落札率が九十数パーセント以上であれば談合が疑われる」というのが業界の常識。献金企業が受注した工事のじつに7割近くがその水準を超え、落札率が99%を超えているものもザラなのだ。

 なかでも、58件もの工事を受注、その48件が95%以上の高落札率工事だった池原工業は小渕氏と関係が深い支部に、また20件中19件がそうだった南波建設も同じ支部に加え、元社長で自民党群馬県支部連合会幹事長の南波和憲県議会議員が支部長を務める支部に献金している。

 そのほか、受注している工事すべてが95%以上の落札率で、自民党の支部に献金している企業が7社もあるなど、まるで「ダムマネーが自民党に還流している」(関係者)システムが出来上がっているかのようだ。

 この問題を調査している民主党の中島正純衆議院議員は、「献金を受けていれば建設中止とは言えないだろう。自民党が八ツ場ダム建設を推進するのは、こうした利権のためと疑わざるをえない」と指摘する。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 田島靖久)

■参考ブログ 「永田町異聞」 2010年2月25日
ー八ッ場ダム談合疑惑で政治家名が続々浮上ー
http://ameblo.jp/aratakyo/entry-10467528851.html