自民党推進議連と地元住民との意見交換会

 自民党国会議員による推進議員連盟が12月19日に現地を訪ねました。
 八ッ場ダム予定地の有力者らは、馬淵大臣との意見交換は拒みましたが、自民党の推進議連とは積極的に会い、地元の命運を自民党に委ねているように見えます。
 会長の佐田衆院議員は、八ッ場ダム事業を請け負っている佐田建設と関係が深く、今回の地元住民との意見交換会に参加した小渕優子衆院議員、山本一太参院議員らと共に八ッ場ダム事業の関連業者から多額の献金を受け取っていることが昨年ニュースとなりました。
 意見交換会で「民主党政権をつぶして、我々がダムを造るしかない」と発言しているのは、国交省河川局の代弁者とも言える脇雅史参院議員です。元国交省河川局長が自民党の参院議員になって、全国の業者の支持で議席を維持するという慣習は何十年も続いています。
 昨年の政権交代後、自民党系地元住民としてマスコミでしばしば取り上げられた星河町議は、「ダムがなくて(下流に)大きな被害が出た時に、民主党は責任をとれるのか」と発言したとされていますが、ダムができて災害が誘発されたり、過疎化が進行して地元や下流が犠牲になったときは、誰が責任を取るのかという疑問が湧いてきます。
 下記の朝日新聞群馬版の記事は、自民党が民主党を追い込む切り札として八ッ場ダムを利用としている意図を赤裸々に表明していることを伝えています。

◆朝日新聞群馬版2010年12月20日
http://mytown.asahi.com/gunma/news.php?k_id=10000581012200002

 ー参院に建設推進決議もー

 八ツ場ダム(長野原町)の建設推進を掲げる下流都県の都県議24人と、自民党国会議員でつくる「八ツ場ダム推進と利根川水系の治水・利水を考える議員連盟」の10人が19日、住民代表との意見交換会を同町で開いた。菅直人内閣の支持率が低下するなか、民主党政権の「失政」の象徴として八ツ場ダム中止問題を追及する発言が相次いだ。(菅野雄介)

 「東の八ツ場、西の普天間が民主党政権のアキレス腱(けん)だと言ってきたが、最近は南の尖閣、北の北方領土、西には諫早湾と増えてきている」

 会を主催した「八ツ場ダム推進議連1都5県の会」会長の三原将嗣都議が、沖縄県の米軍普天間飛行場移設問題、尖閣諸島の領有権問題、長崎県の諫早湾干拓事業の潮受け堤防排水門の開門問題などを例に挙げ、政権批判の口火を切った。

 隣の草津町が地元の山本一太参院議員は「(与野党の勢力が逆転して)ねじれている参議院が主戦場。民主党の姿勢を追及して、政権交代の流れをつくりたい。政権交代した瞬間に八ツ場ダム建設は再開する」と話した。

 ダム建設を推進してきた旧建設省OBの自民党議員は、「民主党政権をつぶして、我々がダムを造るしかない」(脇雅史参院議員)、「ねじってねじって解散に追い込む」(佐藤信秋参院議員)、「土木屋の一人として、ダム中止は許せない」(福井照衆院議員)と語気を強めた。佐藤氏は年明けの通常国会の参院国土交通委員会でダム推進を決議する見通しを示した。

 地元側からは大沢正明知事や長野原、東吾妻両町の町長や町議、地元ダム対策委員会の役員らが参加した。

 水没関係5地区連合対策委員会の萩原昭朗委員長は「自民党の皆さんが応援してくれているのに(馬淵澄夫国土交通相とは)会えない。大臣と会うかどうかは皆さんの了解を得て進めていかなければならない」と発言した。

 「ダムがなくて(下流に)大きな被害が出た時に、民主党は責任をとれるのか」(星河由紀子・長野原町議)といった政権批判と自民党に期待する声が続いた。

(写真)八ツ場ダム建設へ気勢を上げる自民党の国会議員や地方議員、地元参加者ら=長野原町

◆2010年12月20日 東京新聞より転載
http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/20101220/CK2010122002000086.html

 ー八ッ場ダム 推進議連が意見交換会 長野原町で住民とー

写真=地元住民の意見を聞く国会議員ら=長野原町で

 自民党の都県議を中心とした「八ッ場ダム推進議連1都5県の会」と、同党の国会議員有志の「八ッ場ダム推進議員連盟」は十九日、長野原町の建設予定地を視察し、同ダム広報センター「やんば館」で地元住民との意見交換会を開いた。

 約六十人が出席し、最初に大沢正明知事が「ダム建設の先が見えない中、川原湯温泉の老舗旅館が相次いで休業するなど厳しい状況にある」と現状を報告。本県選出の佐田玄一郎衆院議員が「住民の気持ちを踏みにじる(民主党政権の)態度は許されない。国会で徹底的に追及する」と訴えた。

 地元選出の小渕優子衆院議員も「住民は大きな精神的苦痛の中で過ごしている。一日も早いダム本体着工に向けて頑張る」と強調。山本一太参院議員は「ダム問題の解決には政権交代しかない」と民主党への対決姿勢を鮮明にした。

 八ッ場ダム水没関係五地区連合対策委員会の萩原昭朗委員長は「下流都県の治水と利水のため、断腸の思いでダム建設を受け入れたのに政権が代わったら国との契約をほごにされた」と指摘。住民からは「国は信用できない」「ダム建設を中止すれば人口流出がさらに進む」などの意見が相次いだ。 (山岸隆)