八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

週刊朝日、『耐震偽装』疑惑が浮上! 住民移転の官製代替地に」

2010年5月24日

 今週発売の週刊朝日に、八ッ場ダムの代替地の安全性についての記事が掲載されています。
 タイトル↓
 「八ッ場ダム 『耐震偽装』疑惑が浮上! 住民移転の官製代替地に」

 この記事に関連する詳しい情報はこちらに掲載しています。↓
https://yamba-net.org/wp/modules/genchi/index.php?content_id=18

 また、八ッ場ダムの代替地の安全性について、先日、群馬県議会で行われた県当局と議員とのやりとりをこちらに掲載しています。↓
https://yamba-net.org/wp/modules/news/index.php?page=article&storyid=906

 一般に土地を買う場合、安全性が確認されなければ買いたいという人はいません。ところが、八ッ場ダムの代替地では、安全性についての確認がされないうちに分譲が開始されました。代替地を買う水没予定地の人々は、国土交通省を信じて分譲契約を結んでいます。
 ダムを受け入れる代わりに同じ地区の中に代替地を造成するーこれが1980年に群馬県が八ッ場ダムの反対期成同盟の運動を切り崩すために約束した覚書でした。国はこの覚書を引き継いで「現地再建ずり上がり方式」による八ッ場ダムの「代替地造成計画」を進めてきました。
 政権交代後も続いている八ッ場ダムの「生活再建関連事業」はすべて、この「代替地造成計画」を中心に据えたものです。「代替地」の安全性が確保されていないということは、当局が30年前に水没予定地の住民に約束したことを反故にしていることを意味します。
 代替地は1990年代にできるはずでした。当初の八ッ場ダム計画では、2000年がダムの完成年度だったからです。造成が遅れ、分譲価格が周辺地価よりはるかに高いことだけでも十分に約束違反といえますが、分譲した土地が安全でなければ話になりません。
 人が住み始めたあとで安全確認を行い、問題があれば対策をとると国交省は説明しています。住む人の身になったら、こんなことを言えるでしょうか? 川原湯の打越代替地は、温泉街が移る場所ーつまり、観光地になるはずの場所です。安全確認がされていない場所に、観光客が行くでしょうか?
 こうした杜撰な計画を進めることは、水没予定地の住民と国民双方を欺くことです。