群馬県予算編成 水害備え堤防強化 かさ上げや治水見直し

 上毛新聞に群馬県の来年度予算における治水対策についての記事が掲載されていました。
 群馬県では長年、八ッ場ダム事業に多額の治水予算がさかれ、中小河川の河川改修や堤防整備などの予算が不足してきました。2018年10月県議会での伊藤祐司議員(共産党)への県の答弁によれば、群馬県管理の河川改修率は30%台です。
 一方、群馬県の財政状況は以前より厳しさを増しています。
 昨夏の県知事選で就任した山本一太知事は、「昨年10月、現状の県の財政規模を維持すれば今後5年間(20~24年度)で毎年約200億円の財源不足が生じるなどとする「中期財政見通し」を発表。」(1/11付け毎日新聞群馬版)しました。知事交代によって初めて県の財政難が明らかになりました。

 昨年10月の台風19号豪雨では、試験湛水中の八ッ場ダムが大量の雨を貯水したことから、八ッ場ダムのおかげで利根川流域は災害に合わずに済んだという誤解が広がりましたが、八ッ場ダムの治水対象である利根川本川は国土交通省が管理しており、堤防にも多額の予算が投じられてきましたので、台風通過の際も堤防に数メートルの余裕高がありました。八ッ場ダムが建設される吾妻川と利根川本川以外では、八ッ場ダムは役に立ちません。
 八ッ場ダムの関連事業はまだ終了していませんが、限られた予算の中で、河川改修が遅れている県管理の中小河川できめ細かな治水対策を進める必要があります。

(上毛新聞のサイトでは記事の一部掲載ですので、紙面記事より全文を転載します。)

◆2020年1月11日 上毛新聞社会面
https://www.jomo-news.co.jp/news/gunma/society/185866
ー県予算編成 水害備え堤防強化 知事ヒアリング開始ー

 昨年10月の台風19号の接近で水害が広範囲に及んだことを受け、群馬県は10日、新年度の重点施策として、河川改修や堤防強化などに取り組む方針を明らかにした。今後5年間を防災・減災対策の集中的、緊急的な対策期間に設定する。増水によって多数の家屋が浸水した河川などでは、河川水量が増える5月ごろまでに大型の土のうを積み上げ、堤防をかさ上げする緊急対策を実施する方向で調整に入った。

 堤防のかさ上げは、台風19号の接近に伴う大雨で周辺に浸水被害をもたらした鏑川(高崎市、富岡市)などのほか、被害の発生が今後懸念される河川を中心に実施する方向だ。

 これとは別に、決壊した場合には甚大な被害が想定される堤防の強度を高めたり、洪水調節をしやすくするために県営ダムでの治水と利水の割合を見直したりする、

 同日から始まった当初予算編成の知事査定ヒアリングで、岩下勝則県土整備部長が概要を説明。県による昨年12月の「気象災害非常事態宣言」や県土整備プランの見直し方針を踏まえ、水害や土砂災害への対策、道路防災に力を入れるとした。

 ヒアリングは週明け以降も続けられ、2月上旬の予算内示が予定されている。
 発の当初予算編成に臨む山本一太知事は記者団に、「厳しい財政状況の中で、いかにインパクトのあるめりはりの利いた予算を作れるか。知恵を絞り、協議を進めていく」と説明。既存事業の見直しを進めつつ新たな施策を検討し、防災・減災対策のほか、医療や福祉、子育てなどに必要な予算を配分するとした。