八ッ場ダム検証のやり直し求める科学者声明、大臣らに提出

 さる10月26日、国交省関東地方整備局による八ッ場ダムの検証について、科学者らが抜本的なやり直しを求める声明を公表しましたが、このほど声明文が野田総理大臣、前田国交大臣に提出され、同日、科学者らは宿利国交事務次官と約30分面談しました。
 声明文についてはこちらに掲載しています。11月3日現在、呼びかけ人11名、賛同人69名、合わせて80名となりました。
 https://yamba-net.org/wp/38865/

◆2011年11月1日 テレビ朝日
http://news.tv-asahi.co.jp/news/web/html/211101051.html

 -国交省に専門家が声明文 八ッ場ダムの再検証求めー

 群馬県の八ッ場ダム建設をめぐり、専門家らのグループが検証の抜本的なやり直しを求め、国土交通省に声明文を提出しました。

 八ッ場ダムをめぐっては、国土交通省関東地方整備局が9月、堤防の設置や川底を掘り下げるなどの代替の案よりもダムを建設する費用のほうが安く済むという試算を出しました。

 これを受けて、河川工学の専門家らのグループは、東日本大震災のような巨大地震にダム自体が耐えられるのか議論していないなど、「予断なき検証」にはほど遠いとして、検証の抜本的なやり直しを求める声明文を国交省に提出しました。

 グループは、第三者機関を設置したうえでの公正な検証を求めています。一方、国交省は「大臣の考えに沿って対応する」としています。

◆毎日新聞 2011年11月2日
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20111102k0000m040096000c.html

 -八ッ場ダム:建設再検証を求め声明を提出 研究者らー

 八ッ場(やんば)ダム(群馬県)の建設問題で、代替案と比べダム案が有利とした国土交通省関東地方整備局の検証結果は「科学性や客観性に欠ける」として検証のやり直しを求める声明を、京都大の今本博健名誉教授らが1日、国交省に提出した。

 声明は今本名誉教授らが10月26日に発表。研究者79人が名を連ねた。整備局の検証が水需要の減少を無視しており、浅間山の噴火や東日本大震災級の地震があった場合のダム本体の安全性に疑問があるなどと指摘した上で、第三者機関を設置して再検証するよう求めている。

 受け取った宿利正史国交事務次官は「担当局に検討させる」と述べたという。

 省内で会見した今本名誉教授は「意見の異なる研究者が議論し、後世に恥じない検討をすべきだ」と述べた。前田武志国交相は、建設の是非について年内に最終判断する方針。

◆2011年11月2日 東京新聞 特報部

 -八ッ場ダム 第三者機関を 国交省に声明文提出 学者グループ79人が警鐘ー

 「八ッ場ダム(群馬県)の建設が代替案よりも有利」とした国土交通省関東地方整備局の検証結果をめぐり、有志の学者グループが一日、「予断なき検証を」と検証の抜本的なやり直しを求める声明文を同省などに提出した。(小倉貞俊)

 グループにはさまざまな学問分野から七十九人が参加。この日は今本博健・京都大名誉教授らグループの呼び掛け人五人が代表して同省を訪問した。
 同省の宿利正史事務次官との面会で、今本氏は「国交省はいつの間にか技術者の魂を失ったのではないか。きちんとした議論をしてほしい」と訴えた。
 声明文は同整備局の検証結果を「科学性、客観性が欠如している」と批判。理由として、水需要の減少傾向を無視した「利水」、ダムの洪水調節効果を過大評価した「治水」、浅間山の噴火や巨大地震が起きた場合の安全性に答えていない「災害対策」の三点に問題があると指摘。
 省外に第三者機関を設置し、従来の河川行政に批判的な専門家も加えた公開の場での検証を要請している。
 会見した今本氏らによると、宿利事務次官は「大臣と政務三役に伝えて検討したい。(声明の内容は)これまでの検討過程の中でなされるべきことだった」などと答えるにとどまったという。
 八ッ場ダム建設については、同整備局が現在、パブリックコメントを募集しており、その検討などを経て、対応法新案を国交省に報告。前田武志国交相が同省の有識者会議の結果を踏まえて、年内にも最終判断を下す見通しだ。
 今本氏は「国交省側は丁寧に応対してくれたが、どこまで取り組んでくれるのかは未知数」と懸念。「整備局の検証結果は多くの学者から見て、不安が大きい。後世に恥じないためにもごまかしをやめ、公正な検証をするべきだ」と、あらためて警鐘を鳴らした。

◆2011年11月2日朝日新聞群馬版 
http://mytown.asahi.com/gunma/news.php?k_id=10000581111020001

 -再検証やり直しを要求 学者グループー

(写真)学者たちと会談する国交省の宿利正史事務次官=東京・霞が関

 八ツ場ダム再検証のやり直しを求めている学者グループが1日、国土交通省を訪れ、宿利正史事務次官に声明文を手渡した。

呼びかけ人の川村晃生・慶大教授(環境人文学)によると、事務次官は「大臣ら政務三役に伝える」と答えたが、どう生かしていくかの具体的言及はなかったという。

 声明文は、今本博健・京大名誉教授(河川工学)ら各分野の学者11人が呼びかけ人となり、1日現在で全国の学者68人も賛同人になっている。

ダムを推進してきた国交省関東地方整備局の再検証は「科学性・客観性が欠如している」と主張。従来の河川行政に批判的な専門家も加え、公開の場で再検証をやり直すよう求めている。

 この日の会談は、冒頭部分以外は非公開だった。

 会見した川村教授は「事務次官は『声明の内容は、これまでの検証過程ですべきこと』と述べたが、終始、聞き役だった」、今本名誉教授は「八ツ場の行方は全国が注目しており、今の再検証のやり方では将来に禍根を残す」と話した。

◆2011年11月2日 読売新聞群馬版

 -八ッ場検証やり直しを 学者有志、国交省に求めるー

 八ッ場ダム(長野原町)の再検証を巡り、国土交通省関東地方整備局の検証手法に異議を唱える学者有志は1日、国交省の宿利正史事務次官と面会し、検証のやり直しを求める前田国交相宛ての声明文を提出した。また、前田国交相が提唱する東日本大震災を踏まえた追加検証で、ダム反対派の主張も検討に加えるよう要請した。しかし、前田国交相は、震災以外の点では、従来の検証の枠組みを堅持する方針のため、学者側の提案は不発に終わる可能性が高まっている。
 声明文提出には、今本健博・京大名誉教授(河川工学)ら活動の呼びかけ人となった5人が参加した。提出後、記者会見を開き、新たな検証を担当する省内作業チームの責任者を務める宿利事務次官から「(声明文の内容は)これまでの検証過程でするべきこと」と、説明されたと明かした。
 事実上、学者側の提案を拒否する回答で、今本教授は「国交省は技術者としての魂を失っている」と批判。検証の枠組みを作った有識者会議について、「議論を公開せず、ダムによらない治水への政策転換を目指すはずが、(ダムに)偏った議論をしている」と指摘した。