代替地は大丈夫か?(群馬県議会)

2010年5月24日

 八ッ場ダムの水没予定地の中で最大の集落である川原湯地区の「打越代替地の安全性」に問題があることが明らかになってきました。以下は、この問題についての群馬県議会八ッ場ダム対策特別委員会における議員と群馬県当局とのやりとりです。

八ッ場ダム対策特別委員会 平成22年5月11日(火) 

○角倉委員
次に、代替地の地上面の整備が進められているが、ダム本体の建設に関わらず代替地の安全性については重要な問題であり、国交省から県にはどのような説明がされているのか。

○古橋特定ダム対策課長
国に対しては、安全性についての報告書提出を再三求めているが、未だ提出されていない。大事なことであり、引き続き強く資料提出を求めていきたい。

○角倉委員
宅地防災マニュアルにより、造成宅地についての宅地防災区域の検証は、先ほどの報告書が提出されれば基本的には県が行うという認識でよいのか。

○古橋特定ダム対策課長
宅地の安全性については建築住宅課の所管だが、まず国が代替地造成の安全性についてどのような検討を行なっているのかを報告いただいた上で、安全性についての検証を行なっていきたいと考えている。

○角倉委員
2006年の中越地震以降、宅地造成規制法が改正され規制が強化されている。普通であれば、安全性が検証されていない場合には、再検証した上で分譲を行なうのではないのかと思う。手順が逆だと捉えられても仕方ないと思うがどうか。

○古橋特定ダム対策課長
代替地の設計については、旧基準で行われたものであり、再度、国が代替地の安全性を検証した報告書の提出を待っているのが現状であり、国に安全性を強く求めていく働きかけを行ってまいりたい。

○角倉委員
先ほども言ったとおり、今から4年前の2006年に法改正がされており、現に宅地造成が行われて家も建っている状況で、本来、県としての立場では、安全性が担保された上で宅地造成がされるのが筋だと思うが、この点について国との話合いはあったのか。

○古橋特定ダム対策課長
同じ回答になるが、代替地の安全性は大事なことであり、国に対して早急に検討した結果の提出を再三求めている。

○角倉委員
この件は大問題であり、結局、代替地に何らかの問題があった場合には、既に一坪十数万円で土地を購入した住民にとっては土地価格が下降することになり、ある種の詐欺行為になると思われるが、どう考えるか。

○古橋特定ダム対策課長
問題があるという認識はなく、今、安全性について検証しているところであり、資料の早期提出を求めている状況である。

○角倉委員
部長に聞きたい。私としては手順が逆だと思っており、現実の問題として、後になって安全性の問題が出た場合にはもちろんその点は担保されるとは思うが、土地価格の問題も出てくるものと思われ、今後検証が行われた際に何か問題があった場合、検証した件にも責任が問われると思うがどうか。

○川瀧県土整備部長
基本的に代替地の安全性については問題ないと国から聞いているが、委員ご指摘のとおりその結果が出されていない現状である。現に住民もいることであり、早く結果を示せるよう国に求めて、議会にも説明したいと考えている。

○角倉委員
代替地に住民の皆さんが移っていくことを前提にした場合、国や県としてダム推進の立場から、当時は一刻も早く造りたいとのことから、法改正後もある意味で住民に知らせずに代替地工事が進んだとの認識を私は持っている。確かに工期の問題は重要だと思うが、しっかりと手順を踏んでいくこともまた重要だと思う。
 現状、国の方針ではダムは造らないとなっているが、国からの資料提供を求める場合に、ダムができることを前提にダムに水が貯まる場合の資料と、ダムができないことを前提に水がたまらない場合の2種類の資料が出てくるものと思うが、その両方について安全性を検証することが必要であろうと考えるがどうか。

○古橋特定ダム対策課長
ダムができて水位が上がった場合の安全性の検証を行うための資料提供を求めている。

○角倉委員
先般、国交省担当職員から説明を受けたところ、ダムができないことを前提とした資料を考えているとのことであった。県としてもしっかりと国交省と話し合い、水が貯まる場合と貯まらない場合の資料提供を求めていただきたい。
 また、以前の説明では、資料提供は3月中とのことで聞いていたが、国からはいつ頃になると言われているのか。

○古橋特定ダム対策課長
先日、所管している建築住宅課と国との協議内容を聞いたところでは、夏頃になるとのことであり、もっと早期の資料提供を強く要請しているところである。

○角倉委員
資料提供が延びている原因について、国は何と言っているのか。

○古橋特定ダム対策課長
理由については聞いていない。

○角倉委員
いずれにしても、この代替地の安全性の問題は水が貯まっても貯まらなくても極めて重要であり、住民としてみれば問題のある土地を売られたということになれば大変なことになるので、県としてもこの問題についてしっかりと対処していただきたいと思うがどうか。

○川瀧県土整備部長
知事からも県民の安全が大事だということで、この問題に関して以前に答弁もあったが、しっかりと対処していきたいと考えている。

*代替地の安全性については、以下に詳しい資料を公開しています。↓
https://yamba-net.org/wp/modules/genchi/index.php?content_id=18