八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

東京新聞が石木ダム、長崎新聞が八ッ場ダムを取り上げた日曜の朝

 今週日曜日、長崎新聞に八ッ場ダム予定地についての長大なルポルタージュが掲載され、東京新聞では長崎県の石木ダムについての特報記事が掲載されました。

 石木ダムに反対する長崎県の市民団体「石木川まもり隊」が「ダム問題のエール交換?」と題して、両方の記事を掲載しています。
 http://ishikigawa.jp/blog/cat01/4398/

 長崎新聞の八ッ場ダム予定地についての記事は、こちらでお読みいただけます。
 https://yamba-net.org/wp/44304/
 「八ッ場ダム周辺を歩く」(長崎新聞のルポ)

 石木ダム事業ではダム予定地に暮らしていた54戸がダムに同意して転出していますが、今も13世帯がダムに反対して団結しています。
 ダム予定地周辺では、住民の抵抗を無視するように、長崎県がダムで沈む道路の付替え工事を進め、ダム予定地に暮らす住民の土地を強制収用可能にするための事業認定手続きを進めています。計画では石木ダムの完成予定は2034年度。どう考えても無謀なダム計画です。

 東京新聞の石木ダムについての記事を一部転載します。

★2018年10月14日 東京新聞特報面
 http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2018101402000155.html
ー長崎・石木ダム建設反対 13世帯闘い半世紀「負けとうなかたい」ー

 長崎県と佐世保市が同県川棚町で建設を計画する石木ダム。現在、ダムで水没する県道の付け替え工事が進められ、その次にはダム本体の準備工事が予定されている。計画ができてから既に半世紀。予定地で暮らす十三世帯五十三人の住民は建設に反対し続け、今も座り込みを続けている。家屋や土地の強制収用の可能性も取り沙汰され始める中、住み慣れた土地を守る闘いを諦めない住民たちを訪ねた。 (片山夏子)・・・以下略・・・

●ダム予定地住民は・・・
「(ダム事業の道路工事が進められている)ここは森やった。木をばりばり倒して止まらんね。世の中おかしかけんさ。負けとうなかたい。命かけて毎日出かけてくるけんね。四十年前に嫁いできて、ずっとこんな生活をしとる」(岩下すみこさん)

「暑か日も寒か日もきつかった。」つらいときは、故郷を歌った「こうばるの歌」を口ずさんで耐えた。夏の猛暑は500ミリリットルの水を三本ずつ持ち、脇の下に保冷剤を入れ、しのいだ。(岩永信子さん)

「(1982年の県の強制測量は)突然、濃紺の服を着た大勢の機動隊が列を作って、走ってきた。異様で怖かった。」「じいちゃんもばあちゃんも歯を食いしばり、抱えられてどけられ、けがをしても座り込み続けた。家が取られると、この時初めて思った。」「何も悪いことをしていないのに、どかされる。僕が川原で生まれ育った年月は、ダムとの闘いの年月でもある」
「50年も前に計画され、無くて困らなかったものが、強制収用の手続きがされ、本格工事に向け動こうとしている。代替地では代わりにならない。みんながいて、いつもの風景があって、それが生活。13世帯みんなが家族のように暮らしてきた。ばあちゃんに子供たちに変わらぬ風景を残したい」(松本好央さん)

「飲ませ食わせと金で地域が分断され、前日までいた人が黙っていなくなった。過疎地でもないこんな所に、なんでダムを造らんといかん。ここで暮らしたい。たったそれだけだ」(岩下和雄さん)

「ホタルが舞い、四季折々の花が咲き乱れ、夜は川のせせらぎと時計のぼんぼんという音だけ。ここは安住の地。土地や田んぼを収用し、家を壊されても、人間は収用できん。柱に体をくくりつけても絶対どかんけん」(岩本宏之さん)

石木ダム事業認定取り消し訴訟で原告住民側に立つ馬奈木昭雄弁護団長は・・・
「ダムに緊急性はなく、計画ありきで必要な理由も変遷している。必要のないダムで、先祖代々続く住民の豊かな生活が奪われようとしている。勝つまで闘い続ける」

ダム問題の専門家は・・・
「佐世保市の取水量は減り続けており、人口減少も考えると十分にまかなえる。治水面でも、ダムで川棚川流域の9%弱の面積しかカバーできない上、整備すべき港湾口付近や堤防強化などすべきことがされていない」(水源連共同代表・嶋津暉之さん)

「佐世保市は不要なダムの膨大な建設費や維持費を背負うことになる。国はダム中心の治水を進めてきたが、鳥取県や滋賀県、大阪府など知事が徹底的に計画を見直し(府県営ダムを)中止した。川原(こうばる)のように、13世帯もの住民が反対して住み続けている例は他にない」(今本博健・京都大学名誉教授)

ダム起業者の長崎県の担当者は・・・
「百年に一度程度降る大雨の洪水被害を軽減するためにダムは必要」(長崎県河川課の松本憲明企画監)

「過去の渇水体験があるため、市民は今は節水しているが、造船会社が修繕にシフトし、船の高圧洗浄で水需要が増える。二十四年度には一日の取水量が十一万七千立方㍍に増え、四万立方㍍足りなくなる」(佐世保市水源対策・企画課の川野轍課長)

 石木川まもり隊サイトより