国交省、「異常豪雨の頻発化に備えたダムの洪水調節機能に関する検討会」開催

 さる9月27日、国土交通省は「第1回 異常豪雨の頻発化に備えたダムの洪水調節機能に関する検討会」を開催しました。その配布資料が国土交通省のホームページに掲載されました。
http://www.mlit.go.jp/river/shinngikai_blog/chousetsu_kentoukai/dai01kai/index.html

 ダムの貯水容量満杯を防ぐ方法の一つは事前放流ですが、降水量の定量的な予測が非常に難しく、野村ダムが西日本豪雨後の8月下旬に大雨が来るという予報のもとに事前放流を行ったところ、7mmしか降らず、空振りになり、渇水リスクが高まったことが紹介されています(資料2-3の3ページ)。
http://www.mlit.go.jp/river/shinngikai_blog/chousetsu_kentoukai/dai01kai/dai01kai_siryou2-3.pdf

 また、7月の西日本豪雨の際、緊急放流後にダム直下の野村町で5名の犠牲者が出た野村ダムでは、西日本豪雨において気象専門機関に委託して毎時、ダム集水域の時間雨量を予測し続けましたが、実績雨量とは乖離し続けたことを示す資料が掲載されています(資料2-3の14ページ、下画像)。
 気象予測技術は進歩しましたが、降水量の定量的な予測は困難のようです。

 関連記事を転載します。

◆2018年9月27日 TBS
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3484439.html
ー西日本豪雨受け、ダム操作や情報提供のあり方を検討ー

 西日本豪雨でダムの放流によって浸水被害が生じたことを受け、国土交通省は、より効果的なダムの操作や情報提供のあり方を考える有識者による検討会を開催しました。

 西日本豪雨では、国土交通省が管理する8つのダムでダムの容量を超えたため、流入量と同じ量の放流を行いました。このうち、愛媛県の野村ダムと鹿野川ダムの放流により住宅が浸水するなど大きな被害が発生しました。

 出席者からは、住民は危機意識は持っていても、提供される情報が難しくてよくわからない、洪水に備えた事前放流には渇水のリスクも伴うことの理解を広める必要があるなどの課題が挙げられました。

 検討会では、今年11月をめどに、より効果的なダムの操作や情報提供のあり方について取りまとめる方針です。

◆2018年9月27日 NHK
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180927/k10011646801000.html?utm_int=nsearch_contents_search-items_006
ー豪雨頻発 ダム操作や住民への情報発信など議論開始 国交省ー

 ことし7月の西日本豪雨など、想定を上回る豪雨の頻度が高まっていることを受けて、ダムの操作や住民への情報発信の在り方について議論する国土交通省の検討会の初めての会合が開かれました。

 ことし7月の西日本豪雨では、全国の8つのダムで貯水量がいっぱいになり、流れ込んだ水をそのまま放流する緊急の操作が行われていて、このうち愛媛県の肱川などで氾濫による大きな被害が出ました。
 国土交通省は、想定を上回る豪雨の頻度が高まっているとして、ダムの操作や住民への情報発信の在り方を議論する専門家による検討会を設置し、27日初めての会合が開かれました。
 この中で、ダムの操作をめぐっては豪雨に備えて事前に大量の放流を行えば、発電や水道用に使う水を失ってしまうリスクがあることなどから、流域の住民や自治体との調整が重要だという指摘が相次ぎました。
 また、放流時の浸水想定や被害の規模などの情報をしっかり提示する必要があるといった意見も出されていました。
 検討会の委員長を務める京都大学の角哲也教授は、「ダムの役割や限界、活用方法に関心が高まっている。豪雨の頻度が上がる今は、活用方法を考える転換点にあるので、将来にわたった課題をしっかりと議論したい」と話していました。検討会では、ことし11月をめどに対策の方向性を取りまとめることにしています。