西日本豪雨、熊本の市民団体による被災地視察報告

 西日本水害について、熊本県の市民団体からの情報です。
 熊本県で9月15日に開催された集会「西日本豪雨被害を検証する―もう、「想定外」では許されない」(主催:子守唄の里・五木を育む清流川辺川を守る県民の会)の動画と資料がネット上にアップされています。
 つるさんと緒方さんのお話は、被災地の視察報告です。球磨川における住民運動の中心メンバーとして、水害を長年調査し、蓄積した知識に基づく、住民目線のわかり易いレポートです。

1. 愛媛県肱川流域等の視察報告 つる詳子さん
  https://youtu.be/xDxWRc5WomI
      

 つるさんの報告の一部書き起こしです。↓

「西日本豪雨水害を知った時、球磨川での教訓がまったく生かされていないことに強い怒りを感じました。私たちがやってきた運動が頭から否定されたように感じました。
 このところ、(我が国における本格的なダム撤去第一号である)球磨川の荒瀬ダム撤去について講演を頼まれる機会が多いのですが、ダム撤去によって清流が蘇ったことを伝えることに一生懸命で、私たちがなぜ荒瀬ダム撤去を求たのか、伝えられていなかったことを反省しています。

 球磨川は昔から急流ではあったけれど、暴れ川ではなかった、川ギリギリのところに家を建てて暮らすことができる川でした。ところが荒瀬ダム、瀬戸石ダム、市房ダムができて、水質悪化、漁獲量減少、干潟の減少が起きました。荒瀬ダム撤去が全国で放送されるとき、環境を取り戻すという点が強調されましたが、なぜ撤去してほしかったか、一番の理由は、荒瀬ダムができてから、水害の質がものすごく変わったことでした。
 国交省は大雨による流入水とダムの放流水は一緒だと説明しますが、まったく違うんです。ダムが放流する時は、水位が一気に上がり、ダム湖が溜め込んだ土砂が一気に放出されます。写真(右上)は洪水の翌日撮影されたものです。家の中まで入り込んだ大量の土砂を取り除くのは大変ですし、家財道具も失われる。ダムができてから水害が頻発するようになり、流域の村は疲弊していきました。これが流域住民が(球磨川支流の)川辺川ダム建設に反対し、荒瀬ダム撤去を求めた理由でした。
 
 国交省はこうした事例を各地で沢山見てきた筈です。ダムの放流水が大雨による流入水と違うことは想定内であった筈なんです。ところがこうした事実を他の地域では伝えず、今回の水害の被災地である肱川などでダムは安全だと説明してきました。」

肱川の水害の原因
 〇治水効果がないダムをつくったこと
 〇ダムがあるから安全と住民に思わせたこと
 〇ダムの緊急放流の怖さをきちんと住民に伝えてこなかった
 〇ダム操作がまずかったこと
 〇ダム第一主義で、他の治水対策が遅れていること
 〇遊水地であったところに、民家や商業施設をつくった
 〇避難に関するソフト面の対策がまったくできなかったこと

 
 

2. 岡山県真備町等の視察報告 緒方紀郎さん
  https://youtu.be/a0mBTDFkxP0

3. 講演「根底的見直しを迫られる国土交通省の治水安全対策体系」講師:中島熙八郎熊本県立大学名誉教授
  https://youtu.be/3dycKVlEvwc
講演資料 http://u0u0.net/M83J 

4.  パネルディスカッション「西日本豪雨被害を検証する~もう、『想定外』では許されない!」
   パネリスト:中島熙八郎名誉教授、つる詳子さん、緒方紀郎さん
   コーディネーター中島康さん
   https://youtu.be/KQhF3ueXQ4w