八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

八ッ場ダム中止棚上げ、馬淵大臣発言

2010年11月8日

 一昨日、ダム予定地を視察した馬淵大臣が、ダム中止方針を事実上棚上げし、検証期限を来秋を目標とすると発言したことが大きな波紋を呼んでいます。

◆2010年11月7日 上毛新聞2面 会談発言要旨より馬淵大臣発言転載

「地域のみなさまに多大なご迷惑をおかけしていることを十分に認識し、まず心からおわびを申し上げたい。生活再建支援工事の進ちょく具合を拝見し、地域が一変する姿を目の当たりにした。先の見えない状況を一刻も早く打開したい。」

「再検証では地域の方々の意見をうかがい、有識者を含めた多角的な検証を行わなくてはならないが、12年度の政府予算案の中身に反映できる時期までに結論を得るということを目標として示し、関東地方整備局に指示したい。来年の秋を一つの目標として検証させていただく。
 また、生活再建支援の実現を図るためには1都5県の知事さんをはじめ、みなさんのご理解をいただかないといけない。最大の課題は私どもが伝えてきた「中止の方向性」という言葉とご指摘いただいた。私は一切「中止の方向性」という言葉に言及しない。多くの関係者に理解いただけるプロセスとして予断を持たずに検証を進めたい。生活再建支援を進めるためにも、1都5県に負担金を支払っていただけるよう努力したい。
 民主党政権に求められているのは国民の理解を得ようとする努力だと思う」政権交代という大きな歴史の転換点を私たちに託していただき、変えなければならないという思いを強くお伝えするあまり、説明責任が不十分だったという指摘を謙虚に受けとめないといけないと思っている。」

—転載終わり—

 「中止方針を堅持」しつつ「予断なくダム事業を検証する」と繰り返してきた前原大臣の発言は、辻褄が合わず矛盾していると批判を浴びてきました。今回の馬淵大臣の発言は、ダム中止に向けての方針が定まらず、「ダム推進」を主張する関係都県知事や地元町長らの協力が得られない状況を打開することを目指したものと受け止められています。

 「中止方針の撤回」と「検証期限の明示」を求めてきた関係都県知事、地元町長らは馬淵大臣の発言を歓迎しています。民主党政権が「推進派」に譲歩したと”評価”しているからです。
 一方、知事や町長らと同様、「ダム推進」を望んでいるといわれている地元住民の反応はそれほど単純ではありません。検証期限が明らかにされたといっても、これまで同様、ヘビの生殺しのよう状況が続き、生活再建も進まないからです。国土交通省はダムの関連工事を「生活再建関連事業」と名づけ、馬淵大臣は「生活再建支援工事」と呼んでいますが、「関連事業」が盛んに進められている現状でも、地元の人々からすれば「生活再建」が進んだとはいえず、水没予定地ではむしろ「生活破壊」が進行しているというのが実態です。今回の現地視察では、国交省現地事務所にとって都合のよいスポットのみが視察場所に選ばれています。

 八ッ場ダムの見直しや中止を求めている市民団体は、前原大臣の下でまとめられた「ダム検証のあり方」が中立性を欠き、密室での議論で進められてきたことを強く批判してきました。八ッ場ダムの検証主体は、八ッ場ダムを推進してきた国交省関東地方整備局です。これでは客観的な検証は期待すべくもありません。

 馬淵大臣は今回の現地視察で、「民主党政権に求められているのは国民の理解を得ようとする努力だと思う。」と語りました。「ダム中止方針を棚上げ」した「予断なき検証」は、これまで以上に検証の客観性、中立性が厳しく問われることになります。基本高水、代替地の耐震性と、このところ八ッ場ダムを巡る国交省のいい加減な仕事ぶりが次々と明らかになっています。どのような結論が出たとしても、それが客観的で公正な手順によって進められた結論でなければ、国民の理解を得ることはできません。

 八ッ場ダム事業についての問い合わせ窓口は現地事務所である国土交通省八ッ場ダム工事事務所です。ところが、この事務所は一般国民やジャーナリストの質問に対して、真摯に答えることがなく、きわめて不誠実だという批判が政権交代前にも増して強まっています。国民の理解を得ようと努力するならば、先ずは窓口の対応を正すことから始める必要があるのではないでしょうか?

