ダム中止地域の振興法案、閣議決定

 ダム中止地域の振興法案が本日、閣議決定されました。
 この法案は、八ッ場ダムの中止と共に制定することを目的に、「八ッ場ダム等の地元住民の生活再建を考える議員連盟が」が昨年9月に公表した試案をもとに国交省が準備しました。しかし、当会などの意見が盛り込まれた議連の試案とは異なる部分が数多く見られます。
 長年のダム計画に翻弄されたダム予定地では、住民の生活が破壊され、地域が衰退してきたにも関わらず、行政圧迫により地域の自立が阻害され、ダム事業に依存せざるをえない状況がつくられてきました。法案の本来の目的は、地域がダム事業を中止した後、再生するのを後押しし、地域住民の生活再建を支援することでしたが、タイトルにもあるように「地域振興」が前面に出された今回の法案は、八ッ場ダム再開の条件として国交省が国会提出を急いできた経緯があり、本当に地元住民の生活再建に資するものとなるか、疑問視する声があります。
 また、この法案は川辺川ダムの中止をモデルとしていますが、国交省は今も川辺川ダムを中止するためには治水代替案ができなければならないとしており、他の多くのダム事業は八ッ場ダム同様、止まる見通しが立っていません。この法案では、特措法の適用は当該ダムを必要としない河川整備計画が策定されるか、または、そのダムの基本計画が廃止されることが条件とされていますが、そのハードルをクリアするのは容易なことではありません。役所の論理がまかり通る状況では、ダム行政の見直しは遅々として進みません。

 生活再建支援法案の国会提出は、八ッ場ダム本体工事予算執行の二つの条件のうちの一つとされてきました。法案の国会提出が決まったことで、残る利根川の河川整備計画の策定がクローズアップされることになります。

◆2012年3月13日 日本経済新聞
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C93819481E3E1E2E2908DE3E1E2E1E0E2E3E09790E3E2E2E2

 -ダム中止地域の生活再建法案を閣議決定ー

 政府は13日の閣議で、国が直轄ダムの建設を中止した場合に地域住民の生活再建を進める「ダム事業廃止特定地域振興特別措置法案」を決定した。

 ダム事業が中止になった自治体が振興計画をつくり、国が補助金を支払う。この法案の提出で、昨年末に八ツ場ダム建設再開の条件として藤村修官房長官が示した2条件のうち、1つが満たされたことになる。

 もう1つの条件である利根川の河川整備計画の策定について、前田武志国土交通相は「意見を異にする専門家にも加わってもらう検討の枠組みはほぼ固まった。(その枠組みの)成果を待つ」と述べた。

◆2012年3月13日 NHK
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120313/t10013676143000.html

 -ダム廃止生活再建法 閣議決定ー

 政府は国のダム建設事業が中止になった場合、建設予定地の住民の生活再建や地域振興を支援するための法案を13日、閣議決定しました。

 この法案は、国が進めるダムの建設事業が中止になった場合、建設予定地やその周辺を「特定地域」に指定し、住民の生活再建や地域振興を支援するものです。

 具体的には、都道府県が「特定地域」の振興計画を策定し、これに沿って公民館や農業体験施設などの施設を整備する際に国が事業費の一部を補助するとしています。

 また、事業が中止されたダムの建設予定地について、国がそれまでの負担に応じて都道府県に無償で提供することや、土地を所有していた人が買い戻しを希望した場合には、優先的に売却することなどが盛り込まれています。

 この法案は、去年、群馬県の八ッ場ダムについて建設継続の是非が検討された際に、藤村官房長官が国土交通省に国会提出を指示していたもので、政府はこの法案の早期の成立を目指したいとしています。

◆2012年3月13日 TBS 
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4976470.html

 -八ツ場ダム建設「条件の一つをクリア」ー

 国が行うダム事業が廃止された際に、地域住民の生活再建を支援する特別措置法案が閣議決定されました。

 前田国土交通大臣は記者会見で、ダム事業廃止特定地域振興特別措置法案が閣議決定されたのを受け、群馬県の八ツ場ダムの建設再開に向けて、政府と民主党が合意した条件の一つをクリアしたという認識を示しました。

 この法案は、八ツ場ダム建設に反対する民主党内の一部の議員が、ダム建設が中止された場合は地域住民の生活再建を支える法律を策定するよう求めていたものです。

 もう一つの条件である利根川水系の河川整備計画の策定について、前田大臣は有識者会議に「意見を異にする専門家を入れるべきだ」という党内の声を考慮して人選を行い、本格的な議論に入る考えを示しました。

◆2012年3月13日 時事通信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120313-00000019-jij-pol

 -ダム中止後の生活再建支援=特措法案を閣議決定ー

政府は13日、ダム事業が中止された建設予定地域の生活再建を支援する特別措置法案を閣議決定した。ダム中止後も、道路の付け替えなど生活に必要な事業は継続し、国が財政支援することなどが柱。

特措法案は、国や水資源機構が建設するダムの中止が決まった場合、建設予定地やその周辺を「特定地域」に指定。都道府県は特定地域の振興計画を作成し、国は計画に基づく事業に財政支援するほか、国が買収した用地を都道府県に無償譲渡する。

◆2012年3月13日 京都新聞
http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20120313000036

 -ダム中止地域を再建支援 特措法案が閣議決定ー

 政府は13日、国直轄ダム事業などを中止した場合に地域住民の生活再建を支援する「ダム事業廃止特定地域振興特別措置法案」を閣議決定した。

 ダム中止地域の共通の基本方針を国土交通相が作成。都道府県は「特定地域」の指定を受け、市町村などと協議してまとめる振興計画に基づき、水没予定だった道路の付け替え工事や、農業施設の整備などを図る。

 国はこれらに対し、社会資本整備総合交付金を活用して財政支援。買収済み用地は自治体に無償提供するほか、買い戻しを希望する元の所有者には優先的に売却する。

 適用対象は、事業見直しで中止されるダムと、川辺川ダム(熊本県)の予定地。(共同通信)

◆2012年3月13日 産経新聞
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120313/plc12031315070014-n1.htm

 -ダム建設中止なら地域生活を支援 特措法を閣議決定ー

 政府は13日、国直轄ダム事業などを中止した場合に地域住民の生活再建を支援する「ダム事業廃止特定地域振興特別措置法案」を閣議決定した。

 特措法案では、国土交通相がダム建設予定地やその周辺を「特定地域」に指定。これに基づき、地元自治体などが産業振興策や地滑り防止などの振興計画をまとめる。国は、社会資本整備総合交付金で財政支援を行うほか、国が買収した用地を都道府県に無償譲渡する。

 特措法は昨年12月に政府・民主党が八ツ場ダム(群馬県長野原町)の建設再開を決定した際に、その条件の一つとしていた。前田武志国交相は同日の閣議後会見で、もう一つの条件である利根川水系の河川整備計画策定について、「(有識者会議に)意見を異にする専門家を入れる」などと述べ、本格的な議論に入る方針を示した。