不要な水源開発を推進するための、フルプラン見直しについての国交省の審議

 国土交通省が水資源開発基本計画(フルプラン)の見直しのため、国土審議会・水資源開発分科会を3月6日に開催します。

 国交省の国土審議会は「リスク管理型の水の安定供給に向けた水資源開発基本計画のあり方について」という答申を昨年5月に出しました。

「リスク管理型の水の安定供給に向けた水資源開発基本計画のあり方について」(答申)
 ~需要主導型の水資源開発からリスク管理型の水の安定供給へ~  
 http://www.mlit.go.jp/report/press/water02_hh_000087.html

 八ッ場ダム建設の主目的は「都市用水の開発」と「洪水調節」です。八ッ場ダムのように「都市用水の開発」を目的にもつ事業は「水源開発事業」とも呼ばれます。
 水源開発事業は、水資源開発基本計画(フルプラン)に組み込まれています。
 八ッ場ダム事業が始めてフルプランに組み込まれたのは1976年、水没予定地の住民らが八ッ場ダムに反対し、八ッ場ダム反対期成同盟の委員長だった樋田冨治郎さんがダム予定地を抱える長野原町の町長であった時です。住民はフルプランへの組み入れへの反対を訴え続けましたが、国は住民の声を無視して、八ッ場ダムを組み込んだフルプラン(利根川・荒川水系水資源開発基本計画)を閣議決定しました。国が反対運動を無視して行政手続きを粛々と進めていったことは、住民に反対をあきらめさせ、反対運動を収束させていった要因の一つでした。
 しかし、フルプランの計画とは裏腹に、八ッ場ダムをフルプランに組み込んだ後、水余りが進行し、八ッ場ダムは時代状況に合わない不要な公共事業になってしまいました。

 八ッ場ダムだけではありません。利根川水系の思川開発、霞ケ浦導水事業のほか、全国の他の指定水系でも設楽ダム、川上ダム、天ヶ瀬ダム再開発などの水源開発事業が今も進められていますが、水需要は減少の一途をたどっており、水余りが一層進行していく時代においてこれらの事業は無用のものになっています。

 水資源開発基本計画(フルプラン)はその役割が終わっているのですから、国交省は根拠法である水資源開発促進法とともに、フルプランを廃止し、新規のダム等事業は利水面の必要性がなくなったことを明言すべきです。しかし、国交省はこれらの事業を何としても推進するため、(水需要の面では必要性を言えなくなったので)「リスク管理型の水の安定供給」が必要だという新たな理由をつけて、これらの事業をフルプランに位置付けることを考えました。それが昨年5月の上記の答申です。

 3月6日に開催される水資源開発分科会の会議は、この答申に基づいて、フルプランをどのように変更していくかを検討するものです。
 3月5日12:00までに登録すれば、一般の方も傍聴も可能です。

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国土交通省ホームページより 報道発表資料
「水資源開発基本計画の見直しについて審議を行います」~国土審議会水資源開発分科会の開催~
www.mlit.go.jp/report/press/water02_hh_000095.html

近年、地震等の大規模災害による水供給の停止や水インフラの老朽化に伴う大規模な事故、気候変動の影響による危機的な渇水等、水資源を巡るリスクが顕在化しています。
この状況を踏まえ、昨年5月の国土審議会の答申では、従来の「需要主導型の水資源開発の促進」から「リスク管理型の水の安定供給」へと、水資源開発基本計画を抜本的に見直す必要があることが提言されたことから、審議を行うものです。

  記

1.日 時:平成30年3月6日(火)14:00~16:00

2.場 所:AP新橋虎ノ門 11階 B会議室(東京都港区西新橋1-6-15 NS虎ノ門ビル)

3.委 員:別紙のとおり

4.議 題:(1)水資源開発基本計画 変更の進め方について
      (2)次期水資源開発基本計画策定に当たっての検討事項
      (3)水資源開発基本計画の一部変更(案)  

5.傍聴について:(以下略、上記の国交省サイトをご覧ください。)