肱川流域でダム新操作説明会、ダム優先の治水行政へ疑問の声

 昨年7月の西日本豪雨では、愛媛県の肱川流域でダムの緊急放流後に水害が発生しました。これを受けて、国交省は肱川におけるダムの操作ルールなどを変更することになり、住民説明会が西予市と大洲市で開かれています。

 国交省は緊急放流を行った野村ダムと鹿野川ダムに続いて、肱川流域で三基目の山鳥坂ダム事業を推進しています。被災者の間では、ダム優先の治水行政が肱川の大水害を招いたとの認識が広がりつつあり、以下の記事にもあるように説明会では国交省への批判が続出し、治水行政を根本から改めることを求める声があがっています。しかし、国交省はこれまでの方針を改める気配がなく、説明会では責任逃れに終始しています。治水行政におけるすべての権利は国交省が握っていなかがら、責任をとろうとしない国交省の姿勢に被災者は憤っています。

〈参考〉「西日本豪雨・野村/鹿野川ダムの防災検証ページ」
    https://www.facebook.com/DAMofhijikawa/

◆2019年5月16日 愛媛新聞
https://www.ehime-np.co.jp/article/news201905170011
ー地元住民ら101人が出席 検証に疑問の声 大洲でダム新操作説明会ー

 西日本豪雨での肱川氾濫などを受けた野村ダム(西予市)と鹿野川ダム(大洲市)の操作規則変更などに関し、国土交通省山鳥坂ダム工事事務所と愛媛県大洲市は15日夜、最後の説明会を同市徳森の平公民館で開いた。

 住民からは、規則変更への技術的考察も盛り込んだ国設置会合の検証内容に対する疑問の声が複数上がり、山鳥坂ダム(同市)建設優先で堤防整備や河床掘削が遅れているとの意見も相次いだ。

 地元住民ら101人が出席。豪雨災害時のダム操作を疑問視する声は根強く「変えるべきは治水行政の在り方。ダムに頼らない治水を目指す立場を交え再検証すべきだ」との意見や「新規則案への疑問は解消されていない。住民の意見が反映されないのはおかしい」と説明会継続を求める声が出たが、麓博史所長は「(説明会や意見公募を踏まえ)大きな変更がなければ開かない」と回答。二宮隆久市長は「全住民の意見をくみ取るのは難しい。最大公約数を探り、国や県と協議する」と述べた。

 「再び浸水したら企業が撤退する」と懸念する被災女性は、山鳥坂ダム建設を中止し約850億円の事業費の一部を河床掘削に回すべきだと訴えた。別の女性は行政の対応を「公共の失策」と主張。事業費を犠牲者遺族や被災者への補償に充てるよう求めた。

 菅田地区の早期堤防整備を求める意見に対し、県大洲土木事務所は「遅れていることは重く受け止めている」と答えた。

 避難情報などの伝達について、独居高齢者や聴覚障害者らにも効果のある方策を求める声もあった。

 説明会は西予市も含め終了。国交省は、県への意見照会や関係省庁との調整を経て、6月16日からの出水期までに新操作規則を決定する。

◆2019年5月15日 テレビ愛媛
http://www.ebc.co.jp/news/data/index.asp?sn=7132
ー肱川流域ダムの操作ルール変更 野村町で住民説明会ー

去年の西日本豪雨を受けて変更される肱川流域のダムの操作ルールについて、西予市野村町で15日に住民説明会が開かれ、住民からは質問や意見が相次ぎました。

西予市野村町で開かれた説明会には地元の住民ら約70人が出席しました。

説明会では国が「西日本豪雨クラスの大雨でも被害を大幅に軽減できる」とする鹿野川ダムと野村ダムの操作ルールの変更案について、西予市が被害が拡大する前に住民の避難が完了するよう川の水位情報など避難指示を出せる条件を追加したと説明しました。これに対し住民からは改めて発災当時の緊急放流について問う質問が相次いだほか、サイレンや放送など、緊急放流する際の住民への周知方法について改善を求める声も上がっていました。

国は住民の意見を踏まえ来月中旬までに操作ルールを変更するとしています。