関連事業の進捗状況などを伝える記事

◆2011年6月9日 読売新聞群馬版より転載
 http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/gunma/news/20110609-OYT8T00238.htm

 -用地補償費25億増70億 今年度事業費半分近く生活再建加速狙い―

 今年度の八ッ場ダム(長野原町)建設事業費を巡り、国土交通省が用地補償費に、前年度より約25億円増の70億2000万円を配分したことが8日、わかった。今年度事業費152億8400万円の半分近くを割き、代替地への移転など地元住民の生活再建を加速させるのが狙い。県が同日、県議会八ッ場ダム対策特別委員会に報告した。

 県によると、県道付け替えや代替地整備など補償工事費は、前年度より約22億円減の61億7400万円。国交省八ッ場ダム工事事務所は、今回の配分について「ダム事業は(建設の是非を判断する)検証中だが、生活再建は遅らせられない。補償工事は継続事業が多いため事業費は減ったが、着実に進めたい」としている。

 また、同委員会では今年3月末時点の事業の進捗(しんちょく)状況も報告された。総事業費4600億円のうち3558億円が投じられ、事業費ベースの進捗率は、前年同期比3・4ポイント増の77・4%。来年3月末には80・7%に達する見込みという。

 用地は、予定の456ヘクタールのうち396ヘクタールを取得し、進捗率は2・3ポイント増の86・9%。移転補償契約を終えたのは、470世帯のうち431世帯で、進捗率は同1・7ポイント増の91・7%となった。代替地への移転は58世帯で22世帯増えた。

 国・県道の付け替え工事の進捗率は8・6ポイント増の93・6%で、JR吾妻線の付け替え工事の進捗率は2・7ポイント増の90・2%。ともに90%台に乗ったが、用地買収が難航している区間があり、本来は昨年度中に完了する予定だったJR吾妻線の付け替え工事は、見通しが立っていない。

 また、東日本大震災の影響で温泉地が打撃を受けたことから、県は同委員会で、7月から始まる「群馬デスティネーションキャンペーン」に合わせて、水没予定地の川原湯温泉で実施している宿泊費助成事業を強化する方針を明らかにした。県は、八ッ場ダム関連工事を見学する目的で宿泊する団体客(4人以上)に対し、平日限定で1人当たり3000円を助成しているが、土日祝日にも広げる方向で調整しているという。

日本学術会議 八ッ場ダム建設の根拠となっている利根川水系の基本高水(最大流量)の再計算を巡り、国土交通省の計算方法を検証している日本学術会議の河川流出モデル・基本高水評価検討等分科会は8日、カスリーン台風並みの大雨が降った際の基準点(伊勢崎市八斗島)の基本高水について、従来の毎秒2万2000トンと大差ない値を出した国交省の新たな計算手法を妥当とする内容で回答骨子案をまとめた。

 河川工学などの専門家が集まる同分科会では、国交省の計算モデルについて、上流総雨量と実際に河川に流れ込む水量の関係が正しく反映されるかなど、様々な観点で分析。分科会委員長の小池俊雄・東大教授は会合後、「大きな誤りがあるとは思えない」と語った。