<西日本豪雨>広島県の野呂川ダム緊急放流 流入量より多く放流か

 西日本豪雨において、広島県呉市安浦町の野呂川ダム(県営ダム)では、規定に反して流入量より多く放流する操作が行われた可能性があるとの報道が流れています。

 広島県営野呂川ダムの公式ページ
 https://www.pref.hiroshima.lg.jp/soshiki/99/1171427432284.html

 ダム下流の呉市安浦町では多くの住宅が浸水被害を受けました。ダムを管理する広島県は、緊急放流と浸水被害との関係を検証することになり、国交省も広島県とともに検証するため、職員を派遣するとのことです。

 野呂川ダムでどのような運用がされたかをデータで検証するには、情報公開請求でデータを入手しなければなりません。県営ダムの場合、国のダムと異なり、ダム放流量と流入量のデータは一週間程度しかネットで見ることができないからです。

 関連記事を転載します。

◆2018年8月2日 NHK
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180802/k10011561241000.html
ー豪雨時のダム緊急放流 規定量を超えていた 広島 呉ー

先月の豪雨で、広島県呉市安浦町では住宅の浸水被害が相次ぎましたが、上流のダムで緊急放流が行われた際、規定量を超える水が放流されていたことがわかりました。ダムを管理する広島県は、下流の浸水被害との関連性はまだ分かっていないとしながらも詳しい経緯を調べることにしています。

呉市安浦町では、先月の豪雨で、住宅の浸水被害が相次ぎました。

広島県によりますと、地区の上流にある野呂川ダムでは、先月6日の午後11時50分に満水になって決壊するおそれがあるとして緊急放流が行われましたが、その際、規定の量を超える水が放流されていたことがわかりました。

緊急放流は、流入量と同じ量を放流するよう要領で定められていますが、野呂川ダムでは、流入量を上回る放水が、翌日にかけて、延べ8時間行われていました。

最も多い時では75トン超えていて、ダムに隣接する事務所で放流量を調節していた担当者が、ルールと異なる操作をしたことが原因だとしています。

また、下流の安浦町での住宅の浸水被害との関係について広島県は、まだ分かっていないとしながらも、今回の操作の経緯や被害との関連性についても検証する方針です。

◆2018年8月2日 毎日新聞
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180802-00000099-mai-soci
ー<西日本豪雨>ダム緊急放流 流入量より多く放流か 広島ー

◇規定違反操作の可能性 12月にも結果を報告書に

 広島県は2日、西日本豪雨の際に緊急放流を行った呉市の野呂川ダム(総貯水量170万立方メートル)について、規定に反して流入量より多く放流する操作をした可能性があると発表した。ダムの下流域では浸水被害が起きており、県は放流の経緯や被害との関連を検証し、12月にも結果を報告書にまとめる。

 緊急放流は、ダムが満水を超えると予想された場合、決壊を防ぐため流入量と同量を限度に放流を増やす操作。県によると、水位の上昇で7月6日午後11時50分から緊急放流を実施。豪雨後に調べたところ、7日午前10時半まで2度にわたり延べ8時間、操作要領に反して流入量を超す放流が行われていたことが判明した。

 県は「土砂も流れ込んで急激に水位が上昇していた。管理施設が停電して降雨予想などの情報がほぼ入らず、職員が更なる大雨に備えて規定を超す放流をした可能性がある」と説明した。ダム下流の呉市安浦地区では、別の支流の氾濫も重なり、約56ヘクタールで家屋760棟が浸水した。

 一方、県は2日、土砂崩れなどの危険性が高い箇所を指定する土砂災害警戒区域を巡り、土石流で2人が死亡した三原市大和町の現場は指定に向けた調査の対象外だったことを明らかにした。県は指定や調査のあり方を今後検証する方針。【東久保逸夫】

◆2018年8月2日 産経新聞
https://www.sankei.com/west/news/180802/wst1808020093-n1.html
ー規定違反し大量放流か…広島のダム、是非検証へー

