八ッ場ダム事業の来年度予算152億円超

◆2010年12月25日 朝日新聞社会面より転載

 -八ッ場前年並み 来年度予算案 検証ダム、3割減ー

 24日に公表された来年度の政府予算案で、建設の是非を検証する国の31カ所のダムの予算は前年度からさらに3割削られた。一方、八ッ場ダム(群馬県)には、ほぼ前年度並みの153億円(うち国費63億円)が確保された。八ッ場だけで検証ダム全体への国費の約3分の1が充てられた。
 国の31のダムに投じられる来年度の国費は計201億円(前年度287億円)。栃木県の思川開発(南摩ダム)、木曽川導水路事業が大幅に削られた。
 一方、中止を掲げた民主党政権に地元や下流の6都県が猛反発した八ッ場ダムは前年度(154億円)とほぼ同額。今月初旬、地元住民との対話を要請した馬淵澄夫国土交通相に、長野原町側は「来年度予算を見て」と拒否しており、高山欣也町長は「まずまずの額。水没予定地への補償を優先してもらえればありがたい」と語った。
 政権の方針を受け、国のダムでは継続か中止かの検証結果を再来年度予算から反映させる。30道府県が進める53カ所の補助ダムへの国の予算配分は来年3月末までに決まる。朝日新聞社の調べでは、岩手、山形、兵庫、和歌山、大分の5県はすでに検証で「治水にはダムが最適」との評価を固め、来年度から建設の再開を目指している。

◆2010年12月25日 朝日新聞群馬版より転載
http://mytown.asahi.com/gunma/news.php?k_id=10000581012250001

 -政府予算案 今年度並み152億円超ー
政府が24日、来年度予算案を決定した。八ツ場ダム関連では今年度並みの152億8400万円。引き続き本体工事費は盛り込まず、生活再建事業費として計上した。国土交通省は来秋までに必要性の検証結果を示す予定だが、その結論次第では受益者の6都県が負担金の支払いを拒む可能性もある。地元住民が気をもむ日々は続く。

 地元長野原町の高山欣也町長は「満足とも言えないが、まずまずではないか」とひとまず評価。今月上旬に馬淵澄夫国交相の対話要請を拒んだ際、その理由として予算額を「地元への誠意」の指標とする考えを示していた。

 今年度予算は154億5千万円で、用地買収などに伴う補償費に45億2千万円、道路や鉄道の工事費、移転代替地の造成費などに83億8千万円が計上されていた。

 来年度予算案の内訳は公表されていないが、川原湯地区の移転代替地の玄関口となるJRの新駅建設や、湖面1号橋や代替地造成などの継続工事の費用と、補償費が中心になるとみられる。

 一方、ダムの必要性の検証結果が「中止」となれば、関係6都県が負担金の支出を止める可能性も。「予算案が出ても、枕を高くして寝られるわけじゃない」と高山町長。大沢正明知事は「予算の中身が不明でコメントできない。地元や6都県にしっかり説明してほしい」としている。

◆2010年12月25日 東京新聞群馬版より転載 
http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/20101225/CK2010122502000090.html

 ー八ッ場・生活再建に152億8400万円 「前年同様」で地元冷静 11年度国予算案ー

 二十四日に発表された国の二〇一一年度予算案では、本体工事が凍結状態の八ッ場(やんば)ダム(長野原町)について、生活再建事業の関連費が百五十二億八千四百万円計上された。一〇年度(約百五十四億円)と同規模の費用が盛り込まれたことで、県や長野原町の関係者は一様に冷静な反応を示した。 (中根政人、山岸隆)

 大沢正明知事は「予算の中身が不明でコメントできない」としつつ「事業内容について、地元やダム流域六都県にしっかり説明してほしい」と国に誠実な取り組みを求めた。

 長野原町の高山欣也町長は「前年とほぼ同額だから、まあ良しとするべきだ」と、一定の理解を示した。八ッ場ダム水没関係五地区連合対策委員会の篠原憲一事務局長も「十分な額とは言えないが、厳しい経済情勢を考えれば仕方がない」とした上で「JR吾妻線の付け替えなど、遅れ気味の事業を急いでほしい」と求めた。

 一方、ダム事業見直しを求める市民団体「八ッ場あしたの会」の渡辺洋子事務局長は「前年と同じ規模なのは国が生活再建の内容を精査していない証拠」と痛烈に批判。「地元のためになる生活再建の実現には、事業の中身を重視した予算付けが必要」と訴えた。

 政権交代に伴い、前原誠司前国土交通相が建設中止方針を表明した八ッ場ダムについて、国は一〇年度予算に本体工事費を計上せず、水没対象地区住民の移転や道路、橋の工事などの生活再建事業費約百五十四億円のみを盛り込んだ。

 一一年度予算の編成に向けては国交省関東地方整備局が「ダム建設の是非を検証中」として事業費の概算要求額を明らかにせず、予算案発表時に生活再建事業費の金額を明示しない可能性も示唆していた。

◆2010年12月25日 読売新聞群馬版 
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/gunma/news/20101225-OYT8T00039.htm

 ー「八ッ場」微減152億8400万円 小学校向けカウンセラーは拡充 11年度政府予算案ー

 2011年度政府予算案が24日、臨時閣議で決まった。建設継続の是非を判断する再検証作業中の八ッ場ダム(長野原町)には、事業費152億8400万円(国費63億2400万円)が配分され、今年度より1億6600万円減った。また、いじめを受けていた桐生市の小学6年女児の自殺を受け、学校で児童から相談を受けるスクールカウンセラーの配置も拡充される見通しとなった。子ども手当は、地方負担が前提の予算が組まれており、予算計上を拒否している太田市など、自治体の反発を呼びそうだ。

 ダム事業に対する政府方針は、今年度も「再検証対象のダムは新たな工事段階に入らず、地元住民の生活支援を考慮した上で、必要最小限を計上する」。全国のダム関連予算が今年度比214億円減の1425億円に縮小される中、八ッ場ダムは、昨年から微減で踏みとどまった。本体工事費は盛り込まれておらず、国道やJR吾妻線の付け替え工事、用地補償など生活再建事業に振り分けられるとみられる。

 そのほか、県内の国直轄ダム事業では、いずれも調査段階の吾妻川上流総合開発が1400万円減の4100万円、利根川上流ダム群再編が2700万円減の5300万円となり、政府の「ダム予算絞り込み」の姿勢が浮き彫りになった。

 公立小学校などへのスクールカウンセラー配置関連予算は、94億5000万円。今年度から36億4300万円減ったが、人件費が高い臨床心理士にこだわらず、元教諭など幅広い人材を配置するため、スクールカウンセラーが配置される小学校数を、現在の1万校からさらに2000校増やす。 文化芸術活動の支援についての関連予算は7億円減の約55億円。独立行政法人「日本芸術文化振興会」を通じ、毎年約1億円の補助を受けていた群馬交響楽団は今年度、事業仕分けの影響で補助金が約8800万円に減らされており、来年度も引き続き厳しい運営を強いられそうだ。