西日本豪雨災害のスライド「岡山県・高梁川水系の氾濫」他(嶋津暉之さん)

 さる9月7日、超党派の議員連盟、「八ッ場ダムを考える1都5県議会議員の会」が衆議院第一議員会館会議室で総会を開き、今後も八ッ場ダム事業の監視を続け、各都県議会で八ッ場ダムの問題を取り上げていくことを確認しました。

 総会後の学習会では、八ッ場ダム事業の現状報告とともに、水問題の専門家である嶋津暉之さん(水源開発問題全国連絡会共同代表)による、7月の西日本豪雨災害についての解説がありました。参加した議員からは、関東地方でも大規模な水害が発生することを危惧する声が多く、水害の原因、ダムの治水限界などについて活発な質疑が行われました。

 議員の皆さんが熱心に聴き入った嶋津さんの講演スライドをご紹介します。
 7月の水害後、国交省や報道機関から膨大な情報が出されていますが、これらの情報を整理して水害の原因を追及する分析を行っており、河川行政の問題を鋭く指摘しています。
 
 以下の各タイトルをクリックすると、全スライドが表示されます。スライドの一部をタイトルの下に表示しました。三部構成となっており、ここでは一部と二部を紹介します。

1.西日本豪雨災害の全容(概要)(2.42MB)
今回の豪雨被災地における雨量規模と被害状況

2.高梁川支流・小田川(岡山県真備町)の氾濫防止事業を半世紀も先送りした国土交通省(7.49MB)
「小田川とその支川の周辺は氾濫の常襲地帯であり、大洪水が来れば、壊滅的な被害を受けることが予見され、且つ、氾濫回避の有効な対策(小田川付け替え)があったにもかかわらず、その対策の実施を何十年も先送りしてきた国土交通省の責任は重大である。」

〇犠牲者51名。8割超が一階部分で遺体となって発見された。
〇小田川氾濫の要因
① バックウオーター現象
② 脆弱な堤防が決壊
③ 河道内の森林化を放置

小田川合流点を下流側に付け替える動き
 小田川合流点を下流側に付け替える動きが半世紀前(1968年頃)からあったが、ダム事業(貯水池建設事業)と一体の計画であったため、難航することになった。
 柳井原堰を建設して柳井原貯水池をつくり直すことに対して、旧船穂町(現・倉敷市船穂地区)が地元にメリットがないとして反対したが、1995年に計画に同意した。
 しかし、利水団体の参画がなくなり、岡山県が国交省中国地方整備局に中止を要望。2002年11月に同整備局・事業評価監視委員会が承認、中止決定。
「治水の必要性は高いものの、社会情勢の変化に伴う岡山県全体の水需給計画の見直しにより、利水関係3団体が参画を取り止めたため、多目的ダム建設事業としての継続が困難であるので、中止する。」
→ 小田川合流点の付け替えは先送りになった。

2010年、河川整備計画の策定で、小田川合流点の付け替えがようやく具体化
高梁川水系河川整備計画(平成22年10月 国土交通省中国地方整備局) 対象期間は概ね30年間

●高梁川直轄河川改修事業(小田川合流点付替え)
事業内容 放水路(L=3.4キロメートル) 岡山県倉敷市
全体事業費 約280億円
事業期間 平成26年~平成40年

 河本ダムは本豪雨で満水になり、洪水調節機能を失ったが、その放流が小田川の氾濫に影響したかどうかについては検討が必要である。中国電力の新成羽川ダム等については現在、データの入手に努めている段階にある。