◆2010年11月6日 毎日新聞より転載

ー八ッ場ダム:地元住民、広がる不信感…中止棚上げでー
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20101107k0000m040061000c.html

 中止という予断を持たずに再検証します--。群馬県長野原町の八ッ場ダム建設予定地を初視察した馬淵澄夫国土交通相は、民主党が昨夏の衆院選でマニフェスト(政権公約)に掲げた「中止」方針をあっさり棚上げした。半世紀以上にわたる計画は09年の政権交代で中止となり、住民と関係自治体は翻弄(ほんろう)され続けてきた。「建設再開が決まったわけではない」「国の対応は二転三転してきたので信用できない」。ダム推進派からも冷ややかな声が聞かれ、建設中止を求めてきた反対派にも不信感が広がった。

 「民主党はしっちゃかめっちゃか」。ダム推進派で、所有する田んぼが水没予定の自動車修理業、篠原箭(すすむ)さん(64)は国交相発言に、さらに不信感を募らせた。

 「下流のためと思ってダムに賛成してきたが、国の対応は二転三転。1年後の再検証結果もどうなるか分からない。住民はどうしたらいいのか」

 水没予定地の川原湯温泉で旅館を営む豊田明美さん(45)は、再検証の期限が「来年秋」に決まったことは「ようやく先が見えた。旅館にとっては闇の中の光」と評価した。しかし「国がこれまで何度も発言を翻してきたため、国と地元との信頼関係が壊れている」とも語り、「足並みをそろえて生活再建できるのかが一番の不安」と訴えた。客足が遠のき、旅館は年内に休業する予定だ。

 一方、地元でダム反対を訴えてきた豊田武夫さん(59)は「再検証すればダムの不要性はおのずと分かるはずだ。多少の言葉のぶれに一喜一憂してもしようがない」と話した。

 関係自治体は建設推進を国に求めており、地元群馬の大澤正明知事は「ダムなしの生活再建は考えていない。地元の意向を踏まえて検討してほしい」と歓迎した。長野原町の高山欣也町長も「(中止の方針棚上げは)心強く感じている。住民との話し合いは、要請してもらえれば実現したい」と国に歩み寄る姿勢を見せた。

 ◇今後を見据え、表現で譲歩か

 馬淵国交相が「中止の方向性という言葉には言及しない」と発言した背景には、前原誠司前国交相が「予断を持たずに再検証を行う」と言いながら「中止の方向性は変わらない」とも口にした結果、地元から「中止ありきの予断を抱いているではないか」と反発を招き、こう着状態に陥ったことがある。

 馬淵国交相の発言は「中止」を掲げたマニフェストからの後退とも受け取れるが、マニフェストを撤回するとは発言しなかった。再検証のメドを示し、予断を持っていない姿勢を見せて再検証のテーブルについてもらうために表現で一定の譲歩をしたが、マニフェストと政権交代後の国交行政の流れを変更したことにもならず、与党・民主党内への説明も付く--。「中止方針の棚上げ」と受け取れる発言にはそんな計算がありそうだ。

 また、国交省はこれまで、中止の方向性を示しつつも八ッ場ダムを再検証の枠組みに入れることで事態の打開を目指した。しかし、受益者である1都5県の知事は、再検証のスケジュールを明示するまで負担金の支払いを留保すると通告、国交省は「このままでは事業資金がショートしかねない」との危機感を募らせていた。馬淵国交相は再検証のメドを来年秋と提示。国交省幹部は「負担金支払いへの理解が得られる」とみる。

 埼玉県の上田清司知事は6日、熊谷市内で記者団に対し、「評価したい。方向さえしっかりみさせてもらえれば、当然出すべきものは出す」と述べ、負担金の拠出を前向きに検討する考えを示した。近く1都5県の知事で負担金の扱いを含めて協議する。【奥山はるな、鳥井真平、石原聖】

◆2010年11月7日 東京新聞より転載
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2010110790070652.html?ref=rank

ー八ツ場『中止前提』撤回ー 

 馬淵澄夫国土交通相は六日、八ッ場(やんば)ダム建設予定地の群馬県長野原町で、大沢正明知事や高山欣也同町長など地元首長らと懇談し、建設の是非について「一切の予断を持たずに再検証する。今後は『中止の方向性を持ちながら』という言葉には言及しない」と発言した。前原誠司前国交相が昨秋の政権交代時に表明した「建設中止」の前提の事実上の撤回となる。

