東郷ダム、本体着手40年たっても貯水できず

 北海道の農水省ダム「東郷ダム」は、ダム本体着工から約40年経過してもいまだに漏水のために貯水できず、会計検査院からようやく計画の見直しを求められたとのニュースをお伝えします。ダムの漏水問題では、熊本県の農水省ダム「大蘇ダム」も有名です。

◆2011年9月22日 北海道新聞 
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/politics/320283.html

 -ダム、343億投入も貯水できず 検査院、見直し求める―

 総額約343億円の国費を投じた東郷ダム(北海道富良野市)と関連事業が、着手から約40年経過してもダムの漏水が直せず、いまだに貯水できないのは問題だとして、会計検査院は22日、農林水産省に計画見直しを求めた。

 東郷ダムは1972年度から北海道開発局が実施している国のかんがい事業の一環で、77年度にダム本体が着工した。

 検査院によると、当初の総事業費は約80億円。93年3月に本体工事を終えてダムに水をためた際、想定を上回る漏水が見つかった。対策工事をしても収まらず、農水省は3回にわたり事業計画を変更した。

◆2011年9月22日 朝日新聞 
http://www.asahi.com/national/jiji/JJT201109220092.html

 -東郷ダム「事業評価」を=水漏れで使えず-343億円支出済み・検査院ー

 水漏れで利用できない農林水産省所管の「東郷ダム」(北海道富良野市)を中心とした土地改良事業について、会計検査院は22日、「費用対効果分析を含む事後評価が必要」とした上で、水源確保の方法をダムに限定せず、可能な限り経済的で効果的な方法を選定することを農水省に求め、衆参両院議長と野田佳彦首相に報告した。

 検査院や農水省によると、東郷ダムは、1973年に始まった土地改良事業に基づき、富良野市西達布つつじに建設中の農業用ダム。93年3月までに本体工事を終えたが、水をためる試験で堤の土台付近から水が漏れ、現在も使えない状態が続いている。

 当初63億5000万円だった事業費は379億円に膨らみ、2010年3月までに343億円が支出された。うち198億円余りがダム建設に充てられたが、水漏れの改修工事費だけで、さらに128億円、測量費などを含めると計154億円が必要とされる。

 検査院は「改修費は(取り壊して建設し直す)再築造の工事費142億円に匹敵する上、改修の方が工期が長い」と指摘。「改修については、それ以外の水源確保の方法と比較した上での慎重な判断が求められる」とした。[時事通信社]

◆2011年9月23日 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110923-OYT1T00208.htm

 -343億円の水漏れダム、検査院「検証を」指摘ー

 事業着手から38年経過した今も貯水が出来ない北海道富良野市の農業用ダム「東郷ダム」について、会計検査院は22日、事業を所管する農林水産省に対し、費用対効果の検証などの事業評価を速やかに行うと共に、ダム改修だけでなく、様々な方法で農業用水を確保する手段を検討するべきだとの意見を示した。

 東郷ダムは、富良野市などの農地にかんがい用水を安定供給する土地改良事業で建設。国土交通省北海道開発局によると、1977年に開始したダムの本体工事は、工事費約68億円を投じて93年に終了したが、翌年に水漏れが判明。止水対策工事を行ったが、97年には再び水漏れが見つかった。同局は「基礎岩盤に複雑な亀裂がある」と推定しているが、詳しい原因は不明。

 農水省は、2009年12月に全国の農業ダムの点検結果を公表。この中で東郷ダムについて、ダムの改修や、改修以外の方法での水源確保についての検討を行うとしていたが、検査院が改修以外の方法について説明を求めたところ、具体的な方法は決まっていなかった。事業の事後評価についても02年4月の政策評価法施行後、行っていなかった。

 事業は全体で09年度までに約343億円が投じられており、ダムの改修工事を行う場合、さらに約150億円の費用が必要になるという。このため同院は「ダム以外の水源確保の方法と比較した上での慎重な判断が求められる」と指摘した。

(写真)貯水できない状態が続く東郷ダム=国交省北海道開発局提供

◆2011年9月24日 BLOGOS
http://news.livedoor.com/article/detail/5886014/

 -検査院を検査せよ 東郷ダムの内情ー

 総額約343億円の国費を投じた東郷ダム(北海道富良野市)と関連事業が、着手から約40年経過してもダムの漏水が直せず、いまだに貯水できないのは問題だとして、会計検査院は2011年9月22日、農林水産省に計画見直しを求めた。東郷ダムは1972年度から北海道開発局が実施している国のかんがい事業の一環で、77年度にダム本体が着工した。検査院によると、当初の総事業費は約80億円。写真は、水など一滴も無い東郷ダム。

 以上 共同通信からの参照記事 は短いが、このダムは北海道富良野市の空知川支流・西達布川上流に1977年に着工、1993年に工事終了。完成後の試験で漏水が発生し、当初の事業費は63億円がなんと379億円と6倍にもなっているにも関わらず、使用できずに止水工事を考えているそうだ。この事業主体は国土交通省北海道開発局の旭川開発建設部で、稼動していない2007年の入札記録には「東郷ダム外電気通信施設点検」とあり、契約金額は79.4%の落札率で246万円と、まだ使用できていない施設にも税金は使われている。

