八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

東京電力・大津発電所の変圧器が吾妻川へ転落、PCB流出か

 関東地方を直撃した台風19号では、八ッ場ダム上流の吾妻川が氾濫し、流域の施設や家屋が大きな被害を受けました。
 東京電力は10月14日、吾妻川流域の水力発電所の被害状況を発表しましたが、吾妻川の護岸の崩落により、羽根尾発電所と大津発電所の変圧器などが流出したこと、変圧器には大量の油が含まれていること、大津発電所の変圧器の油には有害なポリ塩化ビフェニール(PCB)が含まれており、油が流出した可能性があることを明らかにしました。群馬県も同じく14日に、災害情報の中で大津発電所を取り上げており、10月31日には「追加情報」として、10月24日までの東京電力の調査では、吾妻川の河川水からPCBは検出されていないとしています。

 PCBを含む変圧器が流出した長野原町大津からダム湖の上流端にある長野原草津口駅までは、3キロ足らずの距離です。

★東京電力ホールディングス株式会社ホームページより「お知らせ」
http://www.tepco.co.jp/press/news/2019/1518804_8967.html
「台風19号に伴う水力発電設備、開閉設備の被害状況について」

★群馬県ホームページより 

10月14日 災害情報第4報 19ページ
https://gunma.secure.force.com/servlet/servlet.FileDownload?file=00P0I00001eYtsBUAS

10月31日 第16報
https://gunma.secure.force.com/servlet/servlet.FileDownload?file=00P0I00001eb0BmUAI 

  関連記事を転載します。

◆2019年10月25日 上毛新聞
ー吾妻川に転落した変圧器の一部発見 県が発表ー

 県は24日、台風19号によって東京電力大津発電所(長野原町大津)の変圧器1基が吾妻川に転落し、下流で一部を発見したと発表した。変圧器には人体に有害なポリ塩化ビフェニール(PCB)を微量に含む絶縁油が含まれている。同社は現在、発見された場所付近の水と土砂を分析している。

 県などによると、変圧器は護岸の崩落で吾妻川に落ち、21日に崩落地点から約200メートル下流で発見された。同社は吾妻川の水質検査を続けているが、17日の採水分までの分析ではPCBは検出されていない。

◆2019年10月26日 朝日新聞群馬版
ーPCB流出か 変圧器が損壊 長野原の川岸、見つかるー

 有害物質のポリ塩化ビフェニール(PCB)を絶縁油として使っている変圧器が、長野原町大津の東京電力大津発電所から200メートル下流の吾妻川左岸で見つかったと、県が24日明らかにした。東電が土壌や水質の汚染がないか調べている。これまでのところ汚染は確認されていないという。

 東電によると変圧器は発電所の設備の一部。台風19号による吾妻川の護岸崩落で13日朝に流されているのが分かり、21日に発見された。変圧器は高さ、幅、奥行とも約3メートル。配管が壊れ、中のPCBが流出した可能性があるという。

◆東京電力ホールディングスのホームページより、「大津発電所の被災状況」の写真
http://www.tepco.co.jp/press/news/2019/pdf/191014a.pdf