八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

八ッ場に水陸両用バス納車

 今朝の上毛新聞に、八ッ場ダムの貯水池で運行する水陸両用バスが納車されたことを伝える記事が掲載されました。
 八ッ場ダムが建設された長野原町では、ダム湖観光を今後の地域振興の目玉と位置づけており、水陸両用バスが早くに発注されていました。バスの事業費は、八ッ場ダムにより都市用水の供給を受ける東京都・埼玉県・千葉県・茨城県・群馬県が拠出する利根川荒川水源地域対策基金(八ッ場ダム3事業の一つで、事業費の総額は178億円)が負担します。
写真=湖面橋・八ッ場大橋より下流側を望む。左手に川原湯温泉の移転代替地。2020年3月21日撮影。

 しかし、コロナウイルスの感染拡大防止のためとして、国土交通省は3月29日に予定していた八ッ場ダムの完成式典を延期し、ダムの運用が開始される4月1日に開催される予定だったダム湖周辺の聖火リレーも中止されました。水陸両用バスはまだ発着所周辺の整備が終わっておらず、バスの運行がいつから始まるのかも決められない状況です。

◆2020年3月28日 上毛新聞 (紙面記事より転載)
https://www.jomo-news.co.jp/news/gunma/culture/202799
ー八ッ場に水陸両用バス 観光振興で、本県初ー

 群馬県の八ツ場ダム(長野原町)運用後に町が観光振興の一環で始める水陸両用バスが27日、納車された。両用バス導入は県内で初めてで、ダム湖「八ツ場あがつま湖」周辺の整備などを経て乗車できるようになる。

 両用バスは長さ12メートル、幅2.5メートル、高さ3.7メートル。旅客定員40人。車体の前面は船のような形状で、後部には水上での動力となるスクリューを備える。奇祭「湯かけ祭り」をはじめ、水没5地区の名物や町のマスコットキャラクター「にゃがのはら」が描かれている。

 事業費は利根川・荒川水源地域対策基金を活用し約1億3000万円。町が特定非営利活動法人日本水陸両用車協会(東京都港区、須知裕曠理事長)に委託し運行する。

 計画では約80分のコースで、このうち水上の遊覧時間は約20分。上流からダム湖に水しぶきを上げながら入水する「スプラッシュ」が見せ場だ。乗客が下車してダム堤体の上を歩くといった散策もコースに含まれる。1日5便を運行する。

 納車式では教会の須知理事長から萩原睦男町長に車両の鍵のレプリカが手渡され、周辺を試乗した。萩原町長は「水上から見える景色はまた違う。小さな子ども連れや高齢者にも楽しんでもらえる」と期待していた。

 料金や運航開始日は未定。発着地点の工事や新型コロナウイルスの感染状況を踏まえて判断する。

 協会によると、両用バス運行は全国でも20台に満たないという。

◎川原湯温泉誘客で宿泊費の助成継続 県が発表
 今月末に完成する八ツ場ダムの地元の川原湯温泉への誘客を図るため、群馬県は27日、同温泉を訪れる団体客への宿泊費の助成を4月以降も継続すると発表した。対象は旅館6軒。4人以上で平日の宿泊費を1人当たり3000円割り引く。ダム事業の説明会(無料、1時間程度)への参加が要件。

 問い合わせは、県八ッ場ダム水源地域対策事務所(☎0279・68・5511、平日)へ。

—転載終わり—

写真=ダム湖の周辺には地盤の変動を計測する機器が設置されている。道の駅八ッ場ふるさと館駐車場より3月21日撮影。

写真=道の駅・八ッ場ふるさと館より上流側。ダム湖の水位が最低水位になると、水没した下田橋や上湯原橋が姿を現す。2020年2月15日撮影。