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立野ダム考えるシンポ、嘉田前滋賀県知事、流域治水語る 熊本で300人参加

 国交省九州地方整備局が熊本県の震災被災地で進めている立野ダム事業は、今年8月に本体工事に着工しましたが、反対運動は今も粘り強く続けられています。流域全体の総合的な治水政策を滋賀県知事として進めた嘉田由紀子さんの講演会がこのほど、立野ダムに反対する市民団体の共催で開かれました。
 東京でも明後日12月16日(日曜日)、当会主催の集会を企画しており、嘉田由紀子さんが基調講演を行います。是非、ご参加ください。

「荒れる気候の時代に 命を守る水害対策を考える」−12/16、東京・水道橋 
 https://yamba-net.org/wp/44216/

◆2018年12月12日 毎日新聞熊本版
https://mainichi.jp/articles/20181212/ddl/k43/040/476000c
ーシンポジウム 立野ダム考える 水害に強い地域に 嘉田前滋賀県知事、流域治水語る 熊本で300人参加 /熊本ー

 水害に強い地域をつくるため、滋賀県知事時代に土地利用規制まで踏み込んだ流域治水条例を制定した嘉田由紀子さんを講師に招き、国が熊本県の白川上流(南阿蘇村、大津町)で建設中の立野ダムについて考えるシンポジウムが大津町文化ホールであり、300人が参加した。

 嘉田さんは7月の西日本豪雨で洪水調節不能に陥り、短時間に放流量を6倍に増やした愛媛県西予市の野村ダムを例に「ダムの専門家は『洪水をためて逃げる時間をキープするためダムが必要』と言うが(放流情報は伝わらず)住民は急激な増水を『ダム津波だった』と言っている」と指摘。「計画以上の雨が降ればダムでも危ないと国は普段から伝えるべきだ」と語った。

 堤防が決壊した岡山県倉敷市真備町では死者51人の大半が戦後移ってきた新住民で、地域の水害予防組合が1974年に解散し水害対策を行政に依存していたことが犠牲を拡大したと分析した。

 滋賀県の流域治水条例で定めた、▽土地の安全度を示した地図を不動産売買時に提示するよう努力義務化する▽10年に1度の洪水で50センチ以上の浸水が予想される地区は新たに都市計画区域にしない▽200年に1度の洪水が起きた際、浸水予想水深以上の高さへの避難が可能か建築確認でチェックする−−などの対策を紹介して地域の防災力を高める必要性を訴えた。【福岡賢正】