石木ダム裁判 水需要予測の「裏づけない」

 暮れも押し詰まった12月25日、石木ダム事業認定取消訴訟二回目の証人尋問が開かれました。
 地元・長崎テレビではニュース動画を流し、問題の核心を伝えています。
 http://www.ktn.co.jp/news/20171225163308/
 
 佐世保市水道が早期建設を要求している石木ダム。焦点となったのは、事業者である長崎県や佐世保市が同ダムの必要性を主張する際、根拠とする佐世保重工業の使用水量の予測でした。佐世保市水道局水需要予測作成責任者の田中英隆氏は、「裏付けは取っていなかった」「記憶にない」と衝撃的な証言を行いました。
 人口が減少し、水需要が低迷する現在、八ッ場ダムをはじめとして、「都市用水の供給」を建設目的として進められているダム事業の実態は、どれもこの石木ダム事業と同じ構図ですが、ダム予定地住民が強制収用の脅しにもめげず、提訴した石木ダムだからこそ、この証言を行政の責任者から引き出すことができました。

 八ッ場ダムにおいても、関係1都5県の住民らによってこの問題が裁判所で訴えられましたが、地元がダムを受け入れてしまっている八ッ場ダムでは、裁判所が水需要の中身に立ち入らず、2015年、実質的に門前払いの判決で住民敗訴が確定しています。

◆2017年12月25日 テレビ長崎
http://www.ktn.co.jp/news/20171225163308/
ー石木ダム裁判 水需要予測の「裏づけない」ー

 石木ダムの事業認定取り消しを求める裁判が長崎地裁で開かれました。事業認定の根拠の1つでもある佐世保市の水需要予測について、原告の建設反対派は、厳しく質しました。

 石木ダム建設絶対反対同盟 岩下和雄さん「これだけの方が石木ダム反対に参加してもらっていることを、しみじみ力強く思っています」

 裁判は、東彼・川棚町に建設予定の石木ダムをめぐり、反対する地権者らが、土地の強制収用を可能にする事業認定を取り消すよう国に求めているものです。長崎地裁で開かれた口頭弁論では、事業認定の根拠の1つとなった佐世保市の水需要予測を行った当時の責任者の証人尋問が行われました。この中で、焦点となったのがSSK・佐世保重工業が使用する水量の予測です。当時の責任者は、2倍に増えるとの予測を出していますが「裏づけはとっていなかった」と話し、SSK側からの水の要求については「記憶にない」としました。石木ダムをめぐって、県は、裁判と並行し、現地での関連工事を進めています。

 「現場事務所に入ります。立ちふさがらないですくだい」

 地権者やその支援者は、工事の中断と話し合いを求めていますが、県は、深夜に重機を運びこむなど、司法の場だけでなく、建設予定地でも両者の対立は深まっています。建設反対派を支援する「パタゴニア日本支社」の調査では、建設「反対」が、「賛成」を上回り、およそ8割の人が「説明が不十分」とする結果も出ています。ダム建設を進める県や佐世保市には、改めてダムの必要性について具体的な根拠と説明が求められています。

◆2017年12月25日 長崎文化放送
http://www.ncctv.co.jp/news/48273.html
ー石木ダム事業認定取消訴訟証人尋問ー

 県と佐世保市が東彼・川棚町に建設を計画する石木ダム。一昨年、地権者らが国に事業認定の取り消しを求めて起こした訴訟で、佐世保市の水の需要予測の妥当性について市の担当者が証言台に立ちました。11回目となる弁論で、被告側は事業認定された当時の佐世保市水道局事業部長を証人として招き元部長は「佐世保市は水源に乏しく渇水になると市民生活に影響が出る」としてダムの必要性を強調しました。原告側は市が2012年に策定した水需要の予測について、「取水量が安定していないということをデータで示すことができるか」と質問しましたが、証人は「在任が5年前で記憶にない」と述べるに留まりました。裁判は来年1月9日に東京で開かれる被告側の証人に対する尋問を経て、3月20日(火)に結審する予定です。

◆2017年12月26日 毎日新聞長崎版
https://mainichi.jp/articles/20171226/ddl/k42/040/308000c
ー石木ダム訴訟 利水根拠明言避ける 証人尋問ー

 県と佐世保市が川棚町に計画する石木ダム事業で、反対地権者らが国を相手取って事業認定の取り消しを求めた訴訟の証人尋問が25日、長崎地裁(武田瑞佳裁判長)であった。利水面に関して、2012年度に同市が策定した水需要予測の責任者である当時の市水道局事業部長(現・都市整備部長)が証言。しかし、原告側弁護人から分析手法など細かい点を聞かれると「覚えていない」と明言を避ける場面が目立った。

 国側の代理人弁護士は市の水需要予測の根拠などを問い、証人は「国も推奨している指針に基づいている。水道事業者として渇水時にも安定供給できるリスクも見込む必要がある」と正当性を主張した。

 しかし、原告側から工場用の水需要の予測などを問われると「5年前のことなので覚えていない」と連発。さらに、前回(07年度)策定の水需要予測の算出方法は「把握していない」と答えた。原告側弁護人は「それなのに人が住む場所にダムを造ろうとしているのか」と疑問を投げかけた。【浅野孝仁】

—転載終わり—

もっと詳しいやり取りを知りたい方は、石木川まもり隊ブログをご覧になってみてください。
 http://ishikigawa.jp/blog/cat01/3489/