パブコメ対象の八ッ場ダム検証結果案についての主な論点

 国土交通省関東地方整備局が発表した八ッ場ダムの検証結果案についてパブコメが実施されています。↓
http://www.ktr.mlit.go.jp/river/shihon/river_shihon00000183.html

 同局のサイトを開いてみても、上記ページはなかなかみつかりませんので、どこにあるのかという質問が絶えません。
 
 6~8日には意見聴取が行われることとなっています。パブコメも意見聴取も関東地方整備局による八ッ場ダムの検証結果案を対象としたものです。 この検証結果案についての主な論点をわかりやすく整理した記事が載っていましたので、ご参考までに転載します。

◆2011年11月1日 毎日新聞群馬版

 -八ッ場ダム建設:国交省報告書素案、反対派との溝深く 推進派は歓迎ー
http://mainichi.jp/area/gunma/news/20111101ddlk10010219000c.html

 ー八ッ場ダム建設:国交省報告書素案、反対派との溝深く 推進派は歓迎 /群馬ー

 八ッ場ダム(長野原町)の建設の是非を検証していた国土交通省関東地方整備局は「ダム建設がもっとも有利」とする報告書素案をまとめたが、ダム反対派は「科学性・客観性が欠如している」として検証のやり直しを求めている。1年かけた検証作業が反対派を納得させる内容になっておらず、建設推進派との溝は埋まっていないのが現状だ。素案に対する意見提出期間は4日まで。治水、利水、費用対効果の3点について素案の内容を改めて整理した。【奥山はるな】

 ◇治水
 同整備局は今後20~30年で、利根川の洪水に対応可能な目標流量(伊勢崎市八斗島地点)を毎秒1万7000立方メートルに設定。このうちダムや河道掘削、遊水池などの整備で同3000立方メートル分の調節を目指している。

 八ッ場ダム単体の効果量は同100~1820立方メートル。藤原ダムなどの既設6ダムなどと合わせると、同2840~5540立方メートルカバーでき、おおむね目標を達成できるとしている。効果量に幅があるのは、洪水の状況に左右されるため。また検証作業では堤防整備や河道掘削、遊水池などの代替4案も検討したが、八ッ場ダムの残事業費700億円に対し、代替4案は1700億~2000億円かかる。

 このため建設推進派は「ダムの優位性が証明された」と主張するが、京都大学の今本博健名誉教授(河川工学)は「残事業費で比較すれば、八ッ場ダムが有利になるのは当たり前で、ダムありきの検証だ。ダムは洪水によって効果量の差が大きく非効率的。ダムより堤防整備の方が確実に治水できる」と指摘する。

 ◇利水
 利水に参画しているのは1都4県など。同整備局は検証にあたり、各都県が必要としている水の量を確認後、ダム案と代替4案を比較した。新規利水分のコスト面では、八ッ場ダムの残事業費600億円に対し、代替4案は1700億~1兆3000億円かかるとはじいた。

 しかし、ダムに反対する学者らは、水需要の減少傾向が検証作業に反映されていないと主張する。例えば、検証作業で前提としている水需要予測は、東京都の場合、1日最大600万立方メートル。これは03年に立てた10年後(13年)の予測だが、09年度は同495万立方メートルにすぎず、需要は予測通りに伸びていないのが実態だ。

 反対派の指摘に、都水道局は「異常気象が地球規模で生じており、水源の確保は必要だ」と反論している。

 ◇費用対効果
 検証では、八ッ場ダムの費用対効果(ダムで防げる洪水被害額を治水にかかる事業費で割った値)も見直され、09年2月の事業評価では「3・4倍」だったが、今回は「6・3倍」に倍増し、ダムの必要性を後押ししている。八ッ場ダムの場合、ダムで防げる洪水被害額は09年2月に1兆589億円とされていたが、今回の検証で「下流の堤防などが未整備である現状を考慮」(同整備局)し、2兆2163億円に見直されたため。

 一方、八ッ場ダムは総事業費が全国トップになっている。86年の当初計画で2110億円だったが、01~08年の3回の計画変更で4600億円に増額し、宮ケ瀬ダム(神奈川県)の3993億円を抜いた。さらに今回の検証に伴い約180億円増額される見通しで、負担増になりかねない関係自治体からは「追加負担はできない」との声が上がっている。