 八ッ場ダム建設中止は「コンクリートから人へ」を掲げてきた民主党の最重要公約の一つ。政策変更につながる発言は与野党双方の批判を招きそうだ。

 馬淵氏はダム流域の六都県などが提示を求めていた国による再検証の終了時期の目標を来秋とする方針も表明。「二〇一二年度予算案に反映できる時期に結論を得たい」と述べた。

 懇談後、馬淵氏は「発言はマニフェストの撤回や修正を意味するのか」との記者団の質問に、「再検証の過程では『中止』『建設』の話題に触れることはしない」「撤回か否かを答えるのも予断につながる」と明言を避けた。

 前原氏は昨年九月の就任直後、建設中止を表明。是非の再検証をする方針は示したが、「中止が前提」との立場を堅持した。

 馬淵氏も「中止の方向を持ちながら予断なく検証する」としていた。

◆生活再建、地元譲歩を

<解説> 八ッ場ダム建設中止方針を“封印”するとした馬淵澄夫国土交通相の発言は、「中止撤回」で結束する住民や流域都県に歩み寄る姿勢を示すことで、膠着(こうちゃく)状態にある国と地元の対立からの打開を図る狙いがある。

 馬淵氏が民主党の政策の転換とも受け取れる決断を迫られた背景にあるのは、昨秋の前原誠司前国交相によるダム中止宣言後、代替の治水案や生活再建案を迅速に提示できなかった政権の無策だ。

 政権交代後の混迷が続くにつれ、「公共事業削減」「政官業の癒着打破」などダム中止の根拠とされた党の看板はひっこめられ、ダム予定地でも必要性を検証されないままの生活再建事業が進められている。

 「中止前提」に反発し、現実的な議論ができてこなかったこうした個々の事業の必要性を検討する環境は、馬淵氏の発言で整うことになる。

 生活再建の重要さを踏まえながらも地元住民や流域都県には、馬淵氏と同じ「譲歩」が必要となる。 (前橋支局・中根政人)

◆2010年11月7日 読売新聞より転載
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20100806-849918/news/20101107-OYT1T00305.htm

ー八ッ場撤回は既定路線?自民は「政策いい加減」ー

 馬淵国土交通相が6日、八ッ場ダム(群馬県長野原町)の建設中止の方針を事実上撤回したことについて、民主党内からは「やむを得ない」との見方とともに、臨時国会で野党に新たな攻撃材料を与えることになりかねないとの懸念も出た。

 仙谷官房長官は6日、横浜市で記者団に馬淵氏からの報告は受けていないとしたうえで、「ダム周辺の住民の生活再建や保全と、我が党の『コンクリートから人へ』と。これを両立させるために彼の裁量で、関連自治体と対話をし、時間をかけて進めていくつもりなのかなと推測している」と述べた。

 ただ、関係者によると、今月初旬には民主党の関係議員への根回しが行われており、今回の撤回表明は既定路線だったようだ。

 民主党は、昨年の衆院選と今年の参院選で八ッ場ダムの建設中止を掲げた。鳩山政権発足時には、当時の前原国土交通相が「マニフェストに書いてあるので中止する」とぶち上げたが、地元は強く反発し、「地元と話し合いも出来ず、どうにもならない事態」(政府筋)に陥っていた。

 今回の馬淵氏の発言は、従来の方針を軌道修正することで地元との協議再開につなげる狙いがあると見られており、民主党の群馬県選出議員の一人は「前原氏が就任直後に突っ込みすぎたから、修正するだけだ。検証結果が中止となれば、中止だ」としている。

 ただ、党内では「八ッ場ダム中止は我々の金看板だったはずだ。方針転換して大丈夫か」(若手議員)と国会審議や低落傾向が続く内閣支持率などへの悪影響を心配する声も出ている。

 実際、野党は「民主党が掲げた政策のいい加減さが、また一つ浮き彫りになった」(自民党幹部)と追及する構えを見せている。

 自民党の鴨下一郎政調会長代理は「拙速に深い考えもないままに政策を打ち出し、後からつじつまが合わなくなってぶれるというのは、民主党政権お決まりの構図だ」と批判した。

◆2010年11月7日 毎日新聞群馬版より転載
http://mainichi.jp/area/gunma/news/20101107ddlk10010128000c.html

ー 八ッ場ダム建設:中止棚上げ 知事ら評価の声 住民との対話進展の可能性 /群馬ー

 八ッ場ダム問題を巡り、建設予定地の初視察に訪れた馬淵澄夫国土交通相が「中止が前提」との方針を棚上げした。ダム建設の再開を求めていた大澤正明知事や長野原町の高山欣也町長らからは「やっと一歩進み始めた」など評価の声が相次ぎ、手詰まり状態だった国と住民の対話が進展する可能性が出てきた。