 西日本豪雨の際、広島県が管理する野呂川ダム(呉市)で、流入量以上に放流しないよう定めたダム操作に関する県の規定に反し、担当者が大量放流した可能性があることが2日、県への取材で分かった。下流での浸水被害を拡大させた懸念もあり、県は同日付で当時の放流操作の是非などを検証する有識者検討会を設置した。10月までに中間報告をまとめる方針。

 野呂川ダムでは、豪雨被害が起きた7月6日から7日にかけ、周辺河川からダム湖に流れ込む水の量が2度にわたって急増し、貯水容量の限界を超える恐れが出た。

 担当者は流入量以上に放流しないと定めた県のダム操作に関する規定に反して、水があふれ出て堤体などを傷つけないよう、7日午前中に大量放流した。この操作で野呂川の水かさが増え、下流にある呉市安浦町の市街地の浸水被害を増幅させた恐れがあるという。

 県が管理する椋梨(東広島市)、福富(同)の両ダムについても大量放流が被害をもたらした可能性があり、検証対象とする。12月に最終報告を取りまとめる。

 西日本豪雨のダム放流操作を巡っては、愛媛県・肱川上流のダムでも当時の対応が適切だったかが問題視され、国土交通省などが検証している。

◆2018年8月3日 NHK
https://www3.nhk.or.jp/hiroshima-news/20180803/0001914.html
ーダム緊急放流ルールと異なる操作ー

先月の豪雨で、呉市にある野呂川ダムで、満水になるのを防ぐために緊急放流が行われた際、ルールと異なる操作によって、規定の量を超える水が放流されていたことがわかり、管理する県が、ルールに反する操作が行われた経緯を詳しく調べています。

豪雨に見舞われた先月6日、呉市の県が管理する野呂川ダムでは、満水になって決壊するおそれがあるとして、午後11時50分に緊急放流が行われました。

県によりますと、緊急放流は、ダムの水位を安定させるため、流入する水の量と同じ水量を放流することが、要領で定められています。

しかし、この際は、翌日にかけて流入量を超える水が放流された時間帯が8時間ほどあったことがわかり、最も多い時では、75トンも超えていたということです。

県では、ダムに隣接する事務所内で、放流量を調節していた県の担当者が、ルールと異なる操作を行ったことが原因だとしていて、そうした操作が行われた経緯を詳しく調べています。

また、野呂川ダムの下流にある呉市安浦町では、住宅の浸水被害が出ていて、県では、今回の放流と被害との関連を検証することにしています。

◆2018年8月3日 産経新聞
https://www.sankei.com/west/news/180803/wst1808030037-n1.html
ー広島・呉の野呂川ダム検証に職員派遣 国交相、大量放流巡りー

 石井啓一国土交通相は3日の記者会見で、西日本豪雨の際に広島県が管理する野呂川ダム(同県呉市)で、担当者が規定に反し大量放流した可能性があることを巡り「県が設置した検討会に国交省職員を委員として派遣し、一緒に検証する」と表明した。ダム操作に問題があったかについては「県から詳細な報告を受けていない」とした。

 野呂川ダムは、豪雨被害が起きた7月6日から7日にかけて、周辺河川からダム湖に流れ込む水の量が急増。担当者は水があふれ出て堤体などを傷つけないよう、流入量以上に放流しないと定めた県の規定に反し、大量放流した可能性がある。

◆2018年8月3日 テレビ新広島
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180803-00000001-tssv-l34
ー呉市・野呂川ダム 規定超える放流で浸水被害拡大かー

 西日本豪雨の際、呉市の野呂川ダムでルールに反した操作をしてダムに入る水量以上の放流をし、下流域の浸水被害を拡大させた可能性があることがわかり、ダムを管理する県は詳しく検証する方針です。

 県によりますと、呉市安浦町の野呂川ダムは、先月6日の夜から7日の未明にかけ、ダムに流れ込む水の量が2回に渡って急増しました。
 その際、ダムの管理事務所は7日の未明から午前にかけて2回にわたりおよそ8時間、ダムに入る量を上回る水を放流しました。
 これは、安全管理の上で決められたルールに反する操作だったということです。

 野呂川ダムの下流域にある呉市安浦町の市街地では、3つの川が合流する付近でおよそ760戸が浸水し、ダムの放流が被害を拡大させた可能性もあるということです。
 当時、ダムの管理事務所は連絡手段が防災無線しかなく情報不足の状態だったということです。
 県は当時の状況を詳しく検証し、ダムの管理のあり方や対策を検討することにしています。

