西日本豪雨で被災した岡山県の4市長 ダムの事前放流ルールなど改善要望

 岡山県では、7月の西日本豪雨の際に高梁川が氾濫し、50人以上の流域住民が亡くなりました。高梁川の上流には電力会社が管理する水力発電専用の巨大ダムがあり、流域4市(倉敷、総社、高梁、新見)では、洪水被害を減らすため、ダム放流の運用の見直しを求めています。さる12月14日には、国土交通省、岡山県、中国電力と4市町が非公開の意見交換会を行ったとのことで、会合の冒頭と会合後の市長らへのインタビューが地元のテレビ局で放映されました。

 山陽新聞と朝日新聞の報道によれば、会合後、報道陣の取材に応じた中国電力の吉岡一郎・水力部長は、事前放流について「(中国電力が管理する)新成羽川ダムは、利水専用で洪水調節機能を持っていないが、下流でこれだけの人命や財産が失われ、4市長からも切実な改善の要望があった。現実的にどこまでのことができるか検討していきたい」と話したとのことで、国土交通省は早ければ年内にもダム管理者の岡山県や中国電力を集めた検討会を開く予定とのことです。

      KSB瀬戸内海放送の動画
      

 このニュースについて、高梁川における7月豪雨水害を視察・調査してきた嘉田由紀子・前滋賀県知事は、フェイスブックで次のように述べています。
http://urx.blue/OFpF
——
・・・ダムには治水目的や利水(電力、農業用水、生活用水、工業用水等)目的など多様な性質が盛り込まれて計画されます。しかし、利水ダムであっても、命を守る治水が最優先ということで、河川法52条には、「河川管理者は・・・ダムの操作について・・・災害の発生を防止し、又は災害を軽減するために必要な措置をとるべきことを指示することができる」とありますが、これまで死文化していた発動されておりません。
 今国会で、今回の西日本豪雨をふまえて、友人の阿部知子衆議院議員にこのことを「質問主意書」でだしてもらいました。回答は、「河川法52条の規定による指示を行った事例は、国土交通省としては把握できていないが・・・・利水容量を活用して洪水時の貯留を行っている事例があり・・・洪水時の流水の貯留を行うことについて検討していくこととしている」との回答でした。今回の岡山県下4市長の要望は、河川法52条をふまえての要望と思います。…(以下略)
—–転載終わり—–

阿部知子衆院議員の質問主意書と内閣答弁は、衆議院のサイトに掲載されています。

 「高梁川流域における河川法第五十二条運用に関する質問主意書」
 http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/197106.htm

 
◆2018年12月15日 KSB瀬戸内海放送(Yahoo!ニュース)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181215-00010003-ksbv-l33
ー西日本豪雨で被災した岡山県の4市長 ダムの事前放流ルールなど改善要望ー

 西日本豪雨で被害を受けた4つの市長らが14日、集まり、ダムの管理や運用方法の改善を求めました。

 国土交通省が開いた意見交換会には、豪雨で被害を受けた倉敷市や総社市などの4人の市長が出席しました。
 今回の豪雨では、大雨が予想されていたのにルール通りにダムの放流が行なわれたため、雨の量に対応できず河川の氾濫を招きました。市長らは中国電力などに対してダムの事前放流などの運用ルールの改善を要望しました。

西日本豪雨で被災した岡山県の4市長 ダムの事前放流ルールなど改善要望
(倉敷市/伊東香織 市長)
「(ダムの放流で)上流からの多くの水が来ることについて非常に危機感を持っており、少しでも軽減するための方策をみんなで考えるということになったと思っております」

西日本豪雨で被災した岡山県の4市長 ダムの事前放流ルールなど改善要望
(総社市/片岡聡一 市長)
「中国電力さんが事前放流にどれだけ協力してくれるのかということが全てのテーマだと僕は思っています」

西日本豪雨で被災した岡山県の4市長 ダムの事前放流ルールなど改善要望
(中国電力 電源事業本部(水力)/吉岡一郎 部長)
「実は洪水調節機能をもつダムと我々のダムでは構造が違ったりしています。我々としてどこまでのことができるのかということを検討させていただきます」

◆2018年12月14日 山陽新聞
http://www.sanyonews.jp/article/838968/1/
ー高梁川でのダム事前放流を要望 流域4市長が管理者らと意見交換ー

  西日本豪雨で被災した高梁川の流域4市(倉敷、総社、高梁、新見)とダム、河川管理者による意見交換会が14日、岡山市内で開かれ、4市長が洪水被害の軽減に向け、大雨が予想される際の事前放流といったダム操作の見直しを要望した。

 会合は自由に発言し合うためとして、非公開で約1時間行われた。国土交通省によると、各市長からダム、河川管理者の中国電力、国、岡山県に対し、事前放流のほか、今回の豪雨でダムの放流が与えた影響の検証▽避難情報や道路の通行規制を適切に行うためのダム放流・河川水位の情報提供▽河川内の土砂撤去や樹木伐採―を求める声が出たという。

 事前放流については、新成羽川ダム(高梁市)を管理する中国電力の担当者が会合後、「洪水調節機能を持たないダムだが、(西日本豪雨により)下流で多くの人命や財産が失われ、4人の首長から切実な改善の要望があった。現実的にどこまでできるか検討する」と説明した。

 会合では、国交省岡山河川事務所が高梁川の大規模氾濫に備えるため各自治体トップらと開いている減災対策協議会のメンバーに、ダム管理者を加えることも了承されたという。この日出された課題や意見を集約し、年内に開催予定の同協議会会合で対策を具体化させていく。

 総社市の片岡聡一市長は「県や中国電力と話し合いの場が持てたことは大成功。どのような災害軽減措置が取られるのかはこれからの議論になる」と述べた。

◆2018年12月18日 朝日新聞 (有料記事)
https://digital.asahi.com/articles/ASLDH677DLDHPPZB00P.html
ー岡山)ダムの事前放流など要望 高梁川流域の4市長ー