八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

八ッ場ダム抗議集会のニュース

 昨日、東京で開かれた八ッ場ダム抗議集会の記事を転載します。
 朝日新聞の記事には、ダム予定地域における地域振興施設の情報も盛り込まれています。
 上毛新聞の記事タイトル「八ッ場ダムの検証改善を要求」は集会の趣旨からかなりずれているようです。

◆2012年2月24日 朝日新聞群馬版
http://mytown.asahi.com/gunma/news.php?k_id=10000581202240001

 -建設再開に抗議集会 180人参加ー

 「八ツ場ダム建設再開は許さない」と題した集会が23日、東京・永田町の衆議院第一議員会館であった。公共工事見直しを掲げる全国9団体が主催。メンバーや学者ら約180人が参加した。

 八ツ場ダムは新年度予算案に本体工事関連費が計上されたが、執行は利根川水系の河川整備計画と住民の生活再建法案を盛り込んだ官房長官裁定が条件とされる。ただ、開会中の本会議で野田佳彦首相は「裁定を踏まえて国土交通相が判断する」とあいまいな答弁を繰り返す。

 主催団体の多くは1月に同趣旨の集会を開いており、第2弾と位置づけた今回は全国108団体が賛同。「再開反対」の主張を強めている。

 水問題研究家の嶋津暉之さんは「人口減や節水技術で水需要は減った」とし、「厳格に裁定を満たすよう求めていけば必然的にダム見直しにつながる」と主張した。八ツ場あしたの会事務局長の渡辺洋子さんも「地元住民は裏切られ続けてきた。本当の生活再建とは何かを考えて行動すべきだ」と訴えた。

 民主党政権は大型公共事業復活の連続。全国の住民団体メンバーらも現状報告し、八ツ場との「連帯」を訴えた。

 長崎県の諫早湾干拓事業で開門調査を求めてきた堀良一弁護士は「諫早湾が全面開門すれば、問題ある公共事業は見直すという実績になる。八ツ場とつながった闘いだ」。国の事業見直しの対象になり、建設是非の検討が続く石木ダム(長崎県)の問題に取り組む岩下和雄さんは「たとえ事業の継続が決まっても、私たちも建設反対の気持ちは変えない」と話した。

 集会では最後に、八ツ場ダム本体工事の予算削除や事業検証の方法を抜本的見直しなどを求める宣言を採択した。(遠藤隆史)

 八ツ場ダムの地元の住民代表でつくる水没関係5地区連合対策委員会の役員会が23日夜、長野原町の国土交通省の施設であった。国、県、町の担当者が、ダム完成後の地域振興施設について進み具合を報告。状況の差が明らかになった。

 報告によると、ほぼ順調なのは川原畑地区の滞在型農園、林地区の道の駅、長野原地区のJR長野原草津口駅周辺開発。同駅は今年4月に改築に着工し、10月には駅前広場の整備を進め、新駅舎は13年夏に完了との時期が示された。

 一方、川原湯地区は商業施設の場所が未定であるほか、水没するJR川原湯温泉駅も移転地に未買収の土地が残る。国交省の地元幹部は「相手があることなので」と歯切れが悪かった。

 横壁地区は屋根付き運動場や足湯といった候補が挙がっているが、絞り切れていないという。

 八ツ場は、国がダム予定地の高台に移転先をつくる「現地再建方式」を採用。水没5地区には6都県が出資した基金などを活用した地域振興施設が整備される。(泉野尚彦)

◆2012年2月24日 東京新聞群馬版
http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/20120224/CK2012022402000075.html

 -建設再開に抗議集会 八ッ場ダム 衆院議員会館に180人ー

 八ッ場(やんば)ダム(長野原町)の建設再開に抗議する集会が二十三日、衆議院第一議員会館で開かれ、約百八十人が参加した。ダム、原子力発電所、高速道路、干拓などの大型公共事業をテーマに発表があった。全国百八団体が賛同した。

 八ッ場あしたの会の渡辺洋子さん(前橋市)は「河川ムラにむしばまれてきたダム予定地」と題して、八ッ場ダム事業に翻弄(ほんろう)されてきた長野原町の歴史を振り返った。

 渡辺さんは、同町を含む選挙区(旧衆院群馬3区)が輩出した三人の首相が同ダム事業に果たした役割を解説。三人とも建設推進の主な理由は「治水や利水とは関係なく地域の総合開発だった」と指摘した。

 このほか、原子力安全・保安院のストレステスト意見聴取会の委員の井野博満・東大名誉教授や諫早湾干拓・開門問題に取り組む弁護団などが報告した。 (伊藤弘喜)

◆2012年2月24日 上毛新聞

 -八ッ場ダムの検証改善を要求 国会内で抗議集会ー

 八ッ場ダム(長野原町)の建設再開決定を受け、ダム建設に反対する市民団体の抗議集会が23日、国会内で開かれた。大型公共事業の予算削減や、事業検証の抜本的な改善などを求める緊急抗議宣言を採択した。
 集会には150人以上が参加。東京大名誉教授の井野博満氏が「原発再稼動をめぐる動きと原子力ムラ癒着の絆」と題して基調講演したほか、八ッ場ダムの建設再開阻止を訴える報告が行われるなどした。

—転載終わり—

 昨日の集会で採択されたアピール文
 https://yamba-net.org/wp/modules/news/index.php?page=article&storyid=1578

 集会のお知らせ
 https://yamba-net.org/wp/modules/news/index.php?page=article&storyid=1559