 関係1都5県はダム建設事業負担金の支払いを留保しているが今後は負担に応じる方向で協議するという。

 高山町長も「この問題は白紙に戻った。希望を持てた」と歓迎。馬淵国交相が地元住民との意見交換を希望していることについても「住民は申し上げたいことがたくさんある。よろしくお願いします」と述べた。

 一部町内が水没予定の東吾妻町の一場明夫町議会議長は「これですっきりした。やっと一歩進み始めた感じがする」と述べた。

 一方、ダム建設に慎重な立場を示す市民団体「八ッ場あしたの会」の渡辺洋子事務局長は「今回の発言により、ダムの必要性の有無を巡る検証作業の中立性、公平性が厳しく問われる」と注文をつけた。【鳥井真平、奥山はるな】

◆2010年11月7日 朝日新聞群馬版より転載
http://mytown.asahi.com/areanews/gunma/TKY201011060353.html

ー町長も「予想外の発言」 八ツ場ダムの中止前提撤回ー

 長野原町の高山欣也町長と笑顔で握手する馬淵澄夫国交相(左)=長野原町の町山村開発センター、橋本弦撮影

 「予想外の発言」と地元側に驚きが起きた。馬淵澄夫国土交通大臣が6日、就任後初めて八ツ場ダムの地元の長野原町を訪れ、大沢正明知事、高山欣也町長らと会談した。国交相はダムの必要性の検証について「一切の予断を持たずにやる」と述べ、「中止ありき」をにじませていた前原誠司前国交相(現外相)の発言を修正した。結論を出す時期についても「来年秋」と明言したことで、途絶えている国交相と住民の意見交換会が再開される機運が出てきた。ただ、住民には複雑な思いが交錯し、慎重な見方をする人も多い。

 国交相の現地訪問は今年1月の前原氏以来で、馬淵氏は国交副大臣時代を含めて3度目。三井辨(わき)雄副大臣、津川祥吾政務官が同行した。

 会談は町山村開発センターで約1時間行われた。先月25日には同じ場所で、事業費を負担している6都県知事がダムの2015年度までの完成を求める共同声明を発表したばかり。

 大沢知事や高山町長が「中止の方向性は変わらないが、予断を持たず検証する」との前原発言を引き合いに、(1)検証の道筋を一刻も早く示してもらいたい(2)検証がアリバイのためでないと確認してほしい、などと迫った。

 メモを取りながら、硬い表情で質問を聞いていた国交相が立ち上がった。

 検証結果を出す時期について「平成24年度予算案に反映できる時期までに結論を得ると約束したい」と述べ、来年秋までに結論を出す考えを明らかにし、さらに「『中止の方向性』には言及しない」と断言した。

 「予想外の発言」(高山町長)に、大沢知事らが再び立ち、「二つの約束」の真意を確かめた。

 これに対し、国交相は改めて、来年秋を目標に検証の結論を出すことを明らかにし、検証にあたっては「『中止の方向性』という言葉は封印している。一切の予断を持たないことだ」と明言した。

 前原氏は今年1月の住民との意見交換会で、「再検証はするが、皆さんのお気持ちに応えられない可能性もある」と、「中止ありき」方針をにじませ、これが意見交換会が途絶える原因になっていた。

 会談後、大沢知事は「非常に前向きな発言をいただき感謝している。下流1都4県の知事にも適時適切に説明していきたい。私としては、負担金留保を解除してもいいと考えている」などと話した。6都県の負担金留保問題も解決に向けて動き出しそうだ。

 高山町長は「地元住民は『白紙でないと会わない』といってきたが、大臣に『再検証に一切の予断は持たない』と言ってもらったので、『白紙』に戻ったと受け止めている」と話し、国交相から意見交換会の要請文が届き次第、住民に諮る考えを示した。(石田裕貴夫、木下こゆる)

◆2010年11月7日 東京新聞群馬版より転載
http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/20101107/CK2010110702000081.html