◆2018年8月3日 広島ホームテレビ
https://www.home-tv.co.jp/news/content/?news_id=20180803002402
ー広島・呉市 野呂川ダム 規定に反した放流 安浦町の浸水に影響かー

 これは先月7日、呉市安浦町を流れる野呂川の様子です。激しい濁流で道路が途中でなくなっているように見えます。先月の豪雨災害で野呂川が氾濫した安浦町はおよそ56ヘクタールにわたって浸水。多くの住宅や商店、鉄道などにも被害が出ました。この安浦町の浸水被害にダムの放流が影響している可能性が出てきました。県によりますと7月6日から7日にかけての豪雨で、野呂川ダムに流れ込む水の量が急増したため「流入量以上に放流しない」という県の規定に反した操作で緊急放流が行われたということです。7日の午前中、2回にわたりあわせておよそ8時間、水の量は1秒あたり最大で本来より75トン上回っていました。県はこの緊急放流が浸水につながった可能性について専門家でつくる委員会で検証を行うことにしています。

◆2018年8月7日 日経 xTECH
https://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/column/18/00142/00203/?P=1
ー規則に反してダム大量放流、浸水被害を拡大かー

 西日本豪雨で緊急放流した広島県呉市の野呂川ダムで、合計8時間にわたりダムの操作規則に違反して流入量を上回る量を放流していたことが分かった。ダムを管理する広島県は8月2日に有識者検討会を設置し、ダム下流の浸水被害を拡大させた可能性や、操作の是非について検証を始めた。10月に中間取りまとめを発表する方針だ。

 野呂川ダムが洪水時に水をためられる最高水位は134.4m。ダムの損傷を防ぐため、水位が132.8mを超えたらダムへの流入量と同量を排出する緊急放流を始めるよう操作規則で定めている。放流を流入と同量に保てば、ダムの水位は変化しない。

 今回の豪雨で野呂川ダムでは、7月6日午後11時50分に緊急放流を始めた。放流量が流入量を超えたのは、7日午前0時10分から4時10分までと、午前6時10分から10時24分までの2回。特に放流量が多かったのが2回目で、午前6時20分に毎秒178m3で最大を記録。7時40分には放流量と流入量の差が最大となる毎秒75m3に達した。

 野呂川ダムは午前5時50分に満水になったが、流入量を超える放流の影響で、その後は水位が下がった。

特殊な条件下のダム操作を見直しへ
 広島県は、豪雨が収まった後にダムのデータを見て、緊急放流中に放流量が流入量を超えていたことに気付いた。緊急放流を実施することはダムの管理所からの防災無線で聞いていたが、緊急放流中の流量の変化についての連絡はなかった。7月6日と7日に県は、ほかの河川の氾濫などへの対応に追われ、野呂川ダムの流量を把握していなかった。

  広島県河川課は、ダム操作の担当者への聞き取り調査を進め、放流量が流入量を超えるようにした現場の判断について情報を整理している。豪雨から既に1カ月たっているが、関係者への事実確認が終っていないとして、具体的な理由は公表していない。

 豪雨の当日は、野呂川ダムを囲む山が数カ所で崩れた影響などでダムに土砂が流れ込み、水位が上昇した。加えて、大雨の影響で電話やインターネットの通信が途絶え、ダムの管理所は今後の降雨量の見通しなどの情報を得られなかったことが分かっている。

 このことから県は、雨が降り続いた場合に水の流入以外の要因でさらに水位が上昇する恐れがあると管理所が独自に判断し、水位を下げるために規則以上の量を放流したとみている。

 ダムの下流の呉市安浦町には、野呂川のほか、中切川と3カ所が破堤した中畑川からの水が流れ込み、約56haにわたり750棟が浸水した。広島県は今後、安浦町の浸水被害の要因やダムの操作によって下流の浸水被害が拡大した可能性を検証する。さらに、電話やインターネットが使えないときや、土砂の流入でダムの水位が上昇したときなど特殊な条件での操作を見直す方針だ。