 他の入札を見ていると、「トナー外11点…330万円」「ガソリン外…1236万円」「スタッドレスタイヤ外購入…176万円」などなど。参照記事

 着手から40年、行政のあいまいな対応は、今でも全く生産性の無い、無意味な経費ばかりが投入され、これに開発局の人件費や出張費を加算すれば膨大な無駄を引きずっていることになる。一体、会計検査院とは何のために有るのか?対費用効果を考えれば、早急な対応を関係部署に打診できないのか?判断すべき部署がどこにあるにせよ、人間がこういうことに携わる意味は、人間しか出来ない判断や予想や決断を求めているからだ。それが出来ないなら、無責任な無能な集団でしかない。結局、役人が役人の仕事は検査できず、それでもするなら検査院を検査する部署が必要ということか。

 ここに国会での第7号平成22年4月26日の質疑記録がある

○金子恵美君 「、、、それから北海道の東郷ダムの二か所におきましては、先ほど大臣からもありましたけれども、水漏れなどの技術的な問題が確認されたところでございます。水漏れなどの技術的問題があるダムの改修はもう急がなければいけない、そういうところでございますが、今後の改修予定と費用についてお伺いさせていただきたい
と思います。、、」

○国務大臣(赤松広隆君)「、、大分県、ちょうど阿蘇のところにあります大蘇ダム、それから北海道の富良野のところにあります東郷ダム、この二つが象徴的でありますけれども、ともに水がたまらない、あるいは東郷ダムについては、予定水量いっぱいにしたら崩れてしまうのでいっぱいにできないというような実態がございますので、一番いいのは、それを全部造り替えちゃうのが一番いいんですが、例えば大蘇ダムなんか造り替えたら四百億、五百億掛かる、とても今の財政状況の中で、欠陥があるからまた新しくやり直すんだと、四百億、五百億掛けてもいいんだということは国民的な理解が得られないというふうに思っておりますので、必要最小限の手当てをきちっとしていくと。、、」

○副大臣(郡司彰君)「、、したがいまして、大きな方針としては、先ほど大臣が示されたように、今後こうしたダムの建設は行わないということをまず決めさせていただきました。、、」

 40年の間に農業環境は大きく変わり、すでに無用になったダムの質疑がこれだ。結局まだ何もしていない。聞くほうも答えるほうも、数十年前に起きた事を今、こんな穏やかにやり取りしているのだ。副大臣はこうも言っている「しかし、いかんせん、私どもの政権以前のことがすべてでございますので、これからこのようなことがないようにということは肝に銘じて行っていかなければいけないというふうに思っております、、」、、、これではオチの無い落語を聴いているようなものだ。

◆2011年10月3日 日経BPネット
http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/const/news/20110929/553036/

 ー20年たっても貯水できない東郷ダム、さらに154億円が必要ー

 1993年度から試験たん水を始めた北海道富良野市の東郷ダムで、想定を大きく上回る漏水が発生。いまだに貯水できない状態が続いている。同ダムの完成の遅れで事業期間が長期化している二つの土地改良事業について、会計検査院は速やかに事後評価して結果を両事業に反映するよう9月22日、農林水産大臣に求めた。

 東郷ダムは、灌漑(かんがい)用水の供給を目的に1977年度から建設を始めたロックフィルダム。堤高は47.5mで、堤頂長は422.0m。有効貯水量は430万m3に及ぶ。同ダムの建設を含む「国営東郷土地改良事業」は農林水産大臣が事業計画を制定し、72年度から国土交通省北海道開発局(当時は総理府北海道開発庁北海道開発局)が実施している。

(地図)東郷ダムと関連する2事業の受益地(資料:会計検査院)

 堤体の構築を終え、1993年度から試験たん水を始めた。ところが、想定を大幅に上回る漏水が発生したことから、94年度に試験たん水をいったん中止。漏水の経路と判断した堤体左岸の基礎岩盤に対策工事を施し、97年度から2回目の試験たん水を始めたが、再び漏水が発生して98年度に試験たん水を中止した。

 その後、北海道開発局は堤体全体にわたる改修が必要と判断し、堤体内に地下連続壁工法で遮水壁を築く改修方法を選定。工事に必要な事業費を60億円、工期を5年間とした。この方法を基に農林水産大臣が事業計画を制定し、農林水産省が2003年度から始めた「国営ふらの土地改良事業」でダムを改修することにした。

 ところが、地下連続壁工法で試験施工したところ、事業費が当初計画の約4倍に当たる250億円に増加し、工期も14年間に延びることが判明した。事業に着手してから約38年が経過したものの、東郷ダムの改修方法はまだ決まっていない。

 改修するより造り直す方が工期が短く

 いまは、堤体の上流側の表層部に厚さ35cmのアスファルトを敷設して遮水壁を設ける工法などを検討している。この改修工法の場合、北海道開発局では工事費は128億円、工期は9年間と見込んでいる。一方、堤体を撤去してダムを造り直した場合の工事費は、142億円。工期はアスファルトを敷設する工法に比べて1年、短くなる。

 会計検査院は、アスファルトを敷設する工法で改修した場合、調査や測量などの費用も含めると新たに154億円の事業費がかかることを指摘。慎重な判断が必要だとして、東郷ダムを改修せずに水源を確保する方法についても、事業計画を制定した農林水産省に説明を求めた。

 会計検査院によれば、水源確保の検討などは行っているものの、具体的な方法は決まっていなかったという。東郷ダムの一部改修によって不足する水量をほかの水源から確保する方法や、東郷ダムを改修せずに水源を確保する方法など、別の水源確保の方法について尋ねたが、可能性などを確認するには至らなかった。

 「国営東郷土地改良事業」は事業の着手から約38年が経過。「国営ふらの土地改良事業」と合わせて、両事業には2009年度までに343億円が支出されている。政策評価法などで義務付けられている時期に至っていないものの、会計検査院は速やかに両事業を事後評価し、その結果を適切に反映させるよう求めた。