茨城の会総会アピール

2011年12月9日

 八ッ場ダムをストップさせる茨城の会が12月4日に第七回総会を開き、以下の総会アピールを発表しました。

 第7回「八ッ場ダムをストップさせる茨城の会」総会アピール

 東日本大震災、並びに福島原子力発電所事故に被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。私たちは皆様と皆様の故郷が元の姿を取り戻し、明日が見える日まで痛みを分かち合い共に歩んでまいります。

 国の知性のレベルは、その国の政治の在り方から見ることができます
私たちは、国民を弾圧したり、破天荒な外交政策をとったり、独裁者と周辺の利益誘導を図る国を軽んじ、その国の国民に同情してきました。また民主主義が成熟した国では、そのようなことは起こらないとも思ってきました。つまり、私たちの日本は、いろいろ問題はあるにしても、“知性を疑われるような国”ではないと信じてきました。
 3月11日、私たちの思いはこなごなに打ち砕かれました。福島原発の事故は明らかに人災であることが分かったからです。国は、「原子力平和利用」の美名を掲げ、政治家・官僚・業界・学者による“原子力村”をつくり、異なった意見を遠ざけ、莫大な交付金をもって自治体と住民を屈服させてきました。そして、あの事故です。この国の政治は利益集団による利益集団のためのものであり、国民不在、知性の不在を白日のもとに晒らしました。
 私たちは国民のひとりとして、この国のあり方を恥じ、まともな民主主義を取り戻すべく、3.11という文字を深く胸に刻みました。喪に服すように。
 そうした中、八ッ場ダムの検証は進み、「八ッ場ダムは必要か否か」を検証する筈のものが、八ッ場ダムの残事業費と代替案とのコスト比較にすり替えられ、「八ッ場ダムが最善」との検証報告が出されました。検証したのは、八ッ場ダム事業者である関東地方整備局と1都5県。“ダム事業者によるダム事業者のための検証”という恥ずべき行為です。お墨付きを与えたのは、「今後の治水対策に関する有識者会議」「日本学術会議」という学者集団でした。国の約束した「予断なき検証」「科学的・客観的検証」は、紙くずのように捨て去られました。原子力村と同じ顔をした“河川村”の白昼堂々の蛮行です。
 私たちは「八ッ場ダム問題は、この国の歪んだ政策決定・合意形成のあり方の凝縮である」と指摘してきました。八ッ場ダム中止の向こうに、この国のあるべき民主主義の姿を描いてきたからです。
 
 私たちは前へ進みます。主権者として八ッ場ダムの再検証を以下のように求めます。
1、 八ッ場ダムの検証は、治水・利水の両面から八ッ場ダムが必要であるか否かを科学的・客観的に検証すべきです。
2、 八ッ場ダム検証の場は、ダム推進・ダム反対の学者・専門家、そして流域住民を加えて公開の場で議論を尽くすべきです。

 河川村の政治家のみなさん、官僚のみなさん、産業界のみなさん、学者のみなさん
 この国は公正でしょうか。良心がありますか。知性はありますか。

 私たちは誇りある日本人でありたい。

 2011年12月4日
 八ッ場ダムをストップさせる茨城の会