八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

自民、公明、みんなの党の群馬県議ら、八ッ場ダム推進議連を継続

◆2012年6月6日

 2009年の政権交代後、民主党政権の八ッ場ダム中止方針に危機感を抱いた自民、公明、みんなの党などの群馬県会議員らは、群馬県議会に八ッ場ダム対策特別委員会を設置し、八ッ場ダムの継続を訴えてきました。
 昨年の暮れに前田大臣が八ッ場ダムの継続を表明したことから、八ッ場ダム対策特別委員会は所期の目的を達したとして昨年度で廃止されましたが、八ッ場ダム推進議連の活動は継続されることになりました。
 推進議連、群馬県知事らは、羽田新大臣に対しても八ッ場ダムの継続を引き続き訴えていくとのことです。
 八ッ場ダム事業は様々な問題を抱えていますが、八ッ場ダムを推進する知事や議員らは、これらの問題には関心がないようです。推進議連の会長である中村紀雄群馬県議のブログには、次のように書かれています。

 http://kengi-nakamura.txt-nifty.com/diary/2012/06/post-d66e.html
 (2012年6月6日)

 八ツ場ダムは迷走する政権を象徴するように、中止か継続かをめぐって揺れ、やっと前田前国相の下で継続と決まったと思えたら、今度、羽田国交相となった。政権交代後5人目の国交相である。ダムの地元には不安が走っている。「早く落ち着いた生活を送りたい」という声が聞こえる。

 ---転載終わり---
 八ッ場ダムが完成すれば、地元住民は落ち着いた生活を送れる、という考えは、あまりに現実から遊離した楽観論です。八ッ場ダムを長年推進し、地元住民に多大な犠牲を強いてきた自民党群馬県連がそのように考えたい気持ちはわかりますが、地元住民の生活再建に責任を持つと言ってきた自民党県連は、八ッ場ダム予定地の川原湯温泉が存亡の危機にある中、すべての責任を民主党政権に転嫁するばかりです。

◆2012年6月6日 上毛新聞
 -八ッ場ダム本体早期着工を要望 新国交相に知事ー

 八ッ場ダム(長野原町)建設問題に関連し、大沢正明知事は5日、野田再改造内閣で羽田雄一郎国土交通相が就任したことを受け、「本体の早期着工と生活再建の一日も早い完成をお願いに行きたい」と述べ、近く羽田国交相を訪ね、あらためて要望を伝える考えを明らかにした。
 羽田氏は4日の就任会見で、「政府の対応方針は変わっていない」と述べ、前田武志前大臣が決めた建設継続方針と、河川整備計画の策定などを本体工事着工の条件とする官房長官裁定も継承するとしていた。
 一方、自民、公明、みんなの党の県議らでつくる八ッ場ダム推進議員連盟(中村紀雄会長)は5日の総会で、今後も早期の本体着工などを求めていく方針を確認した。

◆2012年6月6日 朝日新聞群馬版
http://mytown.asahi.com/gunma/news.php?k_id=10000581206060001

 -八ツ場ダム推進 議員連盟を継続ー

  自民党県議らでつくる「八ツ場ダム推進議員連盟」は5日の会議で今後も活動を継続していくことを確認した。民主党政権が打ち出した建設中止に対抗する形で県議会に設置された「八ツ場ダム対策特別委員会」は建設再開が決まったことで廃止されたが、県議の間から「ダム本体の工事が完成するまで議連は継続すべきだ」「(ダム建設再開の方針が)いつ変わるか分からない。1都5県で継続的に要望すべきだ」との意見が出された。

◆2012年6月6日 読売新聞群馬版

 -国交相交代でダム議連継続ー

 自民、公明などの県議が所属する県議会の八ッ場ダム推進議員連盟は5日、県議会棟で会合を開き、今後も活動を継続する方針を決めた。ダム本体の再開方針が決まり、県議会の八ッ場ダム対策特別委員会は解散したが、民主党政権で5人目となる羽田国土交通相となり、国の方針が後退しないよう働きかけを続ける必要があると判断した。議連会長の中村紀雄県議は「本体建設が揺るぎないものとなるようにしたい」と話している。