ー“転換” 首長ら歓迎 八ッ場・中止前提撤回ー

 「良い回答をしてもらった」「感謝したい」-。八ッ場(やんば)ダム問題で、六日に地元・長野原町の町山村開発センターで開かれた馬淵澄夫国土交通相と大沢正明知事や高山欣也町長らとの懇談会。馬淵氏が「中止の方向性」という言葉を使わずに建設の是非を決める検証時期の目標を来年秋と表明したことに、地元側は一定の理解を示した。 (山岸隆)

 懇談会では、大沢知事らが「前原誠司・前国交相の建設中止の方向は変えずに再検証するという説明では、地元は国の真意を読めない」「アリバイのための検証ではないか」などと訴え、馬淵氏から前大臣の発言を軌道修正する回答を引き出した。

 高山町長は懇談会の終了後、記者団に「一年間のよどみが少しはなくなった感じ。ある程度の地元の希望はかなった。大臣が交代した意味があったと思う」と説明。懇談会の席で高山町長から「心強い」と言われた馬淵氏も「住民と会って、直接話をしたい」と反応し、終盤は和やかなムードに包まれた。

 一方、地元住民の間では馬淵氏の現地入りに、さまざまな思いが交錯。川原湯温泉で旅館を経営する豊田明美さんは「早い段階で検証の道筋を示してほしい。機会があるなら、大臣に話を聞いてもらいたい」と語った。

 八ッ場ダム水没関係五地区連合対策委員会事務局長の篠原憲一さんは「一日も早くダム建設の中止方針を撤回し、着工することを望む」と強調。川原湯温泉街の近くで乳業を営む豊田武夫さんは「国のダム建設中止方針は正しいのだから、馬淵大臣は賛成派の地元住民や町長を説得してほしい」と訴えた。

◆2010年11月7日 読売新聞より転載
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20101107-OYT1T00515.htm

ー八ッ場中止撤回、「馬淵氏から事前相談」前原氏ー

 前原外相は7日、馬淵国土交通相が八ッ場(やんば)ダム(群馬県長野原町)の建設中止方針を事実上撤回したことについて「馬淵氏から事前に相談があり、しっかりとこれから予断なき検証をやっていくという意思表示もあった。できるだけダムに頼らない治水をやっていただけると信頼している」と理解を示した。

 浜松市内で記者団の質問に答えた。

 前原氏は馬淵氏の前任の国交相で、昨年9月の就任直後に八ッ場ダムの建設中止方針を表明した。

◆2010年11月7日 毎日新聞より転載
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20101107ddm001010112000c.html

ー群馬・八ッ場ダム建設:「中止」棚上げ 公約撤回を否定--仙谷官房長官ー

 仙谷由人官房長官は6日、八ッ場ダムを巡る馬淵澄夫国土交通相の発言について「ダム周辺住民の生活再建と我が党の政策をうまく両立させる方策だろう。馬淵氏自身の裁量で、住民、関連都道府県との対話をしようと、時間をかけて進めていくつもりと推測する」と述べ、建設中止の民主党公約を撤回したものではないとの認識を示した。視察先の横浜市で記者団の質問に答えた。【野口武則】

◆2010年11月7日 日本経済新聞より転載
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C93819481E2E5E2E3E28DE2E5E3E3E0E2E3E28297EAE2E2E2;at=ALL

ー八ツ場ダム「方針転換でない」 岡田幹事長ー
 民主党の岡田克也幹事長は7日、茨城県茨城町の会合で、八ツ場ダム(群馬県長野原町)の「建設中止」を撤回した馬淵澄夫国土交通相の発言について「議論を拒否してきた地元関係者と議論する環境をつくるためで、必ずしも方針転換ではない」との見方を示した。同時に「色々なことをなし遂げるためには、正論だけでは達成できないこともある」と擁護した。

◆2010年11月8日 時事通信より転載
http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2010110800659

ー中止棚上げ「当たり前」=八ツ場ダム問題で-石原都知事ー

 東京都の石原慎太郎知事は8日、馬淵澄夫国土交通相が八ツ場ダム(群馬県長野原町)の建設中止を棚上げする方針を示したことについて「結構だ。当たり前のことではないか」と評価した。ただ、同ダムの必要性に関する検証作業を終える時期を2011年秋としたことには「遅過ぎる感じがする」と批判した。都庁内で記者団の質問に答えた。
 都は、国の中止方針に反発し、八ツ場ダム建設に伴う今年度の地方負担金を支払わず留保している。石原知事はこれについて「ダムが完成し、われわれがダムの恩恵にあずかることがはっきりしない限り、出す筋合いはない」と述べ、留保を継続する考えを示した。