ソフト対策で危機的な渇水に対応することにした吉野川水系フルプラン

 国土交通省はさる19日、「吉野川水系における水資源開発基本計画」(フルプラン)の変更を発表しました。

 報道発表資料
  全国初!計画の抜本的見直しにより、リスク管理型の水の安定供給へ〜「吉野川水系における水資源開発基本計画」の変更〜

 http://www.mlit.go.jp/report/press/water02_hh_000113.html

 上記ページの冒頭に次のように書かれています。

「吉野川水系における水資源開発基本計画※1の変更について、本日、閣議決定を経て、国土交通大臣が決定しました。
 本計画では、危機的な渇水時も含めて水需給バランスを総合的に点検し、既存施設を最大限に有効活用していくことと合わせ、必要なソフト対策を一体的に推進することによって、安全で安心できる水を安定して利用できる仕組みをつくり、水の恵みを将来にわたって享受できる社会を目指します。
 リスク管理型の計画への変更は、吉野川水系が全国初となるもので、今後、他の5計画についても、順次、計画の見直しに着手していく予定です。」

 水道用水等の安定的な供給を目的とする水資源開発促進法に基づき、全国で6水系(利根川及び荒川、豊川、木曽川、淀川、吉野川、筑後川)で水資源開発基本計画(水需給計画)が定められています。
 八ッ場ダムをはじめ、水源開発を大義名分とするダム事業が全国各地で進められてきました。6水系の中で、新規のダム等の水源開発の計画がないのは、吉野川水系だけです。吉野川水系では、富郷ダムが2000年度に完成した後の水源開発がありません。

 この吉野川水系でリスク管理を打ち出せば、下記の図の通り、危機的な渇水時の水需給は大幅に不足することになりますが、国土交通省のこの度の発表によれば、ソフト対策で乗り切ることになりました。

 ソフト対策として、以下の対策が挙げられています。

<水供給の安全度を確保するための対策>
 節水機器の普及等の取組、用途をまたがった水の転用、地下水の保全と利用 など

<危機時において必要な水を確保するための対策>
 応急給水体制の整備、「渇水対応タイムライン」の策定、災害時の相互支援協定締結の推進

 吉野川水系では、このようなソフト対策で危機的な渇水に対応することにしたのですから、ほかの水系でもそのようにすれば新たなダムは不要となります。

 新規ダムが不要であることを示した今回の「吉野川水系における水資源開発基本計画」の変更を大いに参考にすべきです。