石木ダム論議変わるか、反対地権者初当選の川棚町議会

 長崎県の川棚町は、石木ダムの予定地を抱える自治体です。
 13世帯の住民が半世紀に及ぶダム計画に結束して反対し、住民を支援する輪が全国に拡がる中、地元は他のダム事業と同様、ダム問題をタブー視してきましたが、4月の町議選ではダム予定地住民がトップ当選しました。このことが町議会にどのような影響を与えるか、注目されています。

 「石木ダム建設に反対する川棚町民の会」では、フェイスブックで積極的に情報を発信しています。

 同会のフェイスブックが川棚町議会を取り上げた今朝の記事を紹介していました。

◆2018年5月15日 西日本新聞
https://www.nishinippon.co.jp/nnp/nagasaki/article/510105/?fbclid=IwAR2sOBQL2pqPgc8DMbvURed7EFzGi700Rujnqzwc4eBWgEm-4-aGN9IP05M
ー石木ダム論議変わるか 反対地権者初当選の川棚町議会 長く停滞 対話を望む議員も [長崎県]ー

  川棚町議会(定数14)は14日、4月の改選後初めての本会議を開いた。町議選では、町内に計画されている石木ダム建設に反対する地権者が初当選。16人の候補で最多の795票を獲得した。議会はダム建設を推進する立場で、賛否を巡る議論は長く停滞していたが、かつてない選挙結果を受けて変化の兆しもある。

 初当選したのは「石木ダム建設に反対する川棚町民の会」の代表を務める炭谷猛氏(無所属)。

 県と佐世保市が1975年に着手した石木ダム事業に、炭谷氏など13戸の地権者は強く反対している。町民の会は2016年の結成以来、石木ダムの学習会を町内で25回開催。ダムの治水、利水、水道の需給に関する情報を参加者に提供し「石木ダムは予定地だけでなく、川棚町民全体の問題だ」と訴え続けた。

 「その積み重ねがトップ当選につながった」という指摘もある。炭谷氏は学習会のチラシを手配りしながら、住民の中にダム計画への疑問が潜在していることを感じ取っていた。

 「ダム賛成の候補に票を入れた人の中にも、ダム計画はおかしいと感じている人がいる」。選挙戦を経てそう確信している。
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 町議会はダム推進、容認の議員が圧倒的多数を占める。改選前、反対を主張していたのは4月で引退した久保田和恵氏(共産)ただ一人。一般質問で町長にダム建設の是非を問うてきたが「風穴をあけることはできなかった」と悔しさをにじませる。後継の党公認の新人は落選した。

 久保田氏は石木ダム対策調査特別委員会に所属できなかった。反対派議員を委員にしないのが通例になっていたという。町議会は1995年、2008年、13年の3度にわたって「石木ダム建設を推進すべきだ」とする決議案を可決しており、賛否そのものは議論にならなかった。

 改選後も反対議員が14人中1人という構図は変わらない。それでも炭谷氏のトップ当選で、住民から「反対派の声を無視できなくなる」という声も出ている。

 石木ダム対策調査特別委員会の委員長を務めた田口一信氏(無所属)は、炭谷氏の出馬表明を受け「議員同士で話ができる」と引退を撤回した。議員と地権者の対話はずっと実現しなかったが「行き詰まった状況を動かすチャンス」と受け止めている。

 田口氏は建設推進派。町議選で「石木ダムは川棚町民を守る治水が目的」と説いたが、住民にダムの目的がよく理解されていないと感じた。「『ダム問題の主体は県と佐世保市』という町の姿勢が要因ではないか。川棚町として、ダム問題を考えなければならない」と強調する。

 新議長の村井達己氏(無所属)も14日の取材に「当事者が議会に入ったことでこれまでと違う議論ができるかもしれない。議員と地権者が話す機会も出てくると思う」と話した。

 ダム特別委員会の構成は6月の定例会で決まる見